世界最小・最軽量のレンズ交換式デジタルカメラとして2009年に登場した『オリンパス・ペン E-P1』。スタイリッシュでありながらデジタル一眼レフと同等の写真が撮れるこの一台に、世界中が「カメラの未来」を感じたのではないでしょうか。あれから約12年、オリンパスブランドにとって大きな転換期となった出来事もありましたが、ついに『オリンパス・ペン』が復活します。今回のKasyapaは6月25日に発売を控える注目の新製品『OLYMPUS PEN E-P7』をご紹介いたします。
OLYMPUS PEN E-Pシリーズと聞くと、当時のメディアの影響もあって女性的なイメージを抱く方も多いと思います。かく言う筆者もライトユーザー向けのイメージを抱いたまま今回の撮影に臨んだのですが、実際は想像以上に「カメラ」であり、その完成度は高いものでした。
はじめに断っておきますが、今回の『OLYMPUS PEN E-P7』の作例は全てJPEG撮って出しの写真を掲載しています。
普段このような掲載方法はあまりなく、美しい色と撮って出しの完成度が高いそのままの画作りをお楽しみいただけたらと思います。 新生『オリンパス・ペン』の描写をぜひご覧ください。
撮影では全てプロファイルコントロールに設定してあるカラー/モノクロのプリセットを使用して撮影をしました。これはカメラ正面左下にあるスイッチですぐに呼び出すことができる機能で、細かな写真の色を設定できるものです。
オリンパス機と言えば個性豊かなアートフィルターもありますが、プロファイルコントロールはよりフィルム調の表現ができるカラー設定と言えばいいかもしれません。より写真好きの方達へ向けた色をカメラの中で再現してくれます。
高架下でのモノクロスナップ。ざらりとした粒状感と締まった黒の表現、まるで「Kodak TRI-X 400」を使用した時のような表現です。
今回の撮影は『オリンパス・ペン』だからと言って可愛らしい被写体は撮影していません。それは筆者がそのような写真が撮れないというのもありますが、このカメラがより“写真派向け”に作られていると感じたからです。
ビルに映り込む白い雲と青い空を「クラシックフィルム ソフトトーン」が優しい階調で表現してくれました。
お気付きかもしれませんが撮影ではキットレンズである『OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ』を使用しています。最初に手にするレンズでここまで写る、M.ZUIKOレンズの素晴らしさに改めて感動してしまいます。
柔らかな光を受ける観葉植物の葉が美しいカット。正直、撮った後の写真の出来に驚いた一枚です。レンズキットのズームレンズ、マイクロフォーサーズ機のJPEG撮って出しでこんなにも綺麗な階調を出してくれるとは思いませんでした。これを見て『OLYMPUS PEN E-P7』の実力は本物だと確信が持てました。
最後は渋い水色の扉を、渋みと濃厚感のある色調が特徴の「COLOR2」で撮りました。今回の撮影では「COLOR4」と「MONO2」が個人的な好みに合い多用してしまいましたが、任意で設定値を変えることもできるのが嬉しいポイント。各ユーザーの好みに合わせた色を作り出すことができます。
「OLYMPUS PEN」であり続けること
『OLYMPUS PEN E-P7』を使用してみて感じたのは、写真に対して真っ直ぐ対峙できるカメラだということ。はじめはエントリー向けのお手軽カメラだと思ってシャッターを切っていたのですが、数カット撮ってみて「このカメラは違う」と気付かされました。おそらく開発の重きを置いた色表現、性別問わず愛されるデザイン、シンプルかつ使いやすい操作系など、写真好きが本当に楽しめる一台へと『OLYMPUS PEN E-P7』は生まれ変わりました。
そしてこのカメラがOMデジタルソリューションズ株式会社として初めて出すカメラだということも忘れてはなりません。新しい体制となったメーカーがこの『OLYMPUS PEN E-P7』を出した意味。それはユーザーに対して「このようなカメラを作り続ける」というメッセージのようにも感じるのです。
「OLYMPUS PEN」であり続けること、カメラとしての素晴らしさを感じることのできた一台でした。
Photo by MAP CAMERA Staff