皆様、レンズ選びでお困りなことはございませんか?
私も日々、レンズ選びに悩んでおります。
僭越ながら同じ画角にお悩みの皆様に、よくご質問をいただくレンズを純正やサードパーティ問わず比較しながらご紹介させていただきます。
今回はタイトルに書かせていただいた通り・・・
・SONY FE 50mm F1.8 2016/04/28発売
・SAMYANG AF 45mm F1.8 2019/06/21発売
・七工匠 7Artisans 50mm F1.8 AF 2024/04/05販売
上記3点を比較しながらご紹介させていただきます。
標準画角の単焦点を楽しんでみたいという意見を聞く一方で、なかなか勇気が出ない。手が出せないという方もいらっしゃいます。
そんな方々に、オートフォーカスの利く標準画角の単焦点で、新品3万円台でご購入いただけるレンズの3本を比較を行いながらご紹介させていただきます。
それぞれの強みや個性について、①サイズや基本性能②解像度③玉ボケ④逆光耐性⑤最短撮影⑥動画使用時の動作 の6つの項目を比較しながらご紹介させていただきます。
①サイズや基本性能
1 SONYレンズスペック 画角:50mm 最短撮影距離:0.45m 高さ:59.5 mm 重さ:約186g 絞り羽根:7枚
2 SAMYANGレンズスペック 画角:45mm 最短撮影距離:0.45m 高さ:56.1mm 重さ:約162g 絞り羽根:9枚
3 七工匠レンズスペック 画角:50mm 最短撮影距離:0.5m 高さ:約98mm 重さ:約424g 絞り羽根:11枚
中でも一番重いのは七工匠です。高さもあり標準単焦点の大口径レンズその物です。この中では唯一絞りリングもついており直観的な操作が可能となります。レンズの構成としては、非球面レンズ2枚、EDレンズ1枚、高屈折レンズ2枚の特殊レンズを含む9群11枚で構成されているためサイズが他のレンズより大きくなってしまっています。
サイズが一番小さく重量も軽いのは45mmの画角を持つSAMYANGのレンズです。持ち運びに便利なのはもちろんのことEDレンズも使用されています。
SONYはSAMYANGと違い金属素材が使用されているため比べてみると重さを感じますが質感がしっかりしており、SONY αシリーズとの質感の相性がいいと感じました。
②解像度
開放
1 SONY 焦点距離:50mm F値:1.8 ss:1/640 ISO:100
2 SAMYANG 焦点距離:45mm F値:1.8 ss:1/500 ISO:100
3 七工匠 焦点距離:50mm F値:1.8 ss:1/640 ISO:100
まずは開放F1.8での描写力を見ていきます。どのレンズも中央部の描写は非常に高く単焦点のメリットが最大限生かされているように感じます。SONYと七工匠は白い花と背景の境目に緑色のフリンジ(色収差)が発生していますが、SAMYANGが一番小さいように感じます。拡大したときの些細な差でもあるので、実際に使っていて気になることはあまりなさそうです。
F8
1 SONY 焦点距離:50mm F値:8 ss:1/50 ISO:200
2 SAMYANG 焦点距離:45mm F値:8 ss:1/40 ISO:200
3 七工匠 焦点距離:50mm F値:8 ss:1/20 ISO:200
F8まで絞るとどのレンズもシャープでカリッとした描写となり、色収差も感じられません。
50mmの明るいレンズはスナップ撮影などでボケを活かした撮影をイメージしがちですが、壮大な風景の一部を切り取ったりと無限遠での撮影を楽しむこともできます。そんな時はF8程度まで絞ると非常にシャープで高画質な得られることができ、より鮮明に風景を写しこむことが出来るようになります。
③玉ボケ
1 SONY 焦点距離:50mm F値:1.8 ss:1/500 ISO:100
2 SAMYANG 焦点距離:45mm F値:1.8 ss:1/500 ISO:100
3 七工匠 焦点距離:50mm F値:1.8 ss:1/500 ISO:100
絞り開放値でのボケも比較してみました。どのレンズも素直なボケですが、SONYと七工匠の方がSAMYANGに比べると若干ではありますがボケが柔らかくてきれいに感じます。好みではありますが個人的には七工匠が一番素直で綺麗なボケに感じます。単焦点レンズの醍醐味はボケを活かした撮影ですが、どのレンズも思う存分楽しむことが出来そうです。
④逆光耐性
1 SONY 焦点距離:50mm F値:5 ss:1/80 ISO:5000
2 SAMYANG 焦点距離:45mm F値:5 ss:1/80 ISO:5000
3 七工匠 焦点距離:50mm F値:5 ss:1/80 ISO:6400
逆光耐性については描写の差が大きく出ました。SONYは少しゴーストが発生していますがフレアも少なく綺麗です。低価格レンズとは思えない耐性です。SAMYANGもゴーストはあまり発生していませんが、SONYと比べるとフレアの発生が目立ちます。そして七工匠についてはフレアは抑えられているものの、ゴーストが多く発生していました。とはいえ逆光耐性が低いから悪いということでは決してなく、ゴーストやフレアを活用した撮影ができるという面では、SAMYANGや七工匠は撮影アプローチによって人とは違った写真を生み出すことが出来そうです。
⑤最短撮影
1 SONY 焦点距離:50mm F値:1.8 ss:1/1000 ISO:100
2 SAMYANG 焦点距離:45mm F値:1.8 ss:1/800 ISO:200
3 七工匠 焦点距離:50mm F値:1.8 ss:1/640 ISO:100
最短撮影距離はSONYが45cm(0.14倍)、SAMYANGが45cm(0.14倍)、七工匠が50cm(公式データなし)となっております。一般的な50mm単焦点と最短撮影距離は同程度。最短撮影距離が同じSONYとSAMYANGは被写体の大きさもおおよそ一致します。七工匠は5cmだけ最短撮影距離が長いのですが、実際に撮影してみるとその差を感じさせられます。いろいろな場所に持ち出しやすいレンズでもあるので、テーブルフォトなど被写体に近づいて撮影するようなことが多い方にはSONYとSAMYANGがおすすめです。
⑥動画使用時の動作
ここでは大きく違いが出てきました。SONYのレンズのAF速度は他2本と比べるとゆったりと動きブリージングの幅も大きいです。
SAMYANGのレンズのAF速度は七工匠よりは移動速度がなだらかなものの、音も静かで被写体やシーンを選ばず使えます。
七工匠のレンズは驚くほど静かで全くモーターが動いている音がしません。
さらにピント移動の速度も速くストレスの感じない動きをしています。3本の中でも開発が新しいレンズなので随所に技術の進化を感じます。
まとめ
どのレンズも3万円代とは思えないパフォーマンスを持っているレンズたち。SONYのレンズは発売から日が経っており搭載されているモーターは他レンズと比べると見劣りするものの、安定の描写力や逆光耐性、SONY機と合わせた時の一体感など総合的にポイントが高い一本。SAMYANGは何よりコンパクトさが魅力ですが、小さいからといって描写が悪いということは一切なくしっかりとした光学性能を有しています。さらにAF音がしないので撮影するときに気にならないのもメリットの一つ。七工匠はサイズが大きいもののその分光学設計が贅沢でボケ味も美しく、AFの速度も速く動きものにも向いているかもしれません。その点逆光耐性が低い部分についてはウィークポイント、光の入り方には気を配る必要がありそうです。
三者三様ではありますが標準単焦点レンズとしてしっかりとした性能を有しているので、どのレンズを選んでも悔いはないのではないかと思います。
サイズ感で選ぶならSONYかSAMYANG、AF性能を求めるなら七工匠など、長所と用途が一致するレンズを選ぶのが間違いないのかもしれません。
▼新品はインターネットからのお買い物で安心安全の2年保証付き!▼