ソニーマウントで発売。あと少しで2年が経とうとしていますが今でも人気の新世代ズームレンズ『TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di III VXD Z-Mount』がニコンZマウントに登場しました。この画角のズームレンズがあったら…という理想をちょうど良い画角で仕上げてくれた一本です。筆者も含む標準~中望遠域を愛するユーザーにとって、メインでよく使うズーム域+準広角35mmが使える、という汎用性の高さが魅力なレンズです。ポートレートレンズとしても非常に評価の高い本レンズですがスナップ目的で使ってみるとどうなのか、実際に持ち出して撮影してきました。
空に向かって気持ちよさそうに伸びる植物を逆光シーンで撮影しました。フレアゴーストも良く抑えられており、とても好印象です。
150mmテレ端開放絞りで撮影。水辺で気持ちよさそうにしている鳥を撮影しました。開放絞りでも十分に解像してますし、水平の歪みもほぼありません。
35mm開放絞りで撮影。この距離で撮ってもしっかり解像できていますし、柔らかで甘めなボケ味にも目が惹かれます。
50mm開放絞りで撮影。
70mm開放絞りで撮影。
85mm開放絞りで撮影。どの焦点距離もシャープな写りで安心して使えるのも素晴らしい。開放F値も2.7と明るさをキープできたうえで35mmから85mm以上にズームできるメリットはやはりとても大きく感じます。
ポートレートレンズと呼ばれるこのレンズでスナップばかり撮ってしまったので、せめてもの気持ちでミーアキャットの全身画を。顔にピントを合わせていますが開放絞りテレ端でもシャープな写り。背景との分離もしっかり出来ていますし綺麗なボケ味です。
広角端のF2の明るさは室内で重宝しますし、ズームレンズでこれだけ綺麗なボケを出せるのも見事です。
まだ明るいとはいえトーンが重めなシーン。広角端、開放絞りですが思った以上にガチっとした硬めの質感を描写してくれました。
かなりの遠景を狙ったのですが、どんな小さな要素も丁寧に描写してくれました。もう太陽はすっかり雲に覆われ隠れてしまっているのですが、夕暮れ時の繊細な色の違いもしっかり描き分けてくれています。ズーム域は特殊ですが、とても真面目な性格をしたレンズだなと感じました。
新定番ズームレンズ
準広角から望遠域まで。開放F2から使えるうえ、一本で広めの画角から中望遠域をコントロールできるというのはやはり面白いです。ポートレートやファミリー撮影で活躍することが多いレンズだと思うのですが、個人的にはこの一本で旅の風景を切り取るのも非常に面白いと感じました。準広角35mmがあれば、風景撮りも出来るうえに中望遠、望遠域をその場でレンズ交換することなくテンポよく撮影できるというのはやはり魅力的です。他にはない個性をもつ『TAMRON35-150mm F2-2.8 Di III VXD Z-Mount』だからこそ出来る表現をぜひ追求してみてください。