絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:100 / 使用機材:Canon 5D MkIII + Canon EF70-200mm F2.8L IS II USM
プロ・アマチュア問わずカメラマンから高い評価を得ているCanonのEFレンズ。その中でも限られたレンズにだけ与えられている特別なカラーリングのレンズがあります。 通称『白レンズ』と呼ばれる白塗装の望遠レンズ。おそらく多くの方がスポーツの国際大会の会場でずらりと白レンズが並ぶ光景をメディアなどで見たことがあるのではないでしょうか。
今回はその白レンズの中でも人気が高い『EF70-200mm F2.8L IS II USM』のご紹介です。 2010年春に登場した本レンズは発売から4年が経過した今でも最高クラスの性能を誇る望遠ズームレンズです。Canonユーザー憧れである本レンズを携え早速試写へ出かけました。
この日は休日ということもあり、大勢の子供たちが飛び立つ飛行機をみて歓声を上げていました。
このカットは雰囲気が伝わるように少しだけ絞り撮影しました。写真をイメージしボケ味を自在にコントロールできるのも大口径望遠レンズの醍醐味です。
梅雨明けの直前の撮影だったのですが、空には夏の雲が立ち上っていました。
すこし白っぽく霞のかかった天気だったのですが、非常にヌケの良い本レンズのおかげで小さく写った飛行機までクリアに描写しています。
ハイライトとシャドウが複雑に混ざる難しい撮影シーンでも、白トビ・黒潰れせず解像しています。
一眼レフユーザーにとって非常に注目度の高い『70-200mmのF2.8通しズーム』。本レンズはその存在に求められる描写性能を高い次元で実現されており、使用してすぐに分かるその違いに「さすがCanon」という印象を受けました。
撮影した画を確認すると解像力・コントラスト・ヌケのよさ・ボケ味などが絶妙なバランスで、人が感覚的に美しいと思う写真を写し出してくれます。
次に操作系ですが、大柄に感じた最初の印象も使用していると手になじみ、想像以上に取り回しのいいことに気づかされます。そしてピタリと止まる手振れ補正の性能と安定感に驚きました。望遠レンズということもあり手ブレにはシビアにならざるをえないのですが、強力な手ブレ補正機能のおかげでサッと構えてすぐにシャッターを切るスナップ撮影もサクサクとこなしてくれます。「望遠レンズはこう使うべき」という縛りから開放させてくれる本レンズは撮影シーンを選ばず撮影者の意図にしっかりと応えてくれることでしょう。
この写真もハイライトとシャドウが混ざる難しいシーンです。暗部の粘り、金属と浮かび上がるサビの質感表現も見事です。
警戒心の強い野生の鵜。驚かせないようにそろりそろりと近づいて撮影しました。ピントが合っている羽の部分など緻密に写し出しています。
薄暗くなってから撮影した1枚。日が落ちて光のすくない条件でしたが観覧車の細かな鉄骨部分もこのレンズは捉えています。
使用した印象は存在感のある外観とは裏腹に非常に使いやすく繊細な描写をするレンズでした。
そして撮れる写真に失敗が少ないと言ったらいいでしょうか、撮影者の意図に忠実に応えてくれてくれるレンズだと感じました。 Canonは多種多様なカメラレンズをラインアップしていますが、その中でも注目度の高い本レンズ。使用していると作り手の意気込みがレンズを通して伝わってくるような気がします。 所有する喜びと撮影する喜びを両立する『EF70-200mm F2.8L IS II USM』。スポーツ・ネイチャー・スナップなどのシーンで写真表現の幅を広げてくれる1本です。
Photo by MAP CAMERA Staff