2024年4月、新年度スタートのランキングです。
3月中頃まで暖かい日が続いていたのが嘘のように冷え込み、桜の開花が当初の予想よりかなりずれ込むことになりました。
おかげで満開の桜の下で入社式や入学式を迎えた方も多かったことでしょう。
そして月末には待ちに待ったゴールデンウィークが。それらに合わせてカメラを新調された方も多かったのでは。
貴方の新しい相棒は、今回のランキングに入っていますか?
『FUJIFILM X-T5』が新年度最初の1位を獲得しました。発売月である2022年11月以来の1位獲得です。
月末の発売であったにもかかわらず、発売月は2位以下に圧倒的大差をつけての首位でした。
ところが翌12月、この月発売のCanon EOS R6 Mark IIに大差をつけられ2位に甘んじると、その後は返り咲くことなくここまできてしまっていました。
毎月のランキングをご覧の方ならよくご存知のことでしょう。発売当初からその高い人気もあり、生産が追い付かない状況になっていました。
そしてついには2023年10月、メーカーから受注停止の告知が出る事態に。現在は受注を再開していますが、まだ完全に供給が安定しているとは言い難いところです。
それでも並みいる強豪を抑えての首位獲得。長い苦境に苦しんだこのカメラが、いかに高い人気を保ち続け支持されてきたのかを示す結果となりました。
キットレンズとして人気の高かったフジノン XF18-55mm F2.8-4 R LM OISが生産完了に。それに伴いX-T5もレンズキットの生産が完了となりました。
新たな展開が予想されるなか、今までの分を取り戻すような活躍に期待しましょう。
2位には僅かな差を挟み『Nikon Z f』。
2024年2月に発売月以来4か月ぶりの首位返り咲きを果たしたZ fですが、その後はX100VI、そして今回のX-T5とFUJIFILM勢に首位を譲ってしまう結果に。
とはいえ、2023年10月発売ながら昨年2023年度の年間ランキングで2位を獲得した大人気機種。現在は供給も安定していますし、今年度も上位にランキングされ続けることは容易に予想できます。
3位には上位2機にちょっと差を開けられましたが、『Sony α7C II』が入りました。
こちらも2023年度ランキングで3位に入った人気機種。発売翌月の2023年11月から2024年1月まで3ヶ月連続1位を獲得していました。
α7シリーズのスタンダードモデルとしてロングセラーを続けるα7IVが、最近は中古購入に流れが移りつつあるなか、新たにSONY勢を引っ張る存在となっています。
メーカーから常に安定した供給があるというのも強みの一つです。
さてそのSONY勢、続く4位に『VLOGCAM ZV-E10』、同数5位に『α7IV』、7位に『α7RV』と10位以内に計4機種を入れてきました。
相変わらずメーカーとしての強さを誇っています。
ここのところ常連となっている3機種に対し、注目は4位のVLOGCAM ZV-E10。
新品部門でのランクインは、2023年8月の8位以来となります。
発売は2021年9月ですから約2年半前、発売月は圧倒的大差で初登場1位を獲得しています。
昨今ムービーカメラも様々な機種が登場し、カメラファンの間でも広く浸透しています。
このVLOGCAM ZV-E10も、ムービーカメラの認知度を高めることに大いに貢献した1台です。
ただそれらの類は発売当初は爆発的に売れるものの、欲しい方にある程度行き渡るとそれ以上の伸びが表れない傾向にありました。
それが今回久々の、それも上位でのランクイン。
桜のシーズン、さらにはその後に控えるゴールデンウィークが要因の一つと考えられるでしょうか。
8位に入った『DJI Osmo Pocket 3』もそうですが、旅行先で手軽にそれでいて高画質で動画撮影が出来る点は、行楽シーズンのお伴とするのにぴったりです。
この後夏に向けて、さらに需要が伸びる可能性も秘めています。
同数5位のα7IVは、中古部門でも4位にランクイン。
先に述べたように中古購入に傾きつつある機体ですが、メーカーお得意のキャッシュバックキャンペーンが実施されていました。新品・中古の価格差が極めて少なく、その場で安く購入されたい方以外は新品購入を検討される方が多くいました。(キャンペーンは5月7日まで。)
7位のα7RVもキャンペーン対象機種。5万円のバックは大きな魅力です。
また、昨今の為替事情もあり、メニュー画面が日本語表記のみにもかかわらずご購入されていく外国からのお客様が増えていることは「2023年度 新品・中古デジタルカメラ人気ランキング」でもご紹介しました。
α7IVと同数の5位に『Canon EOS R6 Mark II』が入りました。
Canon勢で孤軍奮闘中と言い続けてかなりの時間になります。新型機の登場を心待ちにしている方も多いことでしょう。
8位にはDJI Osmo Pocket 3。前回はランク外でしたが、再びランクインを果たしました。
VLOGCAM ZV-E10と同様、取り回しの良いムービーカメラ。先に述べたように、今後順位を上げる可能性ありです。
前回3月と同じ9位の『OM SYSTEM OM-1 Mark II』。
まだ発売3カ月目、下位に沈んでしまうのがちょっと早い印象です。
マイクロフォーサーズ機の新型機として、もっと注目を集めて欲しいところ。新機能や性能の向上が今一つアピールしきれていないようにも感じます。
「2023年度 新品・中古デジタルカメラ人気ランキング」で堂々1位を獲得したNikon Z8が、今回10位となりました。
税込販売価格50万円を超える機体が年度1位を獲ったということを大きく報じさせていただきました。
5ヶ月遅れで登場したZ fが発売後しばらく供給不足に陥っている時も上位をキープし頑張っていましたが、Z fの供給が安定しだすと、さすがに価格差もあってか順位が入れ替わるようになりました。
