高い光学性能とコンパクトネスを両立させるContemporaryライン。前回の『SIGMA Contemporary 30mm F1.4 DC DN』に続き、シグマから発売されるAPS-Cサイズミラーレス専用単焦点レンズ『SIGMA Contemporary 56mm F1.4 DC DN』「キヤノン RF-Mount」をご紹介いたします。キヤノンRFマウントでは1.6倍となりフルサイズ換算約90mm相当、約290g。バッグに入れていても負担にならないサイズと軽さで30mmと比べてみるとこの56mmのほうが小さいというのが驚きです。少し画角が変わりますが、すでに発売中の各マウントでも人気の一本。どんな写りを見せてくれるのか、ぜひご覧ください。
日の光が強く射しこんだ屋外の黄色いチェア。手すり部分のザラザラした表面や座面の網目などそれぞれの質感描写がとても忠実です。奥のほうに連なるチェアも良い具合に画面の中に取り入れることが出来ました。こういう画面整理をササッと行えるのも中望遠レンズの魅力です。
小学校の寄贈品でしょうか。川沿いの道に飾られたモザイク壁画がありました。ごっそり取れてしまった船?の模様がなんであったか気になります。開放絞りから四隅まで均一でタイルの凸凹の立体感も出ています。同系色の色の違いも精細に描いてくれました。
シグマのレンズの金属の硬さや塗装、発色の正確な再現性にはいつも驚かされます。少し絞っているとはいえ撮って出しでここまでシャープな線を描いてくれるとは素晴らしいの一言。
かと思えばフワフワした質感もそれはそれで柔らかさが伝わる写りを見せてくれます。手前側に丸ボケが発生していますが、ここまで大きなボケが出来る要素が思い浮かばず。F1.4の明るさと約90mmの中望遠レンズだと予期せぬことも起きるという面白さで採用しました。
こちらは意識的に前ボケ後ボケが出来るように中間にいる植物を狙って撮影しました。素直な後ボケに、前ボケは優しく解けて被写体の邪魔をしないので積極的にボケを使っていきたくなります。
最短撮影距離は約50cm。実際にマニュアルフォーカスで調整してレンズを近づけると「え、まだ寄れるの」というくらい寄れます。F2に絞りましたがボケも硬すぎず茎や花をシャープに描いてくれました。
白いドームに反射した光。眩しく直視できないほどの強い光でしたがスッキリまとめてくれました。スーパーマルチレイヤーコートの採用によりフレア、ゴーストの発生を軽減。逆光時の撮影においてもコントラストの高い描写を実現しています。
開放絞りからよく写るレンズですが絞ると画がすっきりとしてきます。F4まで絞るともう十分すぎるくらいだと思いますが、そこからさらに絞って撮影してみました。奥行きのある被写体もしっかり写してくれます。
中望遠レンズを手にしたのならばやっぱり丸ボケが生まれるシチュエーションを撮りたくなります。被写体がここにあるから背景の丸ボケがこの大きさになって…と試行錯誤するのは楽しいひと時です。これからの時期、イルミネーション撮影で大いに活躍しそうな『SIGMA Contemporary 56mm F1.4 DC DN』をぜひ。
夢中になれる中望遠
広角・標準レンズを主に使っている方であれば「もう少しボケがほしい」という欲求が出るときもあると思います。中望遠でF1.4の明るさというのはどう使えるのだろう?という中望遠を初めて使いたい方にとっても、このサイズと軽さでバッグに添えることができる『SIGMA Contemporary 56mm F1.4 DC DN』はピッタリの一本です。
たとえば同時発売された『SIGMA Contemporary 30mm F1.4 DC DN』と2025年に発売が予定されている『SIGMA Contemporary 16mm F1.4 DC DN』を組み合わせても1kgくらいしかありません。防塵防滴構造&F1.4の明るさでどんな状況でも撮影を楽しむことが出来ます。普段の撮影の中に中望遠の画角を挿していけばその日その時の写真にグッと深みが出るはず。ぜひ『SIGMA Contemporary 56mm F1.4 DC DN』でアクセントの効いた一枚を。
Photo by MAP CAMERA Staff