
【Leica】雨天にて、D-LUX8と共に街を歩く
春の訪れもそろそろ…という時に何故か不安定な天候が続くようです。
なかなか傘を持ちながら撮影するのも腰が重く、かといってそこまで肩の力を入れずに撮影したい…
そんな時に役立つのはやはりコンパクトカメラ。
今回はこちら、Leica D-LUX8。
昨年の夏に発売されたこのモデル。コンパクトカメラというカテゴリ自体で発売されているカメラも少なく、
主にハイエンドのAPS-Cセンサーと単焦点レンズを搭載したモデルが非常に人気の傾向です。
その中でも本機は珍しいズームレンズ搭載型。35mm判換算で24~75mm相当と標準的に必要な焦点距離をカバーしています。
センサーも4/3型CMOSセンサーと少し大きく1,700万画素と不自由のない性能です。
本来であれば4:3のフォーマットであるものの、やはり慣れ親しんだ3:2で撮影をしたいところ。
D-LUX8はレンズ鏡胴の上部に撮影フォーマットの切り替えスイッチがあり、瞬時に好みのアスペクト比に切り替え可能です。
3:2になると約1,620万画素になります。
傘を持ちながら撮影するとどうしても近くに寄るというのも少し大変です。
そんな時にズームレンズなら片手で操作して撮影できる利点が大きく働きます。
勿論手ブレ補正も搭載している為、ある程度の状況なら不便なく撮影可能です。
桜の開花の季節という事や週末も重なり目黒川は非常に賑わっていました。丁度この日は七分咲き。
歩くなかでカメラを持って撮影している方も非常に多く、春の賑わいを感じられます。
非常に人も多く、以前よりも撮影や通行の規制がしっかりと行われるように。
よく目にする目黒川の桜の写真も、撮影できるスポットが限られ橋に立て看板も見られました。
例年、出店も多く川沿いの店舗も桜に合わせてディスプレイが用意されています。
中には店の中が全部桜にデコレーションされている店もあり、天気も相まって大盛況でした。
撮影日は気温も真冬並みに低下し、夕方に差し掛かると冬に戻ったような寒さ。
こんな時はサッとスマートに撮影したい…という欲求にD-LUX8はしっかりと答えてくれます。何せ片手で簡単に撮影できるのです。
センサーサイズから見てボケ味というのは果たしてどんなもんなのか?やはり気になるところです。
本機のレンズは f1.7-2.8との記載でワイド端でF1.7、以降少しずつF値が大きくなり、50mm以降はF2.8になります。
基本はしっかり寄って撮影すればボケは感じられ、むしろコンパクトカメラとしては非常に健闘しています。
細かい水滴の情報がしっかりと写し撮られています。使っていてD-LUX8は少しQシリーズの色使いを感じさせる印象です。
少し暗めに撮影するとその片鱗が少し伺えます。金属の撮影等元々Leicaは得意なイメージでこのD-LUX8にもしっかりと
受け継がれているのが分かります。
こちらは夜景モードで撮影した1枚。手ブレ補正のおかげでこのような写真も簡単に撮影できます。
拡大するとやはり限界を感じはしますが、パッと見ではそこまで気になりません。
夜になるとAF補助光が光ってしまいどうしても気になるところですが、設定を探しても何故か見つからない…
実はメインメニューでフォーカス→MFアシストを選択するとAF補助光という項目があります。
何故MFアシストにあるのだろうか…?という疑問もあるものの、もし「補助光が切れない!」とお悩みの方はこちらで設定できます。
少しアンダーに撮影するとやはり味が深まります。撮影していると所々にLeicaのエッセンスを感じる事ができ、
使っていて写りも非常に好みです。夜間の撮影でもノイズとディテールのバランスがしっかり保たれています。
コンパクトカメラはどうしても高感度撮影というハードルが常に付きまとう中で、こちらもかなり健闘しているといえます。
かなり意地悪な作例です。少しシャドー部分を持ち上げている為どうしてもカラーノイズはあるものの、
例えばモノクロ撮影に切り替える事や編集によってノイズを低減させるなどの工夫でしっかり補える範囲に抑えられています。
使っているとなかなかデータにもムラがあり、全然パッとしないような写りのものもあれば突然驚くような写りがあったり。
無理に撮影すると非常にベタっとした写真になり、しっかりハマると2枚目のようにとても上品な写真が現れます。
使って1日ではどのような条件で写真に違いが出るのかは分かりませんでした…ただこの感じ、CCD機のM型を思い出す感覚です。
M8やM9も条件によっては全くパッとしない写真が出てきたり、突然ホームランのように驚くべき写真が出てきました。
D-LUX8もそんな性格が少しある気がしてしまい、使っていくとどんどん引き込まれる何かがあるのです。
カメラという道具において、最も重要な要素の1つに「いつでもどこでも持ち出せる事」を私は考えています。
スマートフォンも勿論あるのでカメラを持ち出さなくとも、撮影はできてしまう時代。
それでもやはりカメラを持って撮影するという事は他人にどう思われても、自分自身の中で何か大切な瞬間の時に使うのではないでしょうか。
D-LUX8は瞬間を逃さない為に必要な道具の条件を備えています。
高級なボディの質感もさることながら、EVFも改良され視認性が高まりました。
「Mini-Q」と発売当初は言われてたものですが、意外にもこの愛称はしっかりD-LUX8の特徴を捉えたものかもしれません。
メイン機としてもサブ機としても、撮影の目的次第ではどちらにも対応してくれます。
所有欲の高さは共に写真へのモチベーションとしても大切なポイントです。近年包装やボディ素材等で高級感を押し出す事は
なかなかコンパクト機では難しい時代とはなっていますが、このD-LUX8はしっかりとその手応えを感じさせる逸品です。
晴天時に撮影された作例もこちらにあります。是非ご覧下さい!