レフレックスレンズ、もしくはミラーレンズ。レンズの鏡筒内に鏡を用い、光を反射させる事によって短い全長で焦点距離を稼いだレンズです。今回の『Tokina Reflex 300mm』もその焦点距離を考えると驚くほどコンパクト。鏡筒の仕上げも素晴らしく高級感があり、フーカスの滑らかさなどはさすがにこだわりを持って仕上げられている1本です。
ではその描写は? ピント面はかなりシャープで立ち上がりも良く、マニュアルフォーカスでもピント面を捉える事は難しくありません。少々曇った天候不順の中での撮影でも、ここまで写れば良いものでしょう!ちなみにこの観覧車、1km近く離れた距離からの撮影でしたが全体を納める事は出来ませんでした。換算600mmの焦点距離はさながら望遠鏡の様な倍率で、捉える世界も驚くべきものです。
このレンズのもう1つの特徴はその最短撮影距離の短さ。なんと80cmまでの近接が可能なのですから驚くばかり。もちろん、紙一枚の様なピント面の薄さを楽しむ事が出来ます。手ぶれ、被写体ぶれに気をつけると、その独特のボケ味も相まってこのレンズならではの写真が撮れる事でしょう。
かなり遠方の被写体でも、しっかりとピントを合わせる事は必要です。特に遠距離ではピントの回転角も少ないので慎重に。レンズやカメラを壁などにあてがうと、しっかり保持する事が可能です。
この後ろの、リングのようなボケが通称”リングボケ”。ミラーによって光軸が一部遮られ、こうした特徴のあるボケになります。 高輝度部に分かりやすく発生するので、作画に利用するとミラーレンズならではの撮影が出来ます。
前後を問わず生ずるボケですが、ペンキの飛び散った跡を撮ってもこの通り。ミラーレス機のエフェクト機能と組み合わせると、面白い写真になりそうですね。
船体や鎖のどっしりとした鉄の感じも良く出ています。
こうして撮影してみると、ここまでしっかりしたミラーレンズがこの値段で購入できるというのは素直に驚きです。最短の短さや軽量さなどを考えると、いつもの機材に加える事で、グッと撮影が楽しくなるレンズ。独特な世界を持つスパイスとして、ぜひ1本いかがでしょうか?
Photo by MAP CAMERA Staff