二眼レフは、いかがですか?! その14
しばらくおとなーしくしてました。 目立たないように、静かーに・・・ そしたら周りから「最近ブログさぼってるでしょ!」 ・・・ちっ、ばれたか・・・
というわけで(?)、今回は「ヤシカD」です。
ヤシカというと、35㎜一眼レフの世界では「ヤシカ/コンタックス マウント」、コンタックスのツァイスレンズが使えるカメラとして名を馳せました。 とりあえずボディは安いヤシカブランドで、憧れのツァイスレンズを! なんてカメラ少年やカメラおじさんも多かったことと思います。 (今のツァイスレンズの状況など、想像も出来ない時代でした・・・) そんなコンタックスの影に隠れた感の強いメーカーですが、それはあくまで一眼レフでのお話。 二眼レフの世界では、国産で最後まで製品を作り続けてくれた貴重なメーカーだったのです。
最終モデルの「ヤシカマット 124G」は、クランク巻上げで露出計も付いた、ローライフレックスをかなり意識したモデルでした。 操作方法もほぼ同じ(操作感は・・・ えーと、まぁ聞かないで・・・)、とにかく安く手に入るということで、今でも中古市場で人気の高い製品です。 今回の「ヤシカD」は、そのさらに廉価版。 ノブ式のフィルム巻上げで、シャッターチャージは別操作になります。 撮影レンズは2種類あり、前期は「ヤシコール80㎜F3.5」という3群3枚のトリプレットタイプ。 後期は「ヤシノン80㎜F3.5」3群4枚のテッサータイプが付きます。 個人的には前回述べたようにトリプレット好きなんですが、今回はヤシノン付き。
外観は上の写真を参照してください。 「ヤシカマット124G」が全面ブラックの、でも精悍さにはちょっと欠けちゃうかなというのに対して、絞りとシャッター速度ダイヤルのシルバーが結構愛嬌あってかわいいでしょう。 他にもベージュっぽい色の革やブルーっぽいボディもあり、なかなかバリエーションに富んだモデルでした。 ボディが軽いのは見た目通りですが、シャッターもカコンという感じで軽快に落ちます。 レンズ横のレバーを右手親指でグイっと押し下げ、人差し指でカコン・・・ なかなかクセになる感触です。 ・・・グイっ、カコン・・・ ふふふ・・・ (・・・大丈夫、木村拓哉さんや渡辺謙さんだって、暗い部屋で空シャッター切って喜んでる時代だから・・・ カコン・・・エヘヘヘ・・・)
で、写りの方はといいますと、こちらもかなり軽快! シャープさに関しては全く文句なし。 といっても、がちがちというわけではなく、シャープな中にも柔らかさがあり、優しい写りです。 カラーの抜けも良く、爽やかな印象を受けますが、場合によっては軽すぎるかも・・・
(コダック E100GP) 実際はもう少し渋みがあるんですが、なんか軽く写ってしまっています。 他の金物も同様でしたので、金属の質感描写はちょっと弱いかも・・・
(コダック E100GP) ハロウィンって、つまりは西洋のお盆みたいなものですよね・・・ 日本のお盆も大事にしましょうよ・・・
でもこの軽さ、生もの系には良さそうです。 上のかぼちゃなど、ローライで撮ると、もっとこってりした描写になってしまい、実物より生々しく(?)なってしまうこともあるんですよね・・・
(フジ プロビア100F)
(フジ プロビア100F)
今回、実際に撮影してみて驚いたのが、ボケが結構自然なこと。 かぼちゃとその下の写真は絞り開放付近で撮ったのですが、後ろの方良い感じでないですか? ローライだと背景のボケがザワザワとうるさい感じになってしまうような状況なんですが・・・ う~ん、ちょっと悩ましい・・・
(フジ プロビア100F) 鳩ポッポ やっぱ隅っこのすき間って落ち着くんですよね・・・ 前ボケ多めの作例も・・・
ちょっと作例としては出せなかったんですが、人物の描写なども、ローライの2.8Fプラナーが肌のしっとり感やきめの細かさまで表現できるとすると、もう少し軽い表現になります。 被写体に迫るようなポートレイトを狙うならローライのほうが向いているかもしれませんが、スナップ的なものならヤシノンレンズの方が適しているかも。
最後に操作のことで一点。 ローライコードなどのノブ巻き上げ式を使ってらっしゃる方なら当たり前のことでしょうが、普段クランク巻き上げに慣れていると、フィルム巻上げとシャッターチャージが別操作というのは結構やっかいです。 撮ったら常にフィルムを巻き上げておくクセをつけておかないと、巻き上げを忘れて二重露光とか、撮る時に「あれっ、巻き上げたっけ、どっちだろう??」と悩み、「えーい、二重になるよりは良いか!」と巻き上げて、結局何も写ってなかったなんて初歩的なミスを・・・ はい、しちゃいました・・・
(フジ プロビア100F) 幻想的な二重露光!! どうです、狙い通りの計算され尽くした構図!
・・・って、恥ずかしいので、このへんで続く。 (文責・イット)