【OLYMPUS】OM-D E-M5 Mark IIIを体感! OLYMPUS PHOTOFESTA 2019 レポート
2019年11月16日、JR新宿駅南口のLUMINE0にて「OLYMPUS PHOTO FESTA 2019」が開催されました。
注目の的といえば何と言っても、いよいよ来週11月22日に発売を迎える新機種「OM-D E-M5 Mark III」。
全国を巡って東京は最後でしたが、新製品のお話を伺うべく足を運んできました。
入り口では今回のイベント名が印字された大判ポスターがお出迎え。
こちらの前で記念写真を撮っている方をたくさん見かけました。
この先に会場があるのですが、その途中にはオリンパスが運営する「fotopus」にて使えるポイントを進呈するスペースが設けてありました。オリンパスのイベントでは名物の一つで、筆者もしっかりゲットしたうえでいざ会場へ。
■上位機並みに進化したOM-D E-M5 Mark III■
会場に入り、向かった先はハンズオンコーナー。
こちらではブラックとシルバー両色を見比べながら手に取ることができました。
上位機種と同等の手振れ補正機構や被写体捕捉力の高い121点オールクロス像面位相差センサーの搭載、画像処理エンジンの能力を活かしたプロキャプチャーモードの実装など、中身はOM-D E-M1 Mark IIそのもの。でありながらサイズ感はOM-D E-M5 Mark IIを踏襲している点をふまえると、ザ・凝縮感の塊のように思えてきます。
同時発売予定のグリップECG-5もあったので装着してみました。
OM-D E-M1 Mark IIと同じ握り心地を目指したとのことで、カメラボディ本体とのつなぎ目の滑らかさも相まってホールディングは抜群です。
このカメラに取り付けられていたM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROのような、マイクロフォーサーズ用レンズとしては比較的重量のあるレンズも、このグリップを用いれば取り回しの良さに磨きがかかるように感じました。
説明してくださったスタッフの方が、筐体開発担当の方でしたので、ボディ周りの気になる点を伺ってみました。
・防塵防滴構造を非金属ボディで達成するのが難しい
防塵防滴構造はシーリングを施す関係上、とにかく筐体がフラットであることが重要とのこと。
今回採用した材質は非金属だったため、成型後の除熱プロセスで反りを発生させない点に苦慮されたようです。
非金属はエントリークラス向け機種への採用が多いですが、かなりコダワリを持って作られている話を今回聞いてみて、金属至上主義の考えを改めようと思えました。
・ダイヤルはクリック感強めに調整
OM-D E-M5 Mark IIは軽めのダイヤルにチューンナップされていましたが、カスタム設定でホワイトバランス等を振っていると、意図せず変更されてしまうという声があったようです。
それらの声をもとに、今回は前後ダイヤル共にクリック感の強い仕様に変更されています。
シャッターボタンや背面ボタン等も、クリック感が調整されたように思えます。これからの季節は防寒グローブ越しに操作する機会が増えるので、このような仕様変更はありがたい限りです。
・ファインダーのハイアイポイント化
結構盛り上がった話がこちら。
今回ファインダー仕様の変更に伴い、アイポイントが27mmまで拡大、メガネをかけていてもより見やすい仕様になっていました。確かに接眼部から完全に目が離れても、見える!
先代含め、フラッグシップのOM-D E-M1Xさえ21mm、レジェンドNikon F3HP(ハイアイポイント)が確か25mmだったので、これはぜひとも歓迎したいポイントの一つと思いました。
またパネル自体も有機ELへの変更に伴い、アウトドアシーンで利用されることの多い偏光グラス越しに覗いても色味や明度の変化に強くなったことも嬉しいポイントの一つです。
■マニア心くすぐる開発展示コーナー■
開発展示コーナーでは、OM-D E-M5 Mark III にも搭載される先端技術を体感することができました。
数ある中で特に興味深かったのが「5軸手ブレ補正体感」。側に置いてあるカメラボディを上下左右に動かすと、その移動量に合わせて手ブレ補正のユニットの挙動を目視できるようになっています。実際にカメラを振ってみると、画像センサーを中心に維持しようと補正ユニットがこれでもかというぐらいのフル稼働を見せ、さらにその可動域の広さに驚きました。
競合の追随を許さないと言われているダストリダクションの激しい挙動から、0.5ピクセル単位で動かすハイレゾショットの繊細な挙動まで対応するこの超精密ユニット、ブランドコンセプトとして最近よく耳にする「機動力」を実現するうえで欠かせないキーデバイスです。
小型軽量・高性能の両立がオリンパスならではの技術。
某白レンズを模したモックと、35mm換算600mm相当のシステム機動力を比較体験できるコーナーに思わず足が留まりました。なんといっても白いレンズ、丁寧にも重量まで本物そっくりに仕上がっていたので思わずニヤリとなりました。
見比べた際の大きさの違いもですが、実際に手に取ってみると重量やハンドリングに埋めがたいほどの差を感じました。登山など極力荷物を軽くしたい環境では、オリンパスのような小型軽量という機動性を活かせるシステムの恩恵は大きいです。
■同時発売のPEN E-PL10■
会場ではOM-D E-M5 Mark IIIと同日発売予定の PEN E-PL10も体験できました。
「綺麗な写真が簡単に撮れる」がコンセプトのカメラはとにかく、わかりやすい操作性が特徴です。
自撮り撮影も、モニターを下開きにすると画面下にシャッターボタンや動画撮影ボタンが表示されるので迷うことはありません。
アートフィルターにファインチューンが新たに搭載。
「ポップアートI」と「ファンタジックフォーカス」の効果を画面右のスライダーを操作することで調整することができます。これまで同様、画面で効果を確認しながら撮影できるので、より自分好みの作品が簡単に撮れます。
PENシリーズといえば、上質なデザイン。旧モデルの「PEN E-PL9」(右)と並べてみました。
ブラックカラーのE-PL10は軍艦部まで黒くなったことで、よりブラックカラーのレンズとマッチするようになっています。また、革のシボがより深くなった事で高級感がさらに向上。握った時のフィット感も良好です。
側にいたスタッフさんの話によると、「OLYMPUS PEN」の文字が1mm 大きくなったとのこと。PENの名を大事にしたいという思いからの改良点と聞き、製品に対する思いの深さを感じました。こちらも楽しみな1台です。
■オリンパス・ペン デザインの10周年■
そのPEN E-PL10ですが、初代のPEN E-P1が登場してから10周年ということで、「デザインの10年展」としてデザインの歴史が紹介されていました。
思わず懐かしいと思ってしまうものや、開発時の試作デザイン(写真左)、PENシリーズのルーツが分かるフィルムカメラの「PEN」と「PEN-FT」(写真右)など貴重なものが沢山みられました。
そのような折、近くにいた会場スタッフの首から未確認モデルがぶら下がっていたので、思わず声を掛けてしまいました。
目にも鮮やかな、ブルーのPEN E-PL9。
こちらは南アジアなどの地域限定で発売されたモデルで、個人的には海外通販を利用してでも欲しいと思っていたモデルなので凄く羨ましかったです。
■おわりにー今後の盛り上がりが期待できる話などなどー■
開発発表として2020年発売予定の超望遠ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」が展示されていました。
オリンパスの交換レンズとして初めて1.25倍のテレコンバーターを内蔵したという本レンズ。35mm換算で1000mm相当の迫力ある画が楽しめます。さらにテレコンバーターMC-20の併用で最大2000mm相当にもなるというから驚きです。
望遠撮影を得意とするマイクロフォーサーズの長所がさらに際立つことでしょう。
また、海外メディアで度々お名前を見掛ける役員の方から嬉しい話が。
曰く「OM-D E-M5 Mark III誕生は、新たなスタートライン。これを起点に、ボディ2台・レンズ3本を毎年リリースする意気込みで開発に取り組みたい」との力強いメッセージを頂きました。
小型軽量・防塵防滴などの独自路線で、機動力を磨き続けるオリンパス。
今後の進展に期待せずにはいられないエキサイトな体験会でした。