FUJIFUILMからXマウントレンズ初となる防塵防滴ズームレンズ『XF18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR』が発売となりました。
広角27mm相当から望遠206mm相当までの広い撮影領域をカバーし、世界最高5.0段の手ブレ補正も内蔵している本レンズ。 X-T1に装着することで防塵防滴かつ合計重量が1kgに満たない組み合わせとなり、フィールドでの取り回しが抜群に良いカメラシステムとなります。
しかし取り回しの良さだけではなく、やはり高倍率ズームということで写りも気になるところ。新たなXFレンズの実力はいかがなものか、早速試写へ赴きました。
静かで素早いAFなので、飛び回るアゲハチョウが花に留った瞬間を撮影することができました。
花とアゲハチョウに合っているピント面の解像力もかなり高く、細かなところまで描写しています。
日陰での撮影のため高感度撮影となりました。F3.5−5.6という決して明るいレンズではありませんが高感度に強いX-T1と組み合わせることで、どんなシチュエーションでも撮影ができ、イメージ通りの写真を作ることができるレンズです。
まずレンズを手に取って金属鏡胴のしっかりとした感触とズームリングを回したときのトルクのある感触に信頼感が湧きます。 これは防塵防滴レンズの気密性かもしれませんが、スカスカと頼りない感じが一切なく、まるでマニュアルレンズのヘリコイドを回しているようなしっとりと重い感触です。そして手振れ補正の効きの良さにも驚きました。テレ側へズームを伸ばしファインダーを覗いても像がピタリと止まり、どんな状況でも写真を撮ることができると撮影者を思わせる強力な補正機能です。
続いて描写性能ですが、高倍率ズームとは思えない性能と言えばいいでしょうか、ピント面の緻密な解像力と滑らかなボケ味。高コントラストとヌケの良さも相まって植物などの被写体を生き生きと写し出してくれます。絞り開放から高い解像力ですが、絞り込んでも画が固くなりすぎず被写体の質感がしっかりと残る味付けはさすがFUJINONレンズと思わせる説得力のある描写力です。
マクロレンズのように寄れる訳ではありませんが、あと一歩近づきたいと思うような近接撮影は十分にカバーできます。
流れ落ちる水を1/4000で撮影。水しぶきを顔やカメラに当てながらの撮影でしたが防塵防滴の本レンズなら心配無用です。
カッチリとした被写体もシャープに表現してくれます。シャドウ部の粘りと階調も良好です。
高倍率ズームは利便性がメインのように受け取られがちですが、本レンズは利便性、描写性能、付加機能(手振れ補正・防塵防滴)を全てを満たし、撮影者を満足させてくれる1本でした。
レンズを選ぶ上で開放値の明るさを気にされる方も多いと思いますが、本レンズが写し出してくれる写真はとても美しく、一度撮影してみると「F3.5-5.6のズームレンズ」というイメージを驚きと共に変えてくれるはずです。 そして今回使用したX-T1との組み合わせは、今までのXシリーズより格段に撮影フィールドを広げてくれるカメラシステムに進化しました。 XF18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WRはこれからのXシリーズの可能性と未来を感じさせてくれる1本でした。
Photo by MAP CAMERA Staff