シグマから4本のレンズの発売予定が発表されました。『SIGMA Art 20mm F1.4 DG DN』と『SIGMA Art 24mm F1.4 DG DN』で、それぞれLマウント用とソニーEマウント用があります。『Art F1.4 DG DN』シリーズは先だって35mm、85mmがリリースされており、今回20mmと24mmが加わることで広角の層が一気に厚くなることになります。その中から本記事では『SIGMA Art 24mm F1.4 DG DN』のEマウント版をご紹介します。
メーカーが一番に謳うのは、圧倒的な光学性能。高い性能を要求される星景撮影を得意とする最高性能のレンズでありながら、どこへでも携行できるコンパクトネスとビルドクオリティを持ち合わせており、あらゆるシーンにおける撮影で威力を発揮します。光学性能については、中でもボディ側では補正し切れないサジタルコマフレアの抑制に注力しています。またフィルターはフロント側だけでなくリア側にもシートタイプのものが装着可能となっているので、それこそ星景撮影をはじめとするさまざまな撮影が可能です。今回は『SONY α1』と組み合わせて街を歩いてきました。フォトプレビューをどうぞご覧ください。
山の上にある洋館へ。時折「あー」とか「はー」などと声を出して自らを鼓舞しながら、なんとか急な坂道を登ってたどり着きました。柔らかに冷房が効いているその空間から庭園を眺め、ほっと一息。
庭園には噴水があり涼しげです。シャッタースピードを変えて何枚か撮ったあと、節電のためか噴水が止まってしまいました。そのタイミングにやって来た人もいたので、なんとか稼働時間に滑り込めたようでラッキーでした。
横長に開ける視界の中央には、立派な樹木が建物に寄り添うように立っています。窓の桟は淡い緑色に塗られており、木々の葉と絶妙にマッチして爽やかな香りを振りまいています。
山から降りて、今度は海へ。この辺りは海と山が両方楽しめて本当に素敵なエリアです。この写真に海は写っていませんが、港らしく浮きやロープが窓にかかっており、雰囲気で海の近くにいることが伝わるかと思います。
山では雨が降ったりしていましたが、こちらでは青空を垣間見ることができました。蔦が絡まる建物のグリーンと空のブルーを組み合わせた爽やかな一枚を切り取ります。
海に近づくと、右手に見える船から素敵な歌声が聞こえてきました。マイクを使用していてなかなかの大音量だったので、ここ一帯がライブ会場のようです。思わずつられて近づくと、どうやら船でのライブのリハーサル中だったようです。クルージングで風に当たりながら歌を楽しめるなんて羨ましいです。
ふと停泊中の船に目が留まります。オーナーが太陽系の惑星から名前を取っているのか、そのような名前の船が並びます。JUPITERは英語なのに、隣のネプチューンはカタカナ。なんだかシュールに思えて、2艘が一緒に入るようにフレーミングしました。
建物の天井がないところから、空を眺めることができました。ちょうど2階のテラスに座っている方がシルエットのワンポイントになってくれました。暑いですが風通しのいい日陰のテラスならば、会話に夢中になるのもいいものです。
雄大な風景も、半径3mの日常も。
シグマのArtラインの広角らしい一本です。緻密な描写力、大口径を意識させない軽さ、正確で素速いAF、F1.4まで開けられるという余裕など、全てにおいて優秀で気持ちのいいレンズ。眼前に広がる壮大な景色を収めるのにも、デザインされた建築物の線を余すことなく捉えるにも、日々携えて日常を切り取って集めるにも、どちらにも向いていると言えます。光学性能だけでなく、実用性も重視したいという贅沢な願望を受け止めてくれるレンズです。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff