シグマが提案する「“プレミアムコンパクトプライム”Iシリーズ」のラインアップに焦点距離24mmと90mmのレンズが追加されました。今回のKasyapaでは『SIGMA Contemporary 24mm F2 DG DN』をご紹介します。
Iシリーズの第二弾として、すでに発売されている『Contemporary 24mm F3.5 DG DN』のことも考えると6本のレンズラインアップの内2本が24mmということになりました。 レンズの明るさが違う、という数字上のスペックと使い勝手や写りは別の話。新しい魅力を発見すべく、「SIGMA fp」に装着して撮影を行ってまいりましたので、ご覧ください。
広角レンズと一日を過ごすということで、移動中の自分の視野もなんとなく広めになっています。階段を上がり地上に出ようとした矢先、その向こうに抜けていく空がとても爽やかに感じたのでややローアングルで一枚。これから撮影に行くぞ、という出発の気持ちを鼓舞してくれるようなカットです。
外周が水路で囲まれた公園。石塀に妖しげにかかる影、その間に差し込んだ光が作った形が何に見えるのかと思考を巡らせます。左右から、手を差し伸べあう人々のように見えたり、はたまた恐竜のような大きな生き物に見えたり・・・星空を眺めながら、点と点を結び星座を見出すのと同じ想像力の遊び。せっかくなので写真にも収めてみました。
沈んでいく夕日。秋の夕焼けを見ていると、なぜだか懐かしい気持ちが溢れてきます。生命の源である海はときおり「母なる海」と形容されることがあります。そんな観点で見ると、太陽はさながら日中元気いっぱいに遊びまわる子供のようで、疲れて海の元へ帰っていく。そんなノスタルジックを感じ取っているのでしょうか。
鉄柵にチェーンが巻き付けられているのを見つけて、これはいい被写体になりそうだなといろいろな角度から画になるポイントを探してみます。すると、奥にある街灯の光が良い雰囲気で取り込めるところを見つけました。金属そのものが持つ鈍い輝きと電気の直接的な光の違い。そして、どちらもタイプの違う美しさがあります。
広角レンズと言うと、必ずと言っていいほど光跡の写真を撮りたくなってしまいます。ビルとビルに挟まれたJR線、この時間は学校帰りや仕事帰りの人が電車に乗っていることでしょう。本来は一瞬で通り過ぎてしまっているはずの光を、カメラは写真に捉えておくことが出来る。勉学や仕事に奔走する日々も、シャッターで区切りをつけながらだんだんと進んでいくのが良いのかもしれません。
広く鋭く景色を見つめる
一日使ってみて、「Contemporary 24mm F3.5 DG DN」とはまったくアプローチの違うレンズであることが分かりました。パースペクティブを感じる広角スナップ写真を手軽に楽しめるのがF3.5。それに対し、見せたい被写体を明確に切り取ってくれる言わば「魅せるレンズ」だなというのが『Contemporary 24mm F2 DG DN』の感想です。開放からピントは切れ味鋭く、絞るごとにシャープさを増していく。そして広角とは思えない豊富なボケ味、作品に撮影者の息を吹き込むことができます。時に、多くの要素が画面に入ってしまうことを難しく感じるのが24mmという画角ですが、レンズ本体と組み合わせた『SIGMA fp』のコンパクトさ、柔軟性も相まってお気に入りの画角を足で見つけることが難しくないのも大きな長所です。ユーザーに寄り添うというコンセプトのもとに開発されている「Iシリーズ」にどんどんと素晴らしいラインアップが増えていきます。ぜひ、その魅力をお手に取って肌で感じで頂きたいです。
Photo by MAP CAMERA Staff