35mmフルサイズ対応の大口径広角ズームレンズ「AT-X 16-28 F2.8 PRO FX」は、持った時の質感が良いです。トキナーPROレンズの伝統となりつつある、マニュアルフォーカス切替のワンタッチフォーカスクラッチ機構も搭載。今ではフルタイムマニュアルが主流となりつつある中、スライド操作は少々面倒に感じますが、その分マニュアルに移行した時のフォーカスリングの適度な重さが、非常に扱いやすく感じました。オートフォーカス機能も優秀で機敏に反応してくれます。低速ギアが組み込まれたというサイレントドライブモーターは、その低速ギア独自の重さみたいな物を感じる事がありますが、その分力強さも感じ、不思議な安心感がありました。
広角レンズのウイークポイントと言えば、光源の影響を受けやすい事と周辺光量の低下などが上げられますが、それらの部分の対応にもぬかりないと感じました。フィルターが装着できないというデメリットはありましたが、前面に飛び出した新開発のレンズ群とマルチコートが周辺まで高いコントラストを維持しています。太陽光を配置した写真でも分かるように、ゴーストやフレアもよく抑えられているのではないでしょうか。
広角レンズは接写して得られる遠近感も楽しいもの。このレンズも28cmまでの接写が可能で、大口径F2.8と合わせて広角レンズながら美しいボケ味を楽しむ事ができます。
高級感ある作りと高い光学性能から、純正レンズに負けない高性能ぶりを感じます。さらに高価なイメージの高い大口径広角ズームレンズの中で約7万円という価格は大きな魅力で、まさにコストパフォーマンスの高いレンズと言えましょう。
室内撮影や風景写真などでどんどん使いたくなるレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:Nikon D700 +Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX