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【Carl Zeiss】標準レンズの帝王Planar T* 50mm F1.4 ZE

ズームレンズも単焦点レンズもありとあらゆる焦点距離・F値のレンズが次々と登場する今日この頃。皆様は”標準レンズ”と聞いて何ミリを想像するでしょうか。時代と共に撮影する被写体・求められるニーズが変化し現代では35mm付近が非常に人気で標準レンズのような感覚を持つ方が多いと筆者は感じています。加えてより画角がより広い28mmや24mmを標準レンズとして扱う方も増えてきているとも感じています。
その理由の大きな背景としてスマートフォンの普及が挙げられるでしょう。iPhoneのカメラを例に取ると基本的な1xのレンズ画角が24mm付近と言われており、その撮影感覚から24mm、28mm、35mmのレンズを標準レンズとして使用される方が増えたのでしょう。
前置きが長くなってしまいましたが、今回は”標準レンズの帝王”とも呼ばれる殿堂入りレンズ的な存在「Planar T* 50mm F1.4 ZE」をご紹介いたします。このレンズの歴史は非常に長くヤシカコンタックスマウントをはじめ、数多くのマウントが存在しますが、今回はキヤノンEFマウント版であるデジタルカメラ向けに生産されたものであります。

さて、標準レンズはなぜ”標準レンズ”と呼ばれれるようになったのでしょうか。
説はいくつか存在しますが、人間が肉眼で見た時の自然な画角、すなわち標準画角と呼ばれその画角が50mm付近であるということに語源があるようです。以下にPlanar T* 50mm F1.4 ZEで撮影した写真と共にその描写力をご紹介いたします。

*一部掲載写真はAdobe Lightroom Classicにてレタッチを行っています。

【EOS 5D Mark IVにPlanar T* 50mm F1.4 ZEを装着して撮影】千葉県海ほたるからから撮影した写真

EOS 5D Mark IV+Planar T* 50mm F1.4 ZE 1/125, F2.2, ISO125

50mmのレンズはどのメーカーでも必ずラインナップしており非常に選択肢の多い焦点距離のレンズの一つでもあります。
今回ご紹介するPlanar T* 50mm F1.4 ZEは開放F値が1.4と明るいF値を採用しています。
現代の最新レンズのように開放F値からシャープな描写をするわけではなくオールドレンズのような滲みや収差が発生しますが、非常に味のある良いレンズです。

【EOS 5D Mark IVにPlanar T* 50mm F1.4 ZEを装着して撮影】オウムの写真

EOS 5D Mark IV+Planar T* 50mm F1.4 ZE 1/320, F2.5, ISO100

Planar T* 50mm F1.4 ZEはAFモーターを搭載しておらず、フォーカスを合わせるためには全て撮影者がピントリングを回転させてフォーカスを合わせる必要があります。いわゆるマニュアルフォーカスレンズ(MFレンズ)です。
オートフォーカスレンズ(AFレンズ)のみ使用しているユーザーだと少し難易度が高く感じるかもしれません。
しかしながら、このレンズにはマニュアルフォーカスレンズではありますが、レンズ側に電子接点が搭載されており、一眼レフ機でもフォーカスが合致すると音とファインダー内のスーパーインポーズでお知らせしてくれるのでそこまで難易度は高くありません。絞り羽根も通常のAFレンズと同様に撮影する瞬間に絞り込みが行われるため、一眼レフ機でも安心して使用できます。加えてミラーレス一眼カメラユーザーはマウントアダプターを介して使用できますし、拡大機能やフォーカスピーキングでフォーカスを合わせる事が可能です。

【EOS 5D Mark IVにPlanar T* 50mm F1.4 ZEを装着して撮影】アメリカ NY ワールドトレードセンター跡地の写真

EOS 5D Mark IV+Planar T* 50mm F1.4 ZE 1/200, F5.6, ISO100

簡単にレンズの仕様について説明いたします。
レンズ構成は7群6枚で絞り羽根は9枚を採用しています。奇数の絞り羽根を採用しているので光条もはっきり出現し、綺麗なボケ感を演出します。そして最短撮影距離は45cmでマクロレンズのように接写ができるレンズではありませんが困ることはない最短撮影距離だと感じます。

【EOS 5D Mark IVにPlanar T* 50mm F1.4 ZEを装着して撮影】NYの道路標識

EOS 5D Mark IV+Planar T* 50mm F1.4 ZE 1/400, F1.4, ISO100

特別なものでもない日常の景色さえCarl Zeiss独特な描写と綺麗なボケ感が写真の雰囲気を引き立ててくれます。

【EOS 5D Mark IVにPlanar T* 50mm F1.4 ZEを装着して撮影】NYタイムズスクエアから

EOS 5D Mark IV+Planar T* 50mm F1.4 ZE 1/500, F5.6, ISO100

今度は少し絞り込んで撮影しました。解像感が一気に増して現代のレンズと同じ水準の解像感を持っていると感じました。

【EOS 5D Mark IVにPlanar T* 50mm F1.4 ZEを装着して撮影】ウォール街周辺から撮影

EOS 5D Mark IV+Planar T* 50mm F1.4 ZE 1/160, F2, ISO100

どこかオールドレンズのような雰囲気を出してくれる絶妙な雰囲気が筆者は非常に気に入っています。

どの被写体・撮影設定で撮影しても他のレンズでは出てこないようなコントラストの高さ、上品な滲みなどの各収差が本当に素晴らしく、”標準レンズの帝王”と呼ばれるのも理解出来ます。

【EOS 5D Mark IVにPlanar T* 50mm F1.4 ZEを装着して撮影】中目黒の目黒川沿いで撮影した桜の画像

EOS 5D Mark IV+Planar T* 50mm F1.4 ZE 1/2500, F2.0, ISO100

こちらは今年に中目黒で撮影した1枚ですが、全体的に透明度が高い描写と綺麗なボケがこのレンズの良さを体現していると思います。周辺部にシアンの色ずれが発生していますがそれもこのレンズの”味”と捉えることにしましょう。

【EOS 5D Mark IVにPlanar T* 50mm F1.4 ZEを装着して撮影】ぐっすり眠るレッサーパンダEOS 5D Mark IV+Planar T* 50mm F1.4 ZE 1/2500, F2.0, ISO320

【EOS 5D Mark IVにPlanar T* 50mm F1.4 ZEを装着して撮影】メジロを撮影した画像(梅ジロー)EOS 5D Mark IV+Planar T* 50mm F1.4 ZE 1/2500, F2.8, ISO100

比較的あまり動かない被写体であれば動物などの被写体も撮影することが出来ます。もちろんAFを搭載したレンズの方が撮影した際の写真の成功率は格段に高いですが、MFレンズで全く撮影できないという訳ではありません。

【Carl Zeiss】アダプターを使って「Carl Zeiss  Planar T* 50mm F1.4 ZE」を楽しむ。


今回は簡単ではありますがPlanar T* 50mm F1.4 ZEをご紹介いたしました。
解像力の高さとこのレンズの性能の良さや独特な描写力を撮影した写真と共にご説明いたしました。
価格も非常に高いレンズという訳でもなく、初めての単焦点レンズとしても、初めてのCarl Zeissレンズとしても非常にお勧めできる一本です。

<筆者おすすめストラップ>

[ Category:Canon Carl Zeiss & Voigtlander etc. | 掲載日時:25年10月24日 17時00分 ]

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