ニコンから『NIKKOR Z 28mm F2.8』が発売されました。先だってリリースされた『Z fc』のキットレンズである『NIKKOR Z 28mm F2.8 Special Edition』と光学的には同じレンズです。ただし同レンズと比べ最大径が1.5mm小さく、また重量が5gほど軽くなりました。現代ニコンらしいデザインで、他のレンズと並べたときにも馴染むのが特徴です。APS-C機である『Z fc』のキットレンズということでAPS-C専用レンズだと思っていた方もいらっしゃるかもしれませんが、当レンズはフルサイズ対応です。今回はフルサイズ機である『Z6II』と組み合わせて撮影してきましたので、ぜひその写りをご覧ください。
船の向こうに富士山が見えます。28mmという画角らしく富士山は小さく写り、晩秋のキリリと澄んだ空気に包まれた船が主役として佇んでいます。
終わりかけのイチョウ並木。風で葉が落ちる瞬間を捉えました。よく見ると茎のような部分が地面側になっています。扇状の部分の方が重そうなので下にきそうに思えますが、空気の抵抗が大きいのか実際は逆のようです。写真を撮るまで気づかなかったことなので、写真はやっぱり面白いと感心します。
黄色いカーペットができていました。多くの人が歩くので葉が粉々になっていますが、それでも変色せず綺麗な色のままなのが素敵です。並木と合わせて黄色に囲まれる様はまさに秋。日本に四季があってよかったと感じる瞬間です。
看板の色使いと花の色遣いが同じで愛らしい一角。奥にある電灯が玉ボケになりアクセントが効いています。念のため看板にピントを合わせたバージョンも撮影しましたが、やはり主役に相応しいのは花です。「念のため」の撮影は思いのほか不要であることが多いので、生で見たときの直感は大事だと改めて感じます。
こちらも植物にピントを合わせていますが、主役は奥の玉ボケです。電光を見つけるとボケを作るために前後に何かないかとつい探してしまいます。
何度か撮っているこのサボテンですが、やっとベストな時間帯に居合わせることができました。サボテンの溝にある電光がサボテンの内壁を照らすことで、まるでサボテン自体が発光しているかのような面白さがあります。
帰り際に商業施設を見上げると、印象的な骨組みの天井がありました。線対称のデザインですが右半分には木がかかっていて、有機物と無機物のコントラストに惹かれてシャッターを切ります。
日常に豊かなボケ味を
『Z fc』レンズキットが発表された際、「Z fcも気になるけれどキットレンズがほしい!」と話題になりました。ボケ描写が美しく、それでいて携帯性にも優れ日常使いできるので、普段見ている景色を印象的に切り取ることができます。また日常使いするにあたりコストパフォーマンスの高さを求める方もいらっしゃるかと思いますが、当レンズはその点においてもうってつけと言えます。小ささに関しては、単焦点のNIKKOR Z レンズで最小・最軽量となっています。そして最短撮影距離が19cmと短いため、風景写真はもちろんのことテーブルフォトをはじめとするスナップにも向いています。活躍の幅が広いレンズです。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff