【Canon】RF14-35mm F4 L IS USM 先行展示 体験レポート
高性能なボディとRFマウントレンズでミラーレス業界を席巻するキヤノン。
縦位置グリップ一体型モデルとして期待の高まる「EOS R3」をはじめ、待望の超望遠単焦点「RF600mm F4 L IS USM」や「RF400mm F2.8 L IS USM」に加えて、絶大な人気と信頼を誇る100mmマクロも「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」としてリニューアル。
続々と強化されるレンズラインナップに、また1つ新たな仲間が加わります。
『Canon RF14-35mm F4 L IS USM』先日発表されたこちらのレンズ。
RFマウントのショートバックフォーカスによる自由度の高いレンズ設計。この恩恵を受けて高画質と小型化を実現しています。
広角端で14mmの超広角域をカバーし、約5.5段のレンズ内光学手ブレ補正機構を搭載。
さらに「EOS R5」「EOS R6」との組み合わせ時はボディ・レンズISの協調制御により約7段の手ブレ補正効果を得ることが出来ます。
キヤノンが最高水準の性能を追求したLレンズのなかでも、「小三元」に位置する一本の登場です。
既にRFマウントには「RF15-35mm F2.8 L IS USM」という高性能な広角ズームレンズが存在しますが、改めて小型軽量化を図った当レンズの魅力に迫りたいと思います。
今回は「キヤノンフォトハウス銀座」から、外観やEOS Rシリーズボディに装着したサイズ感比較などを中心にお送りいたします。
まず手に持ってみると、その軽さと収まりの良さに「これは良いレンズに違いない」という確証を感じました。
「EOS R5」に装着された『RF14-35mm F4 L IS USM』は重量バランスも素晴らしく、スッと構えた時に自然に良い位置に落ち着きます。
小三元シリーズの「RF24-105mm F4L IS USM」や「RF70-200mm F4 L IS USM」と同じく繰り出しズーム方式を採用していますが、
広角端・望遠端共に繰り出しはほんのわずかです。撮影中にズーミングをしてもバランスが著しく変化することはありません。
手持ちの場合はもちろん、ジンバルを使っての動画撮影等でもわずらわしさを感じることはあまりないでしょう。
《RF15-35mm F2.8 L IS USMとのサイズ比較》
左:RF14-35mm F4 L IS USM / 右:RF15-35mm F2.8 L IS USM
描写性能に定評のある「RF15-35mm F2.8 L IS USM」と並べて外観を比較してみました。
F値こそ控えめなスペックですが、取り回しの良いサイズ感が非常に魅力的です。
RF14-35mm F4 L IS USM / RF15-35mm F2.8 L IS USM
質量 : 約540g / 約840g
全長 : 99.8mm / 126.8mm
最短撮影距離 : 0.2m / 0.28m
並んでいる画像を見て頂ければ一目瞭然ですが、重量で約300g、全長が27mmと一回りコンパクトになっています。
特に重量面では大幅に携帯性が向上していますので、撮影者への負担はかなり軽減されるでしょう。
また、最短撮影距離においては『RF14-35mm F4 L IS USM』に軍配が上がります。
最大撮影倍率は0.38倍、最短撮影距離 0.2mとかなり寄ることが出来ますので、被写体に近付くことでボケを生み出すことも可能です。
2本の構造上の違いで把握しておきたいのが、通常の絞りとは別に設けられた不要光を遮断するための「副絞り」の有無。
F8~16位で使う場合であれば、どちらも解像感には大きな差はないとのことですが、F16より絞った場合副絞りによって回折対策がされている『RF15-35mm F2.8 L IS USM』の方が画質面で有利なようです。もちろん、日常でそこまで絞り込むシーンは稀だと思いますが『RF14-35mm F4 L IS USM』で気になる場合は回折補正をいれて撮影していただくのがベターです。
スイッチ類に関しても、「AF/MF 切り替え」と「手ブレ補正 ON/OFF」の2つがどちらにも搭載されています。
素早くマニュアルフォーカスに切り替えることが出来るので、近接撮影時などに活用したい機能です。
デザインも先発の「RF15-35mm F2.8 L IS USM」を踏襲しており兄弟のような佇まいの2本ですが、その実力は弟分というにはあまりにももったいない。F値と描写力、携帯性の違いで撮影シーンごとにベストの方を選んでいただきたいです。
《EF16-35mm F4L IS USMとのサイズ比較》
左:RF14-35mm F4 L IS USM / 右:EF16-35mm F4L IS USM
続いては一眼レフ機では愛用していたという方も多いと思われます「EF16-35mm F4L IS USM」との比較です。
このように見比べてみると、EFは武骨でたくましいデザインに好感が持てますし、RFはより洗練されてスッキリとした印象です。
Lレンズの証であるレッドラインの存在が、両社ともキヤノンの誇りが生み出した素晴らしいレンズである事を感じさせてくれます。
RF14-35mm F4 L IS USM / EF16-35mm F4L IS USM
質量 : 約540g / 約615g
全長 : 99.8mm / 112.8mm
最短撮影距離 : 0.2m / 0.28m
どちらも、レンズ構成は12群16枚と同じとなっていますが、ミラーレス専用設計のおかげで約75gの軽量化がなされています。
「EF16-35mm F4L IS USM」もズーム時には前玉部分が繰り出しますが、そこまで鏡筒にカバーされているので見た目はスマートです。
しかしその分を加味しても13mmほど全長も短くなっていますから、RFマウントの優位性を感じます。
左:EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F4L IS USM / 右:EOS R5 + RF14-35mm F4 L IS USM
ナンバー「5」を冠した一眼レフとミラーレス一眼、それぞれのエース機にレンズを装着してみました。
ボディの重量と併せるとその質量差はおよそ225g。分かりやすい例だと、リンゴ1個分ほどRFシステムの方が軽いという事になります。
私自身もいまだに一眼レフを愛用しているのですが、改めてキヤノンのカメラに対するこだわりと技術力を感じることができました。
大口径の超広角レンズは前玉が凸レンズになるため、レンズへのダメージが他のレンズより気になります。
『RF14-35mm F4 L IS USM』も出っ張った前玉になっているのですが、巧みな設計で汎用性の高い77mm径のフィルターを装着することが可能です。
これは非常に嬉しいポイントで、「EF16-35mm F4L IS USM」に使っていたフィルターをそのまま流用することが可能なのです!
EFからRFへシステムを移行した方や、エンドユーザーへのこまやかな心くばりも欠かさない姿勢は流石です。
《ついに出揃った小三元》
左:RF70-200mm F4 L IS USM / 中央:RF14-35mm F4 L IS USM / 右:RF24-105mm F4L IS USM
明るくボケ味の美しい「F2.8」も魅力的ですが、控えめな「F4」に設定することで軽量化とサイズダウンを図る。
開放から優れたパフォーマンスを発揮するバランスのよい小三元レンズは、シーンを選ばず扱いやすいと感じました。
RFレンズの豊富なラインナップは、ご自身の用途に応じて「頻度の高い標準は大三元、使用頻度は少ないがいざというときの為に広角・望遠は小三元」などと自分のスタイルに合った機材選びができるのも嬉しいですね。
「汎用性の高い77mm径」と先程申しましたが、この3本はフィルター径が統一してあるのもポイントです。
レンズを揃えている場合、フィルターをレンズ分購入すれば一番楽ではありますがお財布には負担です。
1枚持っておいて、今日使いたいレンズに都度付け替えて使いまわすことも出来ます。
「EOS R5」と小三元3本を、持ち歩いていた標準的な大きさのカメラバッグに入れてみました。
ギリギリ入るかどうか…と思っていたのですが、いざ入れてみるとぴったりおさまるではありませんか!
むしろ余裕がややありますので、空いているスペースにレンズ交換用にブロアーやレンズクロスを入れておいてもいいかもしれません。
機材の総重量は約2.5kg。この量で、フルサイズ機と対応のレンズ3本が持ち歩けてしまうのですから驚きです!
同じように大三元シリーズ+R5を揃えると約3.4Kgと1Kg近い差が。長時間の撮影ではかなり負担になりそうです。
お気に入りの小三元レンズをバッグに入れておけば、広角は14mmから望遠は200mmまでと「広大な風景」や「動体撮影」まで幅広く対応できるのが嬉しいポイントです。
駆け足でご紹介をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
『RF14-35mm F4 L IS USM』はRFマウントにおいて、より撮影者の選択肢を増やしてくれる一本だと感じました。
今回は「EOS R5」との組み合わせをご紹介しましたが、「EOS R6」との組み合わせはもちろん「EOS R」や「EOS RP」と組み合わせても最高の撮影体験をもたらしてくれる事でしょう。
軽快に、そして高画質に広い画角を味わいたいという方にはこれ以上ない選択肢になると思います。
引き続き、実写レビューなど準備が出来次第お届けさせていただきます!
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