【Voigtlander】へりあーさんぽ 75mm F1.8
Heliar(ヘリアー)とは、Voigtlander (フォクトレンダー)のレンズの名称で、トリプレット型のレンズ構成をより発展させ、前後を貼り合わせた3群5枚レンズにつけられていました。
今回使用する75mm F1.8はその発展形の3群6枚構成と古典的なレンズ構成になっています。
今回はそんなVoigtlander HELIAR Classic 75mm F1.8 VMをFUJIFILM GFX50SIIにつけてへりあーさんぽに出ました。
今回はSONYではなくFUJIFILMのボディを使用しました。
ヘリアータイプのレンズにはM typ240系の色味がベストマッチだと疑わない筆者ですが、普段使わない75mmという画角やブライトフレームの小ささ故少し悩んでいました。
そんな折になんとなく目に留まったGFXにアダプターを介し付けたところ、今回使用した個体ではケラれませんでした。
(あくまで35mm判用のレンズですので、
こうれはもう天啓とばかりに意気揚々とへりあーさんぽに出ました。
収差を残し、ピントピークに緩いボケが共存する写りはこのタイプでしか味わえません。
日陰から日向への切り替わりはミドルフォーマット特有の階調性の高さでしっかりカバーしつつ、写りの質はそのまま。なんと贅沢な散歩でしょうか。
先のカットとは変わり今度は柔らかめの被写体へ。
綿毛は春の訪れを告げるようで気持ちまで暖かくなってきます。
茎に生えた細かい産毛、日差しをいっぱいに受けて輝く綿毛、前ボケで溶かしきった鮮やかな赤い花、全てがやさしく調和しています。
この色味が、FUJIFILM。
日に透けた葉の質感や柔らかさと背後の荒々しい壁の対比が美しいです。
壁の硬さを表現する為に少し絞りましたが、それでもかなり大きなボケ味です。
ヘリアー型らしいフチに色の付いた玉ボケです。
トンネルの中は日中でもひんやりと冷たく、今日の様な日差しの強い日には逃げ込みたくなってしまいます。
水面がキラキラと反射していました。
アウトフォーカス部のゆるい描写や滲み方が非常に美しいです。
梅の花でしょうか。
ここ数日で急に春らしい気温になり、急ぎ春物の洋服を洗濯にかけました。
こういった点光源のシチュエーションではシャボン玉ボケが目立ちます。
花のしっとりとした艶やかさ、葉のツルリとした硬さをしっかりと表現してくれています。
描写もさることながら、色味が撮って出しでここまで美しく出てくれるとは思いませんでした。
暗所は粘り、赤も飽和しない本機の強さを実感できる一枚です。
非常に美しいシルエットの車が停まっていました。
もちろん絞り込んでしまえば硬めの表現も思いのままです。
今回はFUJIFILM GFX50SIIにVoigtlander HELIAR Classic 75mm F1.8 VMをつけてへりあーさんぽにでました。
写りの質は現代的でありながら、どこか懐かしさを感じる収差を少し残した非常に面白い一本でした。