2023年4月のランキングをお伝えします。2023年度の幕開けでもあります。
今回1位を獲得したのは、『SONY α7IV』。2022年9月以来7ヶ月ぶりの首位返り咲きです。
先月掲載しました2022年度(2022年4月~2023年3月)の新品ランキングをご覧になった方ならご存知だと思いますが、α7IVは圧倒的な強さで年度ランキング1位を獲得しました。
しかしこれは年度の前半が好調だったからで、後半10月以降は各メーカーから続々と登場した新型機の後塵を拝する形でランキング下位に定着してしまっていました。
それが今回、それまでの雪辱を果たすかのような1位復活。
大きな要因として、2月下旬から続いていたメーカーキャッシュバックキャンペーンの終了が挙げられます。
5月8日で終了となったキャンペーンですが、その間新品・中古の価格差はかなり狭まりました。
3月中は弊社の大規模な中古決算セールなどもあり選択が2分されましたが、終了が近づくにつれ新品の需要が大きくなりました。
それまでのところ新品・中古の販売数は拮抗、もしくは中古の方が上回っている状況でしたが、今回は新品が3倍以上の差をつける販売数でした。
ただキャンペーンの終了した次回以降、ここまで販売数を伸ばすのは難しいでしょう。はたしてどんな位置に付けるか、注目です。
僅かな差でしたが、α7IVの1位復活を許してしまった2位『Canon EOS R6 Mark II』。これで3ヶ月連続の2位です。
2月は話題の新型機Panasonic LUMIX S5IIに、3月は待望のブラックモデル登場のNikon Zfcに、そして今回キャッシュバックキャンペーンの強力な後押しがあったα7IVに首位を譲りましたが、それでも2位をキープし続ける人気ぶりはさすがです。その人気はなんと自社の新型機をも抑えてしまいました…
3位に『Canon EOS R8』、4月14日発売の注目機でしたが…
有効画素数最大約2420万画素フルサイズCMOSセンサーと、映像エンジン「DIGIC X」を搭載。上位機種であるEOS R6 Mark IIの高い基本性能を継承しながら、重量にしておよそ200gの軽量化を実現しています。
店頭で手にされた方も、本当にフルサイズ機?! と驚かれるくらいのサイズ感。
価格的にもEOS R6 Mark IIより10万円以上安価な設定と、十分話題になりそうな感じなのですが。
兄貴分EOS R6 Mark IIやAPS-Cサイズセンサー搭載のEOS R7登場の時のような圧倒的なデビューには至りませんでした。
弟分ということで言えば、EOS R7の弟分EOS R10も2022年7月発売開始時EOS R7に次いで初登場3位でした。
共通するのは上位機種が強力な手ブレ補正機構を搭載しているのに対し、EOS R8・EOS R10ともに非搭載。
特にフルサイズセンサー機は動画撮影のニーズもより高く、その際手ブレ補正機構非搭載というのはかなりマイナスイメージに働いてしまう模様です。
店頭でEOS R8をご購入される方の間でも、動画撮影機能はあまり必要としないという方が多かったようです。
そのへんの住み分けが上手く進み、小型軽量そして安価という利点がより評価されていくか、今後のランキングの動向を見守っていきましょう。
4位は『FUJIFILM X-S10』、相変わらずの「お取り寄せ」状態が続いています。
前回同様まとまった数の入荷があっての上位入りですが、まだまだお待ちの方が大勢いる状況で、ご予約いただいてから長期の時間を必要としています。
新年度に入ってFUJIFILMの苦境は収まるどころか、より深刻化している模様。
2月に続き今回も、人気機種X-T5がランキングから姿を消してしまいました。
まだ2022年11月の発売から5ヶ月ほどしか経っていないにもかかわらずです。
本来ならその人気ぶりから、翌月発売のEOS R6 Mark IIと激しいつばぜり合いをしていてもおかしくないだけに残念です。
5位に『Nikon Z9』。2022年度年間ランキングでも上位4位に入ったフラッグシップ機ですが、ここまでNikonの命運を一手に担っている感があります。
4月21日発売の『SONY VLOGCAM ZV-E1』が初登場6位に入りました。
