大口径標準ズーム、かつ手ブレ補正。実現すれば撮影範囲のグッと広がるこの2つのレンズスペックですが、今回35mm版フルサイズ対応のズームレンズとして初めてこの2つを実現したレンズが登場しました。『TAMRON SP 24-70mmF2.8 Di VC USD』タムロンレンズブランドの中ではハイクラス・ラインとなるSPシリーズのレンズとしてリリースされた本レンズ。2.8通しのF値と24~70mmというスペック。そしてタムロン伝統のVC手ブレ補正と簡易防滴構造まで備えた豪華なスペックとあり、期待してしまうのがその描写力です。
広角端、まずは24mmの描写から。前評判どおりの非常に高い解像感です。花の花弁まで細い線で描いてくれ、良好な描写。後ろボケも変にクセが無く、安心して使える印象です。
開放での少し意地悪な被写体、45mm付近の描写ですがここまで写ってくれれば文句の無いもの。ピントの合ったビル、下の樹木の葉なども綺麗に描写。反射光の強い条件でしたが、逆光にも強い印象です。
やはり2.8通しのズームレンズ、被写体の立体感はぜひとも感じたいものです。開放から解像力が高いので、立体感もしっかり。花弁も柔らかく、拡大しても1枚1枚描き分けています。
望遠端70mm、少し暗い室内での撮影でしたが手持ちでもしっかりピントを掴む事ができました。手ブレの目立ちやすい近接域では、特に開放の明るさとVC機能の恩恵を感じます。明るく、かつ手ブレ補正。また1つ、これまで撮れなかった写真を撮れるレンズが発売になったと言うことでしょうか。写真を見ているとこのレンズの素性のよさはしっかり伺えるもの、ちょっと贅沢すぎる様なスペックでこの価格とは、かなりリーズナブルに思えます。
フォーカスは素晴らしく早いとは言えませんが、静粛で十分なスピードで働いてくれます。1点気をつけたい点としては、広角域で開放撮影を行うと上の写真の様に、若干の周辺減光が出てくる点。広角らしいダイナミックさは嫌な印象ではありませんが、平板な被写体を撮影する上では、少々注意が必要です。
ズームレンズもついにここまで来たか、そういう印象を持つレンズです。手ブレ補正のついた2.8通しズーム。描写も良く、値段も抑えられたこのレンズ、「1本つけっぱなし」でも本当に様々なシチュエーションに対応可能でしょう。興味をもたれた方はぜひ一度触れてみて下さい。この便利さ、実感していただけるものと思います!
Photo by MAP CAMERA Staff