Z fが好調なだけに、今後も10位以内をキープできるかは難しいところか。
新品部門最後にランク外も取り上げておきましょう。
12位にCanon PowerShot SX740 HSが入りました。なんと2018年8月発売、販売価格6万円弱のコンパクトカメラです。
質量約299gながら、35mm判換算で24mmから960mm相当の光学40倍ズームを有し、4K(30p/25p)の高精細な動画撮影も可能。
旅行先などに気軽に持っていけ、あらゆるシーンを記録できる点は行楽シーズンの今にもってこいのカメラといえます。
当ランキングでは高画質高性能、ゆえに高価格帯のコンパクトカメラがよく登場します。その一方で時折、今回のようにエントリークラスのコンパクトカメラの名もあがるのですが、なぜか店頭でのお問い合わせはほとんどなくネット経由の販売が主となっています。
最近はスマートフォンに押され、すっかり影が薄くなってしまった感もあるエントリーモデルのコンパクトカメラですが、行楽シーズンの伏兵として10位以内への進出もあり得るでしょうか。
中古デジカメ4月ランキング |
1位 |
SONY |
α7III |
ミラーレス一眼カメラ |
2位 |
Nikon |
Z fc |
ミラーレス一眼カメラ |
3位 |
SONY |
α7C |
ミラーレス一眼カメラ |
4位 |
SONY |
α7IV |
ミラーレス一眼カメラ |
5位 |
Nikon |
Z5 |
ミラーレス一眼カメラ |
5位 |
SONY |
α6400 |
ミラーレス一眼カメラ |
7位 |
SONY |
α7RIII |
ミラーレス一眼カメラ |
8位 |
OM SYSTEM |
OM-1 |
ミラーレス一眼カメラ |
9位 |
SONY |
α7II |
ミラーレス一眼カメラ |
10位 |
RICOH |
GR III |
コンパクトデジタルカメラ |
新年度の中古ランキング、1位を獲得したのはおなじみ『SONY α7III』。年度をまたいで3ヶ月連続です。
そろそろ次世代機α7IVにその座を譲ってもよい気がしますが、キャッシュバックキャンペーン期間中は、α7IVはどうしても新品購入に流れてしまって順位を伸ばしきれません。
キャンペーンの終了した次回以降どうなるか。α7IIIの5期連続年度1位があるのかは、それを見てから考えてみましょう。
SONYはそのほかに、3位『α7C』、4位『α7IV』、同数5位に『α6400』、続く7位に『α7RIII』、そして今回さらに9位に『α7II』という顔ぶれ、実に6機種をランクインさせました。
2024年2月にはα7IIを除く5機種が、今回と同じ順番でなんと1位から5位までを独占するという驚愕の事態もありました。
それもあって2023年度の年度ランキングでは、α7III・α7IV・α7C・α7RIIIのフルサイズ4機種が10位以内に入り、SONYの圧倒的強さを見せつける結果に。
SONY、とりわけα7シリーズのこの強さは今後も長く続きそうです。
それぞれが新品の頃から大変な数売れていました。新型機が出るたびにお買い替えも多く、結果として中古商品数もみな潤沢となっています。
自分のニーズに合わせて、性能面からも価格からも実に選び放題というわけです。
例えばα7II。2014年12月の発売ですから9年以上経過したモデルですが、約2430万画素で光学式5軸手ブレ補正機構内蔵とフルサイズ機入門用としては十二分の性能を有しています。それが10万円を切る価格ですから、本当に手にしやすい機体といえます。
そこからα7III、α7IVとステップアップしても良いですし、高画素機α7Rシリーズに乗り換えることも可能。
一度SONYを手にしたら、そのまま長くユーザーでいられるという図式が出来上がっています。この牙城を崩すのは並大抵のことではなさそうです。
今回、そのSONYの強固な形勢に割って入ったのがNikon。
『Z fc』が2位、『Z5』が同数5位に入りました。
Z fcは先の年度ランキングでも5位に入っています。
特にZ f発売後、ランキング上位に名を連ねることも多くなりました。
ただSONY機のように中古商品数が常に潤沢というわけではないので、今後の動向も予測が難しいところです。
Z5は、年度ランキングでは12位でしたが、年度の後半によく月間ランキングに名があがるようになりました。こちらもZ fやZ8の影響が大きいと思われます。
8位に『OM SYSTEM OM-1』が入りました。
OM-1 Mark IIが新品ランキングで早くも失速気味とお伝えしました。
OM-1も前回中古ランキングで2位と躍進しましたが、今回は8位に沈んでしまいました。
中古商品数は豊富なので、OM-1 Mark IIがもっと注目を受ければ、こちらも再び順位が上がると思うのですが…
10位は『RICOH GR III』。
前回の月間ランキングでお伝えしたように、GR IIIxとともにシリーズの受注停止状態が続いています。
結果、中古も品薄に。
メーカーの受注受付が再開され供給が安定しない限り、苦しい戦いが続くことでしょう。
新年度になっても、中古ランキングでのSONYの強さは継続中です。
それに続くのはNikon。新品部門でのZ fの好調が良い影響を与えています。
ランク外ですが12位にZ6II、13位にZ6なども控えています。
そして今回、10位以内には入れませんでしたが、僅差の11位にFUJIFILM X-T4がきました。X-H2も15位に。
X-T5のメーカーからの供給が増えたことにより買い替えが進み、中古商品数が増えたものと思われます。
今後X-T5の供給が安定すれば、FUJIFILM勢も中古部門で勢いを取り戻せるか。
長らく低迷が続いているCanonも新型機が登場すれば…
新年度も始まったばかり。多くのメーカーが競い合う熱いランキングを期待しましょう。