「VLOGCAM」という聞きなれない名を冠して初代VLOGCAM ZV-1が登場したのが2020年6月。
それから3年弱で、この動画撮影に特化したVLOGCAMシリーズはすっかり人々の間に定着した感があります。
今回のVLOGCAM ZV-E1は、約1210万画素のフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーを搭載したレンズ交換式カメラ。3年の間に驚くほどに進化した様々な動画撮影性能をそのコンパクトなボディに詰め込んだシリーズ最上位機種です。
ただ、初登場6位というのは少し地味な印象を受けてしまいます。
先述のVLOGCAM ZV-1の発売は、なんとも衝撃的でした。圧倒的大差をつけて初登場1位を獲得すると、そのまま3ヶ月連続1位という高い人気を誇りました。
続くVLOGCAM ZV-E10が発売されたのは2021年9月。APS-Cサイズセンサー搭載レンズ交換式となった機体も初登場1位を獲得しました。
それが今回は初登場6位。やはり最上位機種として今までよりかなり価格が高額になったことも影響しているのでしょう。
ですが、その分ご購入される層がよりハイアマチュア化しているようです。これまでは動画撮影にこれから取り組んでみようという方やライトユーザーのご購入が目立ったのですが、今回の機体では動画撮影をお仕事にされている方や静止画撮影よりその比重が高い方の購入が際立っています。
また過去の2機種は、その販売数のわりに店頭でのご購入は少なくインターネットでの購入が圧倒的比率を占めていましたが、今回は店頭でご購入される方の割合が増加している模様です。動画撮影がこの3年でいかにカメラユーザーに浸透したかがうかがい知れます。
ちなみに、ランク外ですが11位にVLOGCAM ZV-E10がきました。
今回のVLOGCAM ZV-E1登場により、再び関心が高まっているのは明らかです。
昨年12月(4位)以来のランキング復活まであと一歩、次回が楽しみです。
続いて7位『GR III』、8位『GR IIIx』とRICOHの人気コンパクトカメラ2機種が並びました。
GR IIIは2019年3月の発売ですから、本当に息の長いロングセラー機と言えます。後ほど述べますが、中古ランキングでも好位置につけました。このところ目に見えて増加した外国人観光客の方にも人気なようです。
ただ両機ともまだ供給が安定しない状況が続いています。定期的に予約数を上回る台数の入荷があるのですが、十分とは言えずすぐに「お取り寄せ」状態になってしまっているのが現状です。
同数9位に『SONY α7RV』と『Nikon Z fc』が入りました。
Z fcは前回、待望のブラックモデル登場により劇的な1位カムバックを成し遂げましたが、1ヶ月で失速。欲しかった方の手にはすべて行き渡ってしまったか…
次回もランキングに残れるか見守っていきましょう。
中古デジカメ4月ランキング |
1位 |
SONY |
α7III |
ミラーレス一眼カメラ |
2位 |
RICOH |
GR III |
コンパクトデジタルカメラ |
3位 |
FUJIFILM |
X-T4 |
ミラーレス一眼カメラ |
4位 |
SONY |
α7C |
ミラーレス一眼カメラ |
5位 |
SONY |
α6400 |
ミラーレス一眼カメラ |
6位 |
FUJIFILM |
X-S10 |
ミラーレス一眼カメラ |
7位 |
Canon |
EOS RP |
ミラーレス一眼カメラ |
8位 |
Canon |
EOS R6 |
ミラーレス一眼カメラ |
9位 |
SONY |
α7IV |
ミラーレス一眼カメラ |
9位 |
Canon |
X-T3 |
ミラーレス一眼カメラ |
2022年度ランキングで年度1位を獲得した『SONY α7III』が、今回月間ランキングでも1位に返り咲き。2022年9月以来となり、そんなに間が開いてしまったのかとちょっと意外な感じもします。
それまでは1位が当たり前と思えるくらい圧倒的な強さを誇っていたα7IIIですが、10月以降は同じSONYのα7Cやα6400の他、Canon R6やFUJIFILM X-T4といった新型機登場により中古商品数の激増した機種にその座を奪われてしまいました。
