使用機材:FUJIFILM GFX 50R + フジノン GF45mm F2.8 R WR
FUJIFILM GFX 50R
次々と注目度の高いミラーレス機が発表される昨今、改めて自身が所有しているカメラシステムを見直されている方も多いのではないでしょうか。巷の話題がフルサイズミラーレスを中心に騒がれている中、フジフイルムは35mmフルサイズより大きなセンサーを搭載したGFXシリーズの新製品を登場させてきました。今回のKasyapaは2018年11月29日に発売される新製品『FUJIFILM GFX