これはSONY α7RⅢを軽量性だとかAFだとかを無視して古いレンズの母艦機として運用している筆者の日記です。
母艦機とは本来燃料や航空機などを輸送する船のことを指す言葉ですが、カメラボディに対してこの言葉を使う場合は様々なレンズを付けるための「レンズを使うためのボディ」という少々ややこしい意味を持ちます。
フランジバックの問題でレフ機ではアダプターがなく楽しめなかったあのレンズもこのレンズも、ミラーレスならすべて楽しめるというわけです。
大昔の聞いたことがないレンズから一度は耳にしたことがあるレンズまで、α7RⅢに付けて楽しんでいきたいと思います。
今回使用したのはLeica Summilux M35mm F1.4 2nd。
ライカのレンズの中で最も有名な”癖玉”と呼ばれるレンズです。開放は滲み、逆光で暴れ、絞ると途端に端正になるという前評判に気を惹かれ手に取ってみました。
バリエーションは無限遠ロックの有無と限定のチタンモデル。
無限遠ロックは同社のSummicron M35mm F2 1st、通称8枚玉と同様の機構がつきます。
また、フィルターを使いたい場合は旧型の分割できる12504フードにシリーズ7のフィルターを入れる必要があります。
詳しくは金曜フードショーをご覧ください。
※仕様変更があり、現在新品で販売されている12504は分割することができないため、フィルターと併用できませんのでご注意ください。
手持ちのドミプランやヘリアー、今まで試してきたキノプラズマートやズマールで癖玉に対する耐性がついてきた筆者ですが、ライカきっての癖玉はどのような描写を見せてくれるのでしょうか。
まずは一枚。
うーん、想像していたより普通に写ります・・・
周辺減光が強めですが、年代を鑑みれば妥当な範囲でしょう。
ボケた部分全体と、ピントピークに滲みがあります。ピークは解像した上から滲み処理をかけたようでなんだか不思議な描写です。
F4くらいまで絞ると一気にパキパキとした印象に変わります。
これくらい写ってくれるのなら普段使いも可能です。普段は絞って、たまに開放で遊ぶのも良いでしょう。
光が回り込んでいます。
良い感じです。こういうところが”癖玉”なのでしょうか。
滲みを伴った非常に美しい描写です。
癖玉だなんだと言われてもやはりライカ、”癖のある良い写り”を提供してくれます。
縦構図でも一枚。
やっとこのレンズの使いどころが分かってきたような気がします。
なるべく湿度が高い環境下、例えば水辺や雨上がりなどで使用してあげるとしっとりとした描写がハマってくれるように思います。
サムネイルにも使用した一枚。
右上の崩れた描写と滝の滲み・飛沫と木漏れ日、描写とロケーションが合致し今回最も気に入った一枚になりました。
最後は盛大に出たゴーストと共に。
敢えてゴーストを出し、ふんわりとした描写や周辺の流れと一緒に少し古い雰囲気を出しました。
今回はライカきっての癖玉、Summilux M35mm F1.4 2ndとお送りしました。
癖玉だなんだと言ってもライカの銘玉、滲み方も周辺減光も上品さを持った良いレンズだと感じました。