そうこうするうちに次のα7IVも中古ランキングに顔を出すようになり、気がつけばα7IIIを上回る順位につけるようになっていました。
このまま世代交代かとも思われた中での今回の復活1位。とはいえ、圧倒的というものではなく2位以下との差は極めて僅差です。
同じSONYの中でも、店頭SONYフロアのスタッフに聞く限りではα7IIIが圧倒的人気というわけではないようです。
4位に入った『α7C』は、一時期中古在庫がなくなってしまうほどでした。中古商品数がα7III同様に潤沢であれば、その上をいっていたかもしれません。
購入時α7IIIと比較される方も多く、より軽いα7Cを選ぶ方も多かったようです。
5位の『α6400』も軽量・コンパクトな点が高評価につながっている機体です。
前回この中古ランキングで初めての1位を獲得し、少なからず驚きました。ですがその際多く売れてしまい、こちらも商品数が減ってしまった結果、今回順位を落とすこととなりました。
同数9位の『α7IV』に関しては新品ランキングでご紹介した通り、今回はメーカーのキャッシュバックキャンペーン終了間際ということで新品の購入に流れてしまった結果の9位。おそらく次回以降また上位に上がってくることでしょう。
順位を戻します。2位に『RICOH GR III』。
こちらも新品ランキングで紹介しましたが、中古ランキングではなんと2位まで急上昇。1位とはハナ差といったところでした。
価格差が小さいこともあり、新品が在庫している時はまず新品から売れていき、新品が「取り寄せ」になると、ご予約されるより中古を買われていく方が多い傾向にあるとのこと。
長く待つことができない外国人観光客の方は当然ですが、日本のお客様にもこの傾向が強いそうです。
とにかく早く使いたい! それこそ買ってそのまま撮影に持っていきたい! そう思わせるカメラなようです。
3位に『FUJIFILM X-T4』。2022年11月X-T5が発売になった後、翌月からずっとランキング上位に居続けています。
X-T5がなかなか手に入らないことも影響しているか。
FUJIFILMはその他6位に『X-S10』、同数9位に『X-T3』の計3機種をランキングに入れてきました。
機種こそ違えど、昨年12月以降3機種ランクインが続きます。ただこれを好調と喜んで良いものか… 複雑な心境です。
7位に『EOS RP』、次いで8位『EOS R6』とCanon勢はこのところ下位に沈んでいる印象です。
しかしこちらの場合は、FUJIFILMと逆に新製品や新品に購入が流れている影響もある模様。
一時期中古ランキング上位にいたEOS R6は、新品特価などもあり価格差が少なくなったため新品で購入される方が一定数いたようです。
と、ランキング10位までの解説はここまでですが、最後に一つ。
これまでなんとかランキングに踏みとどまってきた一眼レフ機が、今回遂に名を消してしまいました。
先日掲載した2022年度中古ランキングの中で、Canon EOS 5D Mark IVが年度11位となり、惜しくも10位以内を逃してしまったことをご紹介しました。その際、月間ランキングでもこの先いつ10位以内から姿を消してもおかしくないとは解説しましたが、それがこんなに早く来てしまうとは…
しかし、この人気ランキング、特に中古ランキングの変動の大きさは皆様もご存知のことかと。
今後再び一眼レフ機が10位以内にカムバックする可能性も消えたわけではありません。淡い期待をもって待つこととしましょう。
さて、新年度のスタートとなる2023年4月のランキングはいかがでしたか。
新年度をそれまでとは異なる新しい環境で迎えた方も多くいらっしゃることでしょう。新しい日々を記録する新たな相棒は決まりましたか?
風薫る5月なんて言いますが、美しい新緑を撮影するのにもっと高精細なカメラが必要なのでは?
こんなカメラやあんなカメラ、皆様の多様な要求に応えてくれる最高の1台を是非このランキングを参考に選んでみてください。
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