「ニハチ」
カメラ業界でニハチと言えば28mmかF2.8を意味する言葉として使われています。
本ブログでは、マップカメラの28周年をニハチとかけ、マップカメラスタッフ一押しの「ニハチ」レンズを通し、「ニハチ」の魅力を皆様に紹介していきます。
毎日28mmかF2.8のどちらかが掲載されますので、お見逃しなく!!
本日ご紹介する「ニハチ」は…
『Carl Zeiss Milvus 21mm F2.8 ZF.2(ニコンF用)』です!
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 焦点距離:21mm
本レンズの描写で最も気に入っているのが、この透明感と質感です。
硬すぎることも、柔らかすぎることもなく、その場の空気感をそのまま写す描写力。
本記事の写真はNikonの「FTZ」を介して、同じくNikonのミラーレスカメラである「Z6II」に装着して撮影を行っております。
その性能は2016年発売の一眼レフ用レンズながら、全く衰えを知らない銘玉と言えるでしょう。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:100 / 焦点距離:21mm
ピント面のシャープさはさることながら、開放絞りのF2.8がもたらすボケ味は落ち着きつつもしっかりとピント面と切り離してくれるのでF2.8での撮影が捗ります。玉ボケも開放から綺麗な円を描きます。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100 / 焦点距離:21mm
今回使用したMilvusは、デジタルカメラ向けに解像性能や光学性能を最適させたレンズ群。
中でも、Milvus 21mm F2.8 ZF.2はDistagonタイプのレンズ設計をしており、先代のCarl Zeiss Distagon T* 21mm F2.8 ZF.2の系譜を継ぐレンズです。先代の高い描写力をさらに高めるだけでなく、レンズコーティングの進化によりゴーストやフレアに対する耐性を高めています。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:100 / 焦点距離:21mm
ピクチャーコントロール:カーボン
豊かなコントラストも特徴の本レンズ。
カラーも良いのですが、モノクロにすることで、より描写の質感や艶っぽさを楽しめるような気がします
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:100 / 焦点距離:21mm
性能の良いレンズではありますが、フォーカスはマニュアルで合わせる必要があります。
全体の解像感はもちろんのこと、ピント面は非常にシャープなため、Nikonの優秀な電子ファインダーを通すことでピント合わせを容易に行うことができました。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/2500秒 / ISO:100 / 焦点距離:21mm
しっとりしつつ鮮やかな色彩を残すCarl Zeissのレンズと、色の出方が自然なNikonのカメラの組み合わせ。
一眼レフだけでなくミラーレスカメラとの組み合わせでもその良さは健在です。
使用して感じるのは、鮮やかといっても単純に彩度が高いのではなく、色の階調性が豊かで再現性が高いところです。
おかげで落ち着きのある描写が可能です。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/6400秒 / ISO:100 / 焦点距離:21mm
フレアとゴーストに耐性があるので積極的に逆光に向けることも多いですが、フレアとゴーストに加えてフリンジの抑制も向上しています。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:100 / 焦点距離:21mm
21mmは広角レンズでありながら変に歪むことのなく、目の前の景色をそのまま切り取ることのできる画角。狙った撮影だけでなく、日常的なシーンでも気軽に使いやすく感じます。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:100 / 焦点距離:21mm
広角で絞り開放がF2.8のため、光量落ちはどうしても出てしまっています。しかし、周辺部分が甘くなるということはなく解像しているので全体で見たときそこまでマイナスに感じませんでした。むしろ、周辺減光があるおかげで視線が自然と中心に向き、散乱しやすい広角の構図を周りから固めてくれるような効果があります。そのため、構えて使わなくともその場の空気感を切り取るレンズとして使いやすいのかもしれません。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:8.0秒 / ISO:640 / 焦点距離:21mm
Kenko PRO1D プロソフトン クリア(W)
また広角の明るいレンズですから、日が落ちた後の夜景や星の撮影にも強い味方です。21mmの画角は超広角レンズと比べてしまうとやはり狭いものの、ある程度の星を絞って写すことができるため、星座や意図した星の組み合わせが狙いやすいです。天の川なども全体とまではいきませんが、濃い部分がちょうどぴったり収まるような画角となっています。写真は2022年7月7日に撮影した「夏の大三角」です。絶え間なく雲が流れてくる天候でしたが僅かな切れ間から織姫と彦星を見ることができました。今回は大三角を強調する目的でKenkoのPRO1D プロソフトン クリア(W)というフィルターを装着していますが、装着していない素の状態も周辺のサジタルコマフレア(コマ収差)が絞り開放であっても出現せず、星撮り用のレンズとしての性能の高さも備えています。
単焦点レンズのF2.8
大口径ズームレンズの中にもF2.8が見受けられますが、ズーミング機構がない分限りなく追及された最高の光学性能を楽しむことができます。それでいて現代においてもオートフォーカスではなく、マニュアルフォーカス。必ずしも便利とはいきませんが、それでもあえてこのレンズを持ち出したくなるのはその描写の虜になったからでしょうか。また、大口径レンズであっても広角だとボケにくいと言われますが全くそんなことはなくF2.8のボケ味を楽しむことができます。
まだまだこれからも広角レンズの雄として活躍してくれそうです。
ぜひ一度、Carl Zeissの広角レンズMilvus 21mm F2.8 ZF.2を体験していただければと思います。
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28人の28mm編とF2.8編でお送りしております!少しでも興味を持っていただけたら幸いです。