2015年2月にコーワのマイクロフォーサーズ単焦点レンズ「KOWA PROMINAR 25mm F1.8」が発売となった。PROMINAR 25mm F1.8は、35mm判換算約50mmの標準レンズとなる。35mm判の一般的な50mmレンズとの大きな違いは、最短撮影距離25cmの「寄れる標準レンズ」である点だ。
そして開放F値F1.8の明るさによる大きなボケと、円形絞りにこだわった光学系も見逃せない。ピント合わせはマニュアルフォーカス、露出は絞りリングによる実絞り測光となる。ピントリングは指掛かりの良い形状をしており、適度なトルク感のある滑らかな回転のおかげで最短撮影距離付近でもしっかりと微調整が可能だ。
KOWA PROMINAR 25mm F1.8は細部までしっかりと描写する解像感がある。ポートレート撮影やテーブルフォト、ペットの撮影など、主役をしっかりと設定できるシチュエーションならこのレンズで存分に撮影が楽しめるだろう。
絞り開放でも収差が少なくピントのヤマがハッキリとしている。ライブビュー表示でもピント合わせが簡単なのはこの光学設計の良さだ。さらにピント位置のキレのある描写が立体感を強調してくれる。
これだけの解像感にも関わらずボケには柔らかさがある。特に動画撮影時には絞りによる画質の変化が少ない点がこのレンズの魅力と感じた。
細部の描写が素晴らしく、その質感を手で触ってみたくなるようなリアリティーがある。金属部分の光沢やボケに色収差が出ない点にも驚いた。とにかくデジタル的な「後処理」なしで光学設計だけでこの画質が得られるのが素晴らしい。
色のり、コントラストはカメラの設定で自由自在にコントロールできるが、KOWA PROMINAR 25mm F1.8は高いレンズ性能で様々な入力要求をしっかりと満たしてくれる。全く破綻することなく期待した結果を残せるまさにプロ用と言っていいレンズだ。
ピント位置の解像感と前ボケの色収差のなさに驚いた。実は色収差が出るだろうという思惑のある意地悪なシチュエーションの撮影だったのだが、見事に立体的に2つの円を収めることができた。
KOWA PROMINAR 25mm F1.8は、天候に関係無くスナップ撮影が楽しめた。使っていてじわりじわり効いてくるのはこの焦点距離にも関わらず25cmまで寄れる点だ。おかげでストレスなく被写体を狙ったとおりに撮ることができた。
桜が咲くシーズンや紅葉のシーズンにはKOWA PROMINAR 25mm F1.8でどんな写真が撮れるのか楽しみとなった。
KOWA PROMINAR 25mm F1.8は「ありのまま」を写せるレンズだ。これは当たり前のことだが、レンズ性能が好ましくない場合はデジタルによる後処理が必要となる。ところがKOWA PROMINAR 25mm F1.8は撮ったそのままのクオリティーが高く、ゆえに妥協が要らないプレミアムなレンズといえる。
Photo by MAP CAMERA Staff