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1001:フィルムカメラのような撮影体験を『X half』

1001:フィルムカメラのような撮影体験を『X half』

2025年06月16日


 

今回はフジフイルムから発売される新型コンパクトデジタルカメラ「X half」をご紹介させていただきます。1963年発売の「FUJICA Half(フジカハーフ)」などのハーフサイズカメラ(35mm判フィルムの半分のサイズで撮影可能なフィルムカメラ)をモチーフにしており、縦構図に特化した設計で、3:4のアスペクト比を採用したユニークな一台です。Xシリーズとしては初の1インチセンサー、32mmの単焦点レンズはレンズ付フィルム「写ルンです」と同じ焦点距離となっています。240gという軽量コンパクトなボディサイズに、フレーム切り替えレバーや絞りリング、フィルム装填確認窓を思い出させる縦型の光学ファインダーと液晶モニターを搭載しています。

撮影と撮影の間にフレーム切り替えレバーを引くことで、ハーフサイズカメラのように2枚の縦構図の写真を組み合わせた組写真を簡単に作れる「2in1」機能や、Xシリーズで人気の「フィルムシミュレーション」や「グレイン・エフェクト」はもちろん、「ライトリーク/ハレーション/期限切れフィルム」といったフィルムカメラの特徴を捉えたフィルターや「日付入り撮影」機能などが新たに搭載されました。さらに、フィルムカメラでの一連の撮影体験を再現した「フィルムカメラモード」など、アナログな写真表現・撮影体験ができるカメラになっています。写真を撮ってみたい、難しいことは考えず楽しみたい、老若男女あらゆる層にとって、ピッタリのカメラが誕生しました。どんな体験が待っているのかワクワクしながら撮影してきました。ぜひご覧ください。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

手に取ってみて、最初に驚くのはやはりこのサイズ感です。正直、最初は「少し小さすぎるのでは」と不安もありましたが、掴んだときの収まりも良く、サブ用のバッグにもすっぽり収まるコンパクトさで、撮影したいときはハンドストラップで携行するスタイルがとても快適でした。多くのデジタルカメラで用いられる画像の縦横比(アスペクト比)3:2や4:3、16:9とは異なる、3:4というアスペクト比。スマートフォンのカメラアプリで撮影する感覚と似ていて、情報の整理がしやすく、直感的な撮影が楽しめます。

また、新たに追加された3種類のフィルターのうち、「ライトリーク」を使って撮影してみましたが、個人的にはこのフィルターが一番のお気に入りになりました。光に反応して効果が出るのではなく、撮影のたびにランダムで“光漏れ”が発生する仕様のため、モニター上で事前に確認することはできません。シャッターを切ってはじめて、どんな光のにじみが現れるかが分かる仕組みです。気に入った光漏れが出るまで何枚も撮ってみたくなるような楽しさもあります。さらに、天候や光の状況に左右されない点も魅力のひとつ。たとえば、一枚目のように暗い室内でも効果がしっかり現れるので、ちょっとしたアクセントを加えたいときにも重宝するフィルターだと感じました。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

2枚の縦構図写真を組み合わせて1枚の画像に仕上げる「2in1」撮影方法は、とてもシンプルです。まず1枚撮影し、次にフレーム切り替えレバーを引いて、もう1枚撮影する。これだけで「2in1」の写真が出来上がります。今回は静止画同士の組み合わせでしたが、静止画×動画、動画×動画といったバリエーションにも対応しており、より自由な組写真表現が可能とのこと。さらに、専用アプリ「X half」を使用すれば連続した写真でなくても「2in1」画像を作成でき、分割線の色や太さの調整、左右の写真の入れ替えといった編集も行えるそうです。

「フィルムカメラモード」は、あらかじめ設定した枚数を撮りきった後でなければ撮影画像を確認できないという、まさにフィルムカメラさながらの撮影体験を味わえる機能です。一枚撮るたびにフレーム切り替えレバーを引いて撮るというフィルム撮影を体験できます。撮影後は、専用アプリ「X half」へデータを転送して“デジタル現像”を行うことで、初めて撮影画像の確認・編集・共有が可能になります。現像後にはコンタクトシートの保存もできるとのことで、撮影そのものがさらに楽しくなること間違いなしです。

 

絞り:F4 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

何の効果も加えず、やや絞り気味で撮影しました。本機には裏面照射型の1インチセンサーと、35mm判換算で32mmF2.8の単焦点レンズが搭載されており、非常にクリアな画質が得られます。設定の変更はすべてモニター上で行い、スマートフォンのようにスワイプやタッチ操作で直感的に扱える仕様です。最初は各種設定に慣れず、操作に手間取ってしまいましたが、数時間使用するうちに感覚がつかめ、スムーズに切り替えられるようになってきました。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:800 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

「2in1」機能を活用し、フィルムシミュレーションの違いが分かるように画面を分割してみました。本機には、「PROVIA」や「REALA ACE」、「クラシッククローム」「クラシックネガ」など、全13種類のフィルムシミュレーションモードが搭載されています。今回のカットでは、「REALA ACE」と「クラシックネガ」の組み合わせを試してみましたが、それぞれの個性がよく分かります。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:400 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

新たに追加されたフィルターはもちろん、フジフイルムのinstax製品でも好評を博しているフィルターのうち、二重露光などを含む全8種類が搭載されています。今回はその中から、特定の色域だけをカラーで表示する「パートカラー」フィルター機能を使用して撮影しました。選べるカラーは、ブルー/グリーン/オレンジ/パープル/レッド/イエローの6種類。それぞれの色に合った花を見つけて「2in1」機能で組み合わせてみたところ、フィルターの個性がより際立ち、印象的な仕上がりになりました。

 
 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:1600 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

自然な粒状感を加えることで、フィルム調の風合いを演出する「グレイン・エフェクト」。この写真では、「グレイン・エフェクト」の強度を“強”に設定し、さらにフィルター「ライトリーク」を重ねています。加えて「日付入り撮影」も適用してみました。まさに“フィルムで撮ったかのような”質感が得られ、「X half」というカメラのコンセプトにぴったりの機能だと感じました。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

さらにここでは「期限切れフィルム」のフィルターを使用しました。「期限切れフィルム」には3つのパターンが用意されており、その中からニュートラルを選びました。また、カメラ内で分割線の線の太さや粗さを選ぶことが出来るので粗めの設定に変更してみました。こうした工夫により、さらに「フィルムらしさ」を演出することが可能になります。

 
 

絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

逆光時のフレアやゴースト、光芒も、「こんなふうに出てほしい」と思う通りの表れ方をしてくれるのが、とても“良い”と感じました。

 
 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:800 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

「ライトリーク」と「色ずれ」のフィルターを組み合わせて撮影してみました。同じ被写体でも、フィルターによって印象が大きく変わるため、さまざまな組み合わせを試してみたくなります。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:200 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

カメラを横向きにして撮影すれば、4:3のアスペクト比で撮影することができます。このカットでは「ミラー」フィルターを使用し、スワンボートを大量に“複製”することに成功しました。なお、日付表示機能をオンにしていると画像の右上に日付が表示されるため違和感を覚えるかもしれません。そのため、気になる方は横位置で撮影する際は、日付機能をオフにしておくのがおすすめです。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/40秒 / ISO:800 / 使用機材:FUJIFILM X half

 

 




 

フィルムカメラのような撮影体験を

メーカー公式の「縦構図用に最適化されたファインダーと背面液晶。その真価はあなたを撮影の緊張感から開放すること。大きく高精細な液晶モニターの「良い写真を撮らなければ」というプレッシャーはX halfにはありません。」という一文に、思わずニンマリしてしまいました。光学性能や連写性能などカメラの性能は年々進化し続けていて、撮れない難しさや失敗のリスクは、今や機材によって大きくカバーできる時代になりつつあります。だからこそ「良い写真を撮らなければ」「良い写真が撮れて当たり前」のようなニュアンスに悩まされてしまうこともある気がしています。そうした中で、「もっと気軽に、シンプルに“写真を撮る”ことそのものを楽しんでいいんだ」と改めて言ってもらえるようなメッセージは、心がふっと軽くなるような感じです。私自身も、かつて「写ルンです」で写真を撮りながら、あらためて“写真を撮る楽しさ”に気づかされた一人です。「写ルンです」は変わらずこれからも多くの人に愛され続ける存在であると信じていますが、この『X half』というカメラも同じように多くの人に写真の楽しさを体験させてくれる存在になってくれると思っています。ぜひ『X half』で沢山の時間を撮ってください。

Photo by MAP CAMERA Staff

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