【OLYMPUS】OM-D E-M1Xの実力と魅力に迫る Part.4
オリンパスのフラッグシップ機には、代々受け継がれてきた高い信頼性があります。SDカードスロットをはじめとする開閉部やダイヤル部分には、浸水を抑えるラバーを使って気密性を高めています。実際、私たちが撮影に出かけた際も強い雨に遭遇しました。普段なら早々に撮影を切り上げるところですが、本機の信頼性を検証する良い機会と思い、しっかり雨に濡らしてみました。雨の降る冬の海岸はとても寒かったものの、カメラはびくともしません。
外装にはマグネシウム合金を採用し、堅牢な高剛性に防塵・防滴・耐低温(-10℃)など撮影環境を選ばない高い信頼性がありますが、その信頼性は外装部分だけではありません。レンズ交換の際、ボディ内部に入り込み撮像素子に付着するゴミやホコリを弾き飛ばす「ダストリダクションシステム」も大きく進化。30,000回/秒以上で振動させるSSWF(スーパーソニックウェーブフィルター)と新コーティングにより、写真にゴミが写りこむ可能性を従来の1/10にまで低減しました。ホコリが舞う環境下でも安心してレンズ交換が行えます。
レンズシステムを含めた小型軽量設計も魅力です。「OM-D E-M1X」と同じく動体撮影を得意とする縦位置グリップ一体構造の各社フラッグシップ機と比べてみました。握りやすいグリップ形状を追求すると、ほぼ同じ大きさになるというのがよく分かります。それでもミラーが無い分、厚みを抑えた「OM-D E-M1X」はこの中でも一番コンパクトであることが分かります。
「OM-D E-M1X」の小型軽量化はレンズを含めたシステム全体で見るとより明確になります。上の写真は画質に定評がある人気のF2.8望遠ズームレンズを装着したものです。「OM-D E-M1X」は35mm換算で80-300mm相当をカバーしますので、広角端で10mm狭いものの望遠端では100mmの余裕があり、ニコン/キヤノンの両機よりもう一歩踏み出した画像が得られます。そして何より、レンズ自体の軽さも魅力ではないでしょうか。
より望遠域を求めると、その差はさらに大きくなります。600mm F4 相当の超望遠レンズと合わせても約 2270g。フルサイズシステムならレンズだけで 3800g 以上ですから、その差は歴然。手持ち撮影を可能にするだけでなく、撮影地への移動にかかる負担も軽減されます。さらに三脚等を使う際は、耐荷重の大きなより丈夫な脚が必要になりますから、アクセサリーにかかる費用負担も馬鹿になりません。
マイクロフォーサーズはフルサイズと比べると、被写界深度が2段分深くなりますので、シャッタースピードを落とすことなく、画像の鮮明さが増すのも超望遠撮影では嬉しいポイントです。ポートレートなどボケ量を重視したいシーンでは、より大口径なF1.2 PROレンズ等で対応するとよいでしょう。この完成されたレンズシステムはとても魅力です。
「OM-D E-M1 Mark II」と比べれば、確かに大きくなりました。それでも握りやすくなったグリップと操作性の向上、手ぶれ補正の強化やAF機能の進化など、飛行機などの動体を狙うにはこの上ない進化を遂げた印象です。好きな被写体のためにとことん拘った結果に繋がるのが「OM-D E-M1X」なのです。