ソニーを愛し、ソニーに愛されたいスタッフが綴る「α Like」シリーズ。
「なぜ、貴方は山に登るのですか?」という問いに対して「そこに山があるから」と答えた。
イギリスの登山家、ジョージ・マロリー氏の逸話として語り継がれている、あまりにも有名な言葉です。
山は人生と同じ。目の前にあるから一歩一歩登っていくことが大事なんだ…という解釈もできますが、史実では
「なぜエベレストに登ろうとしているのでしょうか?」という記者の質問に「Because it’s there(そこにあるから)」と答えたそうです。
つまり、エベレストという凄い山があるのだから、登りたくなるのは当然だろう?とおっしゃっているのですね。素敵です。
登りたくなる山、エベレスト。
ならば、撮りたくなるレンズといえば?無論「アポランター」です。
今回の使用機材は
・カメラ
SONY α7RIV
・レンズ
Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical
山を登るときにカメラを携帯する、というのは一長一短です。
なるべく荷物は少なくしたいものの、素晴らしい眺望からの絶景はできるだけ綺麗に撮っておきたいもの。
スマートフォンのカメラ機能が高性能化したことで、カメラも必要!という方は少ないのかもしれませんが
アポランターの写りを味わってしまったらそんな思いも吹き飛んでしまいます。
35mmは準広角、あるいは標準くらいの画角という風に感じます。
自分の見ている景色に近いため感じ取った山の壮大さをそのまま切り取ることが出来ます。
山岳地帯では標高に守られた植物たちがお出迎えしてくれます。
頂上から強く吹き下ろす風に耐えるように身を固めているのでしょうか。強固な意志が樹皮から伝わってきます。
コントラストの高いアポランターの画が、その風合いをしっかり捉えていますね。
岩肌のごつごつ感、草木と空のコントラスト。この景色が見れただけでも、標高2600mの世界へ来てよかったと思えます。
これから紅葉の季節が来て、そして白銀の冬を迎える。四季折々に色づく山の姿は、それぞれに登山客の目を喜ばせてくれます。
山付近には神社仏閣がよくあるので、併せて立ち寄ることが多いです。
ここでも「あ、このシャドウの空気感をアポランターで撮りたい」と思いカメラを構えます。
マニュアルフォーカスは一枚を撮るのにやや時間がかかります。しかし、その行程が自分の撮る写真を愛しく思わせてくれるのです。
「こういう写真を撮るから、機材はこういうのが必要だ」と普段は機材選びをしますが、たまにはレンズ主導もいいものです。
「このレンズなら、きっとこんな風に写してくれるんだろうな」というワクワク感をじっくり愉しむ。そんな贅沢が詰まっています。
追い求めるもの。突き動かされるもの。なぜ、写真を撮るのか。「そこにアポランターがあるから。」
それでは、次の「α Like」でお会いしましょう。