SONY α7R + Voigtlander VM-E Close Focus-Adapter + LEICA Summaron L28mm/f5.6 Red Scale
SONY-E BODY × LEICA-L LENS
ボディ:SONY α7R
マウントアダプター:Voigtlander VM-E Close Focus-Adapter
レンズ:LEICA Summaron L28mm/f5.6 Red Scale
「ライカの28mmで、好きなレンズは?」そう聞かれたなら貴方は何と答えるだろうか。主観的だが、個人的には1930年代のヘクトールや、その後継とも言えるズマロンの名前を挙げたい。
これらのレンズは開放F値6.3と5.6と決して明るいレンズというわけではない。更に広角のスーパーアンギュロン21mmがシュナイダー社のOEM供給であった事も考えると、当時広角レンズを作ることがいかに困難であったかを想像することが出来る。
これらは逆説的に捉えれば、困難を跳ね除けて作り上げた、技術の結集の成果とも言え、その高い精巧さこそが暗くても好きなレンズに挙がる所以だ。
そこで今回はそんなズマロンの28mmを用いて撮影を行いたい。テーマは“接写”。発売以来人気の高いフォクトレンダーのクローズフォーカスアダプターを使ってLマウント広角のマクロ撮影に挑戦した。
SONY α7R + Voigtlander VM-E Close Focus Adapter + LEICA Summaron L28mm/f5.6 Red Scale
2枚目の百合をご覧いただきたい、本来は最短撮影距離1mのこちらのレンズだが、こちらは25cm程まで寄ることが出来た。いきなりの驚愕の数値に心が躍るが、肝心の描写も悪くはない。周辺には光量落ちが見られ、全体的に柔らかいが、ピントを合わせた雌しべはしっかりと解像してくれている。その広い画角も相まって、妖艶な花の姿を雄大に残すことが出来た。
SONY α7R + Voigtlander VM-E Close Focus Adapter + LEICA Summaron L28mm/f5.6 Red Scale
SONY α7R + Voigtlander VM-E Close Focus Adapter + LEICA Summaron L28mm/f5.6 Red Scale
彩度はおとなしく、コントラストも低い。これぞオールドレンズといった描写をお求めの方にはうってつけの1本だろう。
主張が少なく、狙った通りに扱うことが出来るので、思いのままの撮影が可能だ。
SONY α7R + Voigtlander VM-E Close Focus Adapter + LEICA Summaron L28mm/f5.6 Red Scale
SONY α7R + Voigtlander VM-E Close Focus Adapter + LEICA Summaron L28mm/f5.6 Red Scale
引き続きこちらも、“いかにもオールドレンズ”といった様相。 これだけならば現行のライカで撮影しても変わらないが、今回重要なのは、その撮影距離。こちらも30cmを切る接写で臨んだ1枚だ。
やや渦を巻いた後ボケ、低いコントラストと彩度、柔らかなと描写と、オールドレンズを好む人々が聞いたら思わずにやけてしまう内容を一通り網羅しているが、アダプターの効果で“寄り”までも手にすることが出来、もはや敵なしだと言ったら言い過ぎだろうか。
小さなシルエットも相まって、常時カメラに付けておきたいとまで思える、そんな1本だ。
Photo By MAP CAMERA Staff