【Nikon】単焦点に夢中 ~ NIKKOR Z 85mm F1.8 S編 ~
レンズには画角を変更できるズームレンズと決まった画角で固定化されている単焦点レンズが存在します。
それぞれメリットとデメリットがあり、レンズ交換式カメラを使用するユーザーにとってのレンズを選ぶ際の最初の選択肢です。
今回は今スタッフが夢中になっている単焦点レンズを全3回にわたりご紹介します。
最後にご紹介するのは『Nikon』の『NIKKOR Z 85mm F1.8 S』です。
ボケの美しさを追求した大口径中望遠単焦点レンズで、2019年9月と比較的初期に登場しました。
AF駆動系にマルチフォーカス方式を採用したことで収差を大幅に抑制し優れた結像性能を実現。開放絞りからシャープなピント面が得られるので、ボケとあいまって被写体の存在感が際立ちます。
最短撮影距離は撮像面から0.8m、近寄れない時や程よい距離感で撮影に集中したい時にはちょうどいいかと思います。ドライフラワーの中央あたりにピントを合わせていますが、前後のボケもとても綺麗です。
中望遠レンズはポートレート撮影にうってつけではありますが、筆者はスナップ撮影に使用することが多いです。
出かけた先のその時々で気に入ったものをクローズアップして切り取りたい、そんな思いに存分に応えてくれるレンズだと感じています。
穏やかな室内灯をかすかに照り返す古いアンティーク時計の雰囲気、後から見返してもその場面を思い出しますし、たとえ忘れていたとしても感じさせてくれるものがあります。
こちらも開放絞りでの撮影ですが、けして明るいとはいえない室内ながら繊細なテーブルクロスを精細に描写してくれています。
窓から差し込む穏やかな日差しを感じさせるガラスの花瓶、存分にボケつつ静謐な空間を演出してくれます。
花のような貝殻のような室内灯はあたたかみのある明るさでどこか懐かしい雰囲気です。
ちなみにナノクリスタルコートの採用と光学設計での配慮により、ゴーストやフレアを効果的に抑制してくれるので、例えば画角内に太陽などの強い光源が入るシーンでもクリアーな画像が得られます。
こちらはおそらくラタンのテーブルセットでしょうか、ガラスのテーブル面と合わさって光を取り込むサンルームで爽やかさを感じさせます。
自宅にこんな贅沢な空間があればと思わず夢想してしまいました。
最寄り駅周辺では毎月第3土曜日の7時から骨董市が開催されているのですが、このアンティークな天使像を見て思わずその骨董市を思い出しました。いつも骨董市を横目にそのうち見に行きたいと考えつつ出勤しているので、今度こそ骨董市をぶらぶらと見に行って掘り出し物と出会ってみたいものです。
また別のサンルームではちょうど眩しいほどの日差しが差し込んでいました。
艶々と輝く木製の床に光が反射していて夏を感じさせてくれます。
ピント面から遠ざかるにつれてなだらかに変化する美しいボケと、シャープに描写された被写体の立体感は目をみはるものがあります。
布の質感まで伝わってくるような描写なので、実際には触っていないのですが手で触った感触まで想像できるほどです。
今回はすべて室内での撮影ですがこのレンズは埃や水滴の侵入を防ぐシーリングをレンズ鏡筒の可動部分をはじめとして随所に施された防塵防滴に配慮した設計となっています。ちょっとした天候の変化なら安心して撮影を続行できるレンズです。また幅広なコントロールリングは[絞り値][露出補正]のいずれかを割り当て可能となっており、レンズフードを逆向きに装着している時でもコントロールリングを操作することができます。
木目の美しさと装飾が際立つ木製のイス。
ピント面のシャープな描写やなめらかなボケはもちろん好きではあるのですが、どこに着目して撮影しているのか撮影者の意図を反映してくれる点、クローズアップすることで何気ない被写体でも何かしら想像する余地がある点が筆者を夢中にさせてくれるのかもしれないと感じました。
次回からは、今スタッフが夢中になっている高倍率ズームレンズをご紹介いたします!
お楽しみに!