コンパクトなサイズ感ながら「Art」ラインに迫る光学性能を詰め込んだシグマの「Contemporary」シリーズに、またも魅力的なレンズ『SIGMA Contemporary 18-50mm F2.8 DC DN』がラインアップされました。APS-C用標準ズームの決定版と言える当レンズ。手にしたときにそのサイズ感から「少し暗いレンズなのでは」と疑いたくなりますが、紛う方なきF2.8通しのレンズです。焦点距離は35mm換算で27-75mmなので、ほぼ大三元の標準ズームと同等というから驚きです。マウントはソニーEマウント版とライカLマウント版があり、先だってEマウント版についてご紹介しましたので、今回はLマウント版の写りをご覧いただこうと思います。
燦燦と太陽が降り注ぐ温室。そして光を受けて透ける葉たちがフレッシュに輝いているのが印象的な一枚です。筆者は手入れされた温室が大好きです。温室は外光に恵まれつつ気温や湿度が一定に保たれ、中には生命の気が満ち溢れており、こちらまで元気をもらえると感じるからです。
蝶が羽を開いたり閉じたりしながら、花の蜜を吸っていました。綺麗な模様の羽を開いた瞬間を連写で狙います。蝶を撮ったつもりでもあとで蛾だと判明することがよくあります。一般的に蝶は人気者、蛾は嫌われ者といった感もありますが、蛾でもモフモフとした毛に覆われて可愛らしかったり、ハチドリのように飛びながら蜜を吸う様が愛らしかったりすることもあるので、嫌われないようになればいいと密かに願っています。
温室はその外観も素敵なことが多いです。こちらは大きなドーム型になっており、ガラスの面に囲まれています。よく見ると通常の建物より骨組みがしっかりしているように見受けられます。そんな温室と空を図形的に切り取りました。さわやかな気候が伝われば幸いです。
天気が崩れ、雨になりました。スニーカー屋さんの雨よけが素敵だったので、黒く濡れたアスファルトと共に写真に収めます。雨よけについた水滴の質感がカラフルなスニーカーを引き立ててくれています。
傾いた陽が斜めから差し込み、冬が近いことを教えてくれます。ガラス張りの建物に陽が当たり、それが道路に反射していました。その光の向きと、標識や看板の影の向きが異なり、ひとつの写真の中に2つの光の流れがあるのが面白いと感じシャッターを切りました。
午後の日差しが船の金属部分に反射しています。そのメタリックな輝きと雲のかかる爽やかな空のコントラストを撮りました。
広角端で目に見えるひろびろとした風景を収めます。面白いと思ったのが煙突の反射です。煙突は正面にあるのに、水面に映った煙突はやや左にずれていると感じます。光の屈折なのか、水が流れているからなのか。なんだか不思議な写真です。
左手に収まる大三元
いわゆる大三元レンズの標準ズームは24-70mmであることが多いですが、当レンズは換算27-75mmとそれに非常に近い焦点距離です。望遠端をよく使う筆者にとってはむしろ5mmお得なレンズとすら言えます。今回は『fp』と組み合わせて撮影しましたが、重量やサイズがまさにベストバランスでした。常用するのにこの上なく、SIGMA同士デザインも描写もピッタリなのです。機材とは常に携行してこそ、しかし描写も妥協したくないという方に好相性の一本です。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff