高性能なレンズが揃うFUJIFILMのXシリーズ。その中で広角域をカバーする単焦点レンズがこのXF14mm F2.8 Rです。
35mm判換算で約21mm相当の画角になる本レンズは開放F2.8という明るさを持ちながらフィルター径58mmのコンパクトな設計の広角レンズ。外観デザインも品良く作られていて、クラシックレンズを思わせるような少しくびれのついたフォルムをしているのも特徴です。
発売から1年半が過ぎ、ユーザーからの評価が非常に高い本レンズ。 どのように世界を切り取ってくれるか撮影に出かけてみました。
最短撮影距離は18cmから。若葉の透明感など奇麗に写し出されています。被写体へ近づけば強調するものと背景を一緒に写し込む事ができ、標準や望遠画角では得られない構図の撮影が可能です。
開放から安心して使える高い描写力に加え、広角レンズのウィークポイントである周辺部の流れ・減光なども非常に押さえられたレンズです。
また、使用してみると本レンズの操作のしやすさ、そしてレンズの作り込みも感心してしまいます。
ピントリングを手前に引っ張ると瞬時にAFからMFの切り替えができるギミックが施されており、それと同時に隠れていた距離表示の目盛りが出てきます。 MF時のヘリコイドの重さもしっとりと重く、レンズに緻密に刻印された距離表示などカメラ好きの心をそそる作りになっています。
ノーファインダー撮影でもこの距離表示は活躍してくれることでしょう。
夜間に絞り開放での撮影です。ヌケもよくピント面である無限遠域での解像力も非常に高いです。
グレーなど中間色の階調表現も奇麗に表現できます。撮影した写真は極端な歪みを感じる事も無く自然なパース感が出ています。建築写真などにもおすすめできるレンズです。
35判換算21mm相当となる本レンズ。一眼レフレンズではあまり馴染みのない画角ですが、LeicaのSUPER ANGULONやZeissのBiogonなどレンジファインダー用レンズとしては広角レンズ伝統の画角でもあります。
約90度の画角で切り取る世界は人の目で見ているような気持ちのいいワイド感が得られる焦点距離レンズで、サイズも小型なのでパンフォーカスの特性を生かしたスナップ撮影に最適だと感じました。
描写性能も操作感も完成度の高いXF14mmは全てのXマウントユーザーにおすすめをしたい1本です。
Photo by MAP CAMERA Staff