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382:『Canon EF16-35mm F2.8L III USM』

2016年10月19日

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:16mm / 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/250秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM

II型の発売から約10年、このレンズのモデルチェンジを待ち望んでいたEOSユーザーも多かったのではないでしょうか。今回のKasyapaは先日発売されたばかりの新レンズ『Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM』をご紹介します。

プロやハイアマチュアから絶大な支持を得ている『EF16-35mm F2.8L II USM』ですが、この10年というのはデジタル技術が大きく進歩し、カメラも大きく変わった10年でした。プロカメラマンの現場のみならず、一般ユーザーでも超高画素のデジタルカメラを使用する時代になり、近年はそれに対応した描写力を持つレンズも各メーカーから次々と登場しています。そして今回Canonから満を持して登場してきたのが大口径広角ズームレンズの大本命『EF16-35mm F2.8L III USM』です。特殊光学系などの素材を多数採用し、光学性能が飛躍的に向上したレンズへと生まれ変わったとの事。果たしてその描写性能はいかなるものなのか、実力を確かめるべく早速撮影に向かいました。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:20mm / 絞り:F4/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:200/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

港町を感じさせる海とカモメがイメージされたステンドグラス。写真は一段絞ったF4で撮影したのですが、隅に写る像の流れはほとんど感じられず、周辺減光も穏やかに感じられます。Canonにはキレのある描写で人気の『EF16-35mm F4L IS USM』というレンズがありますが、同じF値での周辺減光は『EF16-35mm F2.8L III USM』の方がアドバンテージがあるように感じます。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:35mm / 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:200/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

光を浴びて綺麗だった木の葉をテレ端35mmで開放撮影。超広角レンズとはいえ、F2.8の明るさを活かせば美しいボケ味も楽しめます。また、レンズの解像力も高いですね。線の描き方がより繊細になったと言ったらいいでしょうか、葉脈までしっかりと捉えてくれました。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:16mm / 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/640秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

高架下にてハイライトとシャドウのコントラストを意識して撮影したスナップ。16mmだと遠近感が増し、上部の高速道路が前に迫ってきそうな迫力を感じられます。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:28mm / 絞り:F4/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

川縁を歩くと多くのススキが風に揺れていました。その景色を眺める女性の後ろ姿を歩きざまにスナップした一枚。16-35mmという画角はふとした瞬間を切り撮るにはいい画角ですね。重量は約790gと軽量ではありませんが、使用した『EOS 5D Mark IV』とのバランスがとても良く、長時間持ち歩いても疲れを感じませんでした。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:34mm / 絞り:F4/ シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM

今回の『EF16-35mm F2.8L III USM』をカメラに取り付け、初めてファインダーを覗いた時「これは良く写りそうだな」と思わず声に出してしまいました。それはファインダー内の像が非常にクリアで明るく見え、歪みや周辺減光も感じないことがとても印象的だったのです。実際に撮影してみると先代の『EF16-35mm F2.8L II USM』よりも開放から画にキレがあり、写真の隅々まで歪みやコマ収差を感じさせない優秀な描写力なのがわかります。約10年ぶりのモデルチェンジということですが、その違いは非常に大きいですね。昨年登場した5000万画素機だけでなく、これからの次世代機も見据えた大口径広角ズームレンズと言って良いでしょう。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:16mm / 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

F5.6まで絞れば広角端である16mmの全域で高解像度の写真を撮ることができます。拡大していただくと更にわかりますが、見切れている船や文字も全く滲みを感じません。『EF16-35mm F2.8L III USM』の高い実力をうかがわせる一枚です。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:16mm / 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

もともと手洗いの水道が設置されていたオブジェの中から撮影した一枚。うっすらと雲のかかる空模様だったのですが、右側中央あたりに太陽が逆光で輝いているのがわかると思います。『EF16-35mm F2.8L III USM』は新コーティングであるASCとSWCを同時に採用したことで非常に強い逆光耐性を持つレンズです。これが従来レンズでしたらフレアやゴーストが発生していたかもしれませんね。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:16mm / 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

植物を俯瞰からノーファインダー撮影。超広角は寄っても引いてもインパクトのある写真が撮れますね。ズームレンズとは思えない描写力を見せてくれますから様々な撮影シーンに対応できる1本です。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:29mm / 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

木の立体感や細い葉の描写が素晴らしいですね。そしてこの写真がF2.8の開放撮影ということにも驚きます。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:22mm / 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/400秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

金属網のように装飾された建物の外壁。これもすごいですね、写真左奥の模様が認識できないところまで『EF16-35mm F2.8L III USM』は描写しています。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM 焦点距離:16mm / 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/100秒 / ISO:200/ 使用機材:Canon (キヤノン) EOS 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

最後のカットは解像力ではなく、地下通路の印象的な写真で。望遠域はトリミングすることでレンズ画角以上の表現をすることも可能ですが、超広角域は超広角レンズでないと表現できない写真があります。今まで『EF16-35mm F2.8L II USM』を使用してきた方はもちろんですが、これから広角ズームを買いたいと思っている方にもオススメしたい1本です。

Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM

『EF16-35mm F2.8L III USM』は非常に完成度の高い1本でした。Canonからは多くの広角ズームレンズが発売されていますが、その中でも描写・明るさ・画角・性能のトータルバランスがもっとも優れているレンズと言えます。また従来レンズのネガであった周辺の像の流れと滲み、逆光耐性について徹底的に改善してきたと感じました。広角レンズを良く使う風景写真やネイチャー撮影はもちろんですが、周辺のコマ収差が気になりやすい天体撮影や、照明の強い光を逆光で拾いやすいライブ撮影など、今までプロカメラマンたちが「もっと良くなってくれれば」と思っていた不満点をクリアにしてきています。

そして何より、現在のCanonが持つ光学技術を詰め込んだ『これからの時代を見据えた広角ズーム』という感じがしました。派手な新技術などはありませんが、描写力に関して本気で作り込んできたな、とメーカーの気迫のようなものを感じることのできるレンズです。ぜひ『EF16-35mm F2.8L III USM』と共に素晴らしい新しい写真を撮って欲しいですね。きっと本レンズにしか撮れない超広角の世界があるはずです。

Photo by MAP CAMERA Staff

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