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Panasonic GX7 MarkII インタビュー【Part2】


    今回新たにフォトスタイルへ加わった『L.モノクローム』について質問なのですが、この“L”とは一体何のLなのか、気になっている方も多いかと思います。

    やっぱりこの“L”はあの頭文字なのでしょうか?

    そしてこの『L.モノクローム』が目指したのはフィルムの表現なのか、いわゆる“あのモノクロ専用デジタルカメラ”のような表現なのか、大人の事情を含んでいると想像してますので話せる範囲で良いので教えてください。

    そうですね、具体的な名前は控えさせていただきますが、この『L.モノクローム』が企画段階で目指したのはモノクロ専用デジタルカメラの階調表現です。実際に様々なモデルやモノクロ写真の画像データを解析しましたが、より様々な場面で豊かな階調性と引き締まった黒を特徴に、モノクロらしい光と影を表現することができる画質設計を目指しました。アルゴリズムやγ(ガンマ)補正を調整させて階調豊かな独自のモノクロを開発したのが、Luxuryなモノクロ写真という意のLを頭文字とした『L.モノクローム』ということになります。

    なるほど、企画段階で目指したのは”あの機種”ということになるんですね。また今回の『L.モノクローム』はクリエイティブコントロールへの追加ではなくフォトスタイルに入れたというのがこだわりの一つだとお聞きしているのですが、その点はどうなのでしょうか?

    はい、クリエイティブコントロールには4種類のモノクロームモードがあるのですが、これはどれもエフェクト効果であって見たままの表現というより、違う表現を楽しむ機能です。その点『L.モノクローム』は被写体の質感をしっかりと表現し、どの撮影モードからもアクセスできて露出補正やカラーフィルターの選択で自分好みの作風が作れるという、全く位置付けの違うモノクロームモードになっています。我々としてはこの『L.モノクローム』を今後スタンダードなモノクロームにしていきたいという思いがあります。

    大変魅力的なモノクロ表現のモードですね。他メーカーですとこうした機能はファームアップで従来のカメラにも追加できる場合があると思うのですが、『L.モノクローム』に関してはそう言ったファームアップでのサービスは検討されているのでしょうか?

    現時点ではファームアップでの対応は考えておりません。しかし今後出る機種含め、市場の声も聞きながら『L.モノクローム』の追加を検討して行きたいと思います。

    画質の進化ポイントという事ではGX8では2000万画素台の新型センサーを搭載しました、それに対してGX7MK2では1600万画素に立ち戻っています。スペックシートだけ見ると後退してしまったのかなとか、いろいろと想像してしまったのですが、実はGX7 MarkIIは画素数を上げるのではなくローパスレス化をして高解像感を図っているという事なんですね。しかもレンズ交換式のLUMIXシリーズでローパスレス機は初めてとお聞きしたのですが?

    そうです。シリーズ初となりますね。

    それは今までローパスレスというのを公にしていなかった訳ではなく、本当に初めてという事なのでしょうか?

    はい。このGX7 MarkIIが初のローパスレス機です。

    ローパスレスにするメリットだと解像感の向上であると思いますが、モアレや偽色という問題も発生するかと思います。しかし画素ピッチがもともと狭いマイクロフォーサーズ規格のセンサーであればモアレや偽色の心配もいらずローパスレスで行けたのではと思ってしまうのですが、なぜ今までローパスレスにしなかったのかという理由を教えていただけたらと思います。

    まず、モアレと偽色に関してですが、やはりマイクロフォーサーズでも発生する問題でして、16Mでもご指摘の現象が出る事を確認しています。しかも静止画だけでなく動画撮影にも大きく影響する事なのでどうやって低減するかというのが今までの課題でした。今回GX7 MarkIIには新しい画像処理エンジンを搭載し、偽色やモアレを検知して低減させる処理技術が可能になった事で、初めてローパスレス化に踏み切る事ができたのです。

    なるほど。他メーカーのカメラですとローパスレスモデルと通常モデルの2台を併売して「ローパスレスモデルは自身でモアレ・偽色などを除去できる上級者向けです」などと謳っていたりしますが、GX7 MarkIIのローパスレスはモアレ・偽色などネガティブな要素を技術的な進歩により解決できるのを待って、満を持してのローパスレス化という事なんですね。これはとても素晴らしい考え方だと思います。ビギナーユーザーでも高画質を楽しめるのはもちろんですが、上級者やプロであってもモアレ・偽色を気にしながら撮影したり、RAW現像処理でそれを消すのは手間でありストレスですからね。

    そうですね。解像度で言うとGX8のセンサーはさすが2000万画素という事もありLUMIXシリーズでもナンバー1の解像力だと思います。しかし今回のGX7 MarkIIも性能バランスを保ちつつ、GX8に負けない高画素化を実現するためにローパスレスという選択をしました。

    これは私も個人的にお聞きしたい事なのですが、『空間認識AF』って実はすごい技術ですよね?一般的なカメラAFの知識だと『位相差AF』と『コントラストAF』の2種類があって、『位相差AF』は速い、『コントラストAF』はピント精度が高い、というのがあると思います。近年はミラーレス機でもセンサーの撮像面に位相差AFを組み込んでハイブリッド化し、AF速度を謳う機種も多く出てきています。

    今までの認識だとコントラストAFだけでは速度が遅いという考えがあったと思うのですが、LUMIXシリーズが採用している『空間認識AF』って、コントラストAFなのに、もの凄く速いじゃないですか。しかし『空間認識AF』がなぜ速いのかという事を理解している人って少ないと思うんですよね。そこをわかりやすく説明していただいてもよろしいですか?

    はい。まず『空間認識AF』がなぜ速いかというと『空間認識技術で一気に移動後、コントラストAF方式で微調整し精度を出す』という事をしています。

    今の言葉って、そのまま“空間認識技術”というところを“位相差AF”と置き換えても当てはまりますよね、『位相差AFで一気に移動後、コントラストAF方式で微調整し精度を出す』という風に。

    そうなんです。本当に噛み砕いて言うとそういう感覚なんです。空間認識というのはピントをずらした2枚の画像をカメラ内で検知して、予め登録してあるレンズ情報のボケ量から被写体までの距離を演算し、その距離まで一気に移動させるという技術です。ですのでレンズとセットで実現している技術でして、ボディだけの力ではないという事ですね。登録してあるレンズ情報があってこその技術になります。

    単にコントラストだけを見てのAFだと場面によっては迷って遅くなる場合もあるのですが、LUMIX上位機種ではこの空間認識技術を使う事でコントラストAFのデメリットを補い、AF速度の高速化を実現させています。ただ、位相差AFのように一般的な名称として浸透していないので「空間認識AF?」となると思うのですが、是非一度体感していただきたいですね。かなり高速だという事を理解していただけると思います。

    すごいですよね。コントラストAFというのは距離を分かっていないのですが、そこを埋め合わせるために2枚の画像のボケ量から距離を計っているという。それで気になる疑問もあるのですが、自社商品同士の組み合わせ(レンズ+ボディ)なら確実だと思うのですけれど、レンズが他社製のマイクロフォーサーズレンズの場合はどうなるのでしょうか?

    そうですね。空間認識に必要となるレンズ情報を他社製品ですと持っていないので、自社製品と比べると多少パフォーマンスが落ちる場面もあると思います。

    空間認識AFが全く効かなくて、コントラストAFだけになるという事もあるのでしょうか?

    空間認識AFも機能進化していますので、全く効かなくなることはありませんが、レンズ情報を持っていない他社製のレンズでは正確なレンズ情報がないため、性能面をセーブして空間認識AFを行っています。

    そうなると、どのレンズをつけても基本的に速いということになるんですね。

    そうですね。元々AFのスピードや精度に関しては評価を得ていた部分ではあったので、空間認識AFはそれをさらに発展させた機能となります。この次の段階(課題)は動体ですね。G7から採用している追尾AFの動体予測などをさらに進化させてより動きに強いAFを目指していきたいと思っています。

[ Category:Panasonic | 掲載日時:16年05月25日 18時20分 ]

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