【Voigtlander】MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount実写編
…weil das Objektiv so gut ist
(訳:なぜならレンズがとてもいいから)
オーストリアのウィーンで創業した世界最古の光学メーカーと言われている
フォクトレンダー社の有名なキャッチフレーズですね。
今なおその血は脈々と受け継がれ、日本のコシナが
フォクトレンダーブランドの製品を作り続けています。
そして今回はそのコシナが手掛けた
“MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical“の実写編をお届けいたします。
それではどうぞ。
α7II + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount
ss1/80 F4.0 ISO800
さて、本レンズは最大撮影倍率が1:2となるレンズですので、いわゆるハーフマクロレンズに該当します。
まずは早速接写でググッとアップにしてみましょう。
葉がうねっているため周辺部は被写界深度から抜けてしまっていますが
ピントを合わせている中心部の解像力はさすがの一言。葉脈までしっかり描写しています。
α7RII + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount
ss1/124 F2.0 ISO200
質感描写にも優れているなあと感じる一枚です。
木目をしっかりと描き込みつつ、硬くならないのは良いですね。
ボケ味に関しては右奥に進むにつれ少しうるさくなりそうな要素が見え隠れしていますが
背景に気を付ければ大丈夫そうです。
上の写真からピントを置いている部分をトリミングしてみましたがいかがでしょう。
α7RIIのセンサーのおかげもあると思うのですが、本当によく写ります。
これはこれで構図の一つとして成立してしまうくらい甘さがありません。
α7RII + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount
ss1/50 F2.0 ISO100
もう少しハイライトのエッジのところなどはフリンジが見えてきそうなモノですが
アポクロマート仕様ということで、色収差がほとんど感じられませんね。
色の繋がり、そして階調の繋がりにも優れたレンズであるといえます。
α7RII + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount
ss1/1600 F2.0 ISO100
色や階調に優れたレンズとなれば、撮影したくなるのが「金属」です。
旧日本家屋の中でも、看板建築と呼ばれる銅板貼りの建物を撮影してみましたが
緑青の壁面に残る長年のキズや染みなどをつぶさに捉えています。
窓や左側の描写なども甘さがなく、見事なものですね。
α7RII + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount
ss1/25 F2.0 ISO200
天気は生憎の曇り空。
日が傾いてくると、窓から入る光は室内を満たすことはありません。
そんな中、ゆるやかな光が木の引き戸をスポットしていたのを収めてみましたが
その場の静謐で少し澱んだ空気感が伝わってきそうな一枚となりました。
α7RII + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount
ss1/100 F2.0 ISO200
さて、50mmから1歩2歩踏み込んだ65mmということで、少しとっつきづらさを感じるのですが
実はα7RIIやα7SII、α9などファインダー倍率0.78倍(50mmレンズを付けた際)の機種で仕様する場合
EVF上に表示される像の大きさと、肉眼で見ている物体のサイズがほぼイコールとなります。
計算式は割愛いたしますが、実は絶妙な焦点距離を持ったレンズとなっておりますので
なれない焦点距離と臆さずに、EVFと肉眼の見え方を意識してみると
また違ったアプローチが出来るでしょう。
α7II + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount
ss1/125 F2.0 ISO100
フォクトレンダーブランドではレンズの明るさや用途に応じて
NOKTONですとかSKOPARですとか、銘付けがされているのですが
この「APO-LANTHAR」銘は同ブランドの中でも、最高の光学性能を持つ
レンズに付けられる銘となっています。
その誉れ高い名に恥じない描写だと思います。
α7II + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount
ss1/80 F2.0 ISO800
遠景では少し絞って使いたくなるのですが、こういったシーンでは
被写界深度のコントロール以外で絞る必要を感じません。
周辺光量落ちが気になる方は、ボディ側の電子補正を使うか
F3.5くらいまで…なので1段+2/3段ほど絞ってあげましょう。
α7II + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount
ss1/6 F2.0 ISO100
最後はモノクロで。
電子接点を備えた本レンズは、ボディ側と距離情報もやりとりをする事が可能となっており
手振れ補正内蔵ボディであれば、5軸全ての手ブレ補正が動作します。
この写真もかなり低速でシャッターを切ってみましたが、意図的に歩いている人だけを被写体ブレさせることが出来ました。
・・・
いかがでしたでしょうか。
フォクトレンダー史上最高と謳われる、ハーフマクロレンズ。
高い解像力、優れた平坦性、そして色滲みを徹底的に抑制したアポクロマート仕様が
ヌケの良いトーンと素直な色の繋がりを魅せてくれます。
フルサイズEマウント用としては3本目となるマクロレンズ。
純正も優れたレンズが連なる中で、これまた極上の1本と
嬉しくも悩ましい存在なのは間違いありません。
ぜひ、極上の写りをご体験ください。
マップカメラスタッフによる
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撮影:α7II + HELIAR Hyper-Wide 10mm F5.6 Aspherical