849: 映像表現の世界への招待『SONY VLOGCAM ZV-E1』
2023年04月23日
ソニーのVLOGCAMシリーズに『ZV-E1』が加わります。これまでのラインナップには、1.0型センサーのコンパクトデジタルカメラ『ZV-1』『ZV-1F』と、APS-Cサイズセンサーのレンズ交換式ミラーレスカメラ『ZV-E10』がありました。本機『ZV-E1』はレンズ交換式ミラーレスカメラで、VLOGCAM初となるフルサイズセンサー搭載機です。手軽に映像を制作できるというVLOGCAMのコンセプトはそのままに、VLOGCAM最上位機種としてより本格的で深みのある動画が撮れるようになりました。ボディは幅約121.0mm、高さ約71.9mm、奥行約54.3mm、重さ約483gとクラス世界最小・最軽量。フルサイズならではの大きなボケ味を得意とし、描かれる美麗な映像はまさしくシネマライク。Eマウント対応の豊富な選択肢からベストのレンズを選んで、映画のような最高の映像を作ることができます。本格的な映像ができるとなると、扱いが難しかったり知識や技術が必要なのではと心配になるかもしれません。しかしそこはVLOGCAMですから大変親切な設計になっており、クリエイターの理想とする映像表現の実現を強力にサポートしてくれます。また動画撮影に特化してはいますが、当然ながらフルサイズセンサーによる美しい写真を撮ることもできます。本記事では動画、静止画の両面からアプローチします。まずは動画をどうぞご覧ください。
『VLOGCAM ZV-E1』の特長的な機能のひとつに「シネマティックVlog設定」があります。オンにして直感的に選択するだけで、あとから色調整が必要ないレベルの印象的な動画を撮ることができるのです。肌の色を美しく見せることで人気のルック「S-Cinetone」や、カメラにインポートしたユーザーLUTをピクチャープロファイルとしても使用できる機能(PPLUT)も搭載されています。
カメラワークのサポートもまた本機の代表的な特長です。カメラが被写体認識してクロップする「オートフレーミング」、構図内の被写体を同じ位置に保持する「フレーミング補正」、強力な手振れ補正「ダイナミックアクティブモード」といった充実の機能があり、本機ならではの撮影をすることができます。現時点では4K60pですが、後日無料のアップグレードにより4K120pにも対応予定です。
こちらの動画では「シネマティックVlog設定」をオンにし、16:9の動画の上下に黒帯が入ったシネマスコープアスペクト(2.35:1)で記録しました。
使用機材:SONY VLOGCAM ZV-E1 + FE 28-60mm F4-5.6
続いて写真をご覧いただきます。潮が引いた砂浜に太陽が照り付け、波が描いた縞模様が立体的に浮かび上がっています。
使用機材:SONY VLOGCAM ZV-E1 + FE 28-60mm F4-5.6
美しい建築です。大きな開口部からは、明るさだけでなく外気の温度も伝わってきます。明るく広い空間は居心地がよく、いつまでも立ち止まっていたくなります。
使用機材:SONY VLOGCAM ZV-E1 + FE 28-60mm F4-5.6
三角形のコートヤードに出て空を見上げます。先ほどの大きな窓ガラスに雲が映っていました。切り取られた三角形のちょうど頂点あたりに太陽があり、空に白いグラデーションをかけていきます。
使用機材:SONY VLOGCAM ZV-E1 + FE 50mm F1.2 GM
お玉杓子などのユーテンシルをよく見てみると、それぞれ美しくて個性的な形をしていることに改めて気づきます。光が当たってできる影もまた美しく個性的。露出をマイナス補正して、光を跳ね返しているビーターを主役にします。
使用機材:SONY VLOGCAM ZV-E1 + FE 50mm F1.2 GM
ライトに照らし出された赤い看板を、広い空と一緒に写します。ライトによる白い反射がアクセントになりました。シンプルながら時間帯を感じられる気がします。
使用機材:SONY VLOGCAM ZV-E1 + FE 50mm F1.2 GM
いまでは毎日のように見かけるペットカートは、時代を物語るアイテムと言えるでしょう。日が傾いてきた春の日常を切り取ります。
使用機材:SONY VLOGCAM ZV-E1 + FE 50mm F1.2 GM
温かい光に包まれたカフェ。左の壁は街灯により青白く光り、右の方には蛍光灯らしき光があります。ひとつの景色に光がミックスされているのと、暗部に浮かぶ葉っぱの艶が面白いと思いシャッターを切りました。
映像表現の世界への招待
カメラを持つ人が増え、動画発信や映像表現のニーズが高まっています。誰もが映像を手軽に思い通りに作れたら、また撮影から公開までのスピードがあげられたら、さらなる自己表現が可能となることでしょう。本機は一部の人だけが使う知識必須の機材ではなく、幅広い人が扱える本格的なカメラなのです。国内向けのカメラとして初めて、音声読み上げにより操作をアシストする機能を有していることも、多様なクリエイターに表現を楽しんでほしいという思い表れ。まさに時代にフィットしたこの夢のようなカメラを、多くの方に手にしてほしいです。
Photo by MAP CAMERA Staff