「SL2」から数えて約4年、『SL2-S』に続く次世代フルサイズミラーレスシステムカメラ『Leica SL3』が発表されました。トリプルレゾリューション技術を搭載した6030万画素フルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーを搭載。映像エンジンは「LEICA Maestro IV」で「SL2」の2倍サイズの8GBのバッファを搭載し、ISO感度は50〜100000と従来機種よりさらに広がりました。最大8KのHEVC(.h265)およびProResの動画機能を搭載し、記録媒体としてもUHS-II対応のSDXCメモリーカードとCFexpressカード Type-Bのダブルスロットを採用しています。5軸・5段分のボディ内手ブレ補正機構、IP54相当の防塵防滴性能も備えており、静止画・動画ともにあらゆる環境での撮影に対応できる一台に仕上げられています。これだけの機能を詰め込みながらシリーズ中もっともコンパクトなボディになりました。最新のSLレンズと6030万画素の組み合わせはどんな写りを見せてくれるのか。楽しみです。
舞い上がる塵が輝く光の粒や光を帯びて輝く毛の美しさを見た時の感動をそのままに再現してくれました。「バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.」はSLシステム当初からある標準ズームレンズですが、6000万画素を有する『Leica SL3』の画素数にも通用する高い描写性能です。さらに言えばISO1600での撮影ですがノイズの少なさにもとても驚きました。
潰れてしまってもおかしくなさそうな赤色を筆頭に鮮やかな色彩のグラデーションを見事に再現してくれました。正確な色が出てくれるからこそ白色も引き立ちます。光が当たらないところまで丁寧な写りです。
さすがは高画素。と言いたくなる物凄い密度の描き込みを見せてくれました。等倍とはいきませんがクリックすると幅8000pixelの写真データをご覧いただけます。ぜひクリックして解像力の高さを体感してみてください。『アポズミクロン SL50mm F2.0 ASPH.』の解像力にも改めて感動しました。
雨に濡れて輝く木の葉の色ツヤを美しく写してくれました。細部まで緻密に描く解像力の高さがこのリアルさを引き出してくれているだと思います。
一枚ガラスを隔てた先、あえてグラスではなく少し奥にフォーカスを合わせました。タッチAFもスムーズにスッと決まりしっかりとフォーカスしてくれます。
高感度耐性はどれほどのものか。このカットはISO16000で撮影したのですが、椅子の輪郭がはっきりとして立体感も損なわれていません。雨の降る曇天の日だったので窓からの光も届かない厳しいシチュエーションでしたが、高画素機でこれだけノイズが少ないというのは驚きです。
24mmの画を続けてご覧頂きましたが奥行のある画も含め全体的に非常にシャープな写りで、改めて高画素機であるということの恩恵を感じます。晴れの日も曇りの日も屋内外問わず、本当によく写ります。
チルト式のタッチパネルモニターに変更されたおかげで撮りづらかったアングルからの撮影も楽に行えるようになり、5軸の手ブレ補正のおかげでブレることなくワンシャッターでしっかりと撮ることが出来ました。個人的にはバリアングルモニターよりもチルト式のほうが水平を安定してキープできるので好みです。
「その瞬間」を手に入れる
ダイヤルが両肩に搭載されファインダーを覗いたままスムーズに露出調整を行えるようになっていたり、スタジオ撮影などで有用なフラッシュシンクロソケットが搭載されていたり、新しい技術を取り入れるだけではなく様々な撮影スタイルを持つ幅広いユーザーに対応する気遣いを感じるカメラに進化しました。ちなみに電源スイッチがLEDライト内蔵の電源ボタンに変更になりました。発光させるかしないかはメニュー画面でON/OFFを選択することが出来ます。今回は解像感や質感描写を重点的に見ていきましたがそれだけでも確実な進化を感じることが出来ました。Mマウントも含む純正のライカレンズとの組み合わせはもちろん、Lマウントアライアンスによる様々なレンズとの組み合わせによる可能性のひろがりもまた楽しみの一つです。静止画・動画どちらにおいても「その瞬間」を手に入れたい方に。ぜひ手に取りその進化を体感してください。
Photo by MAP CAMERA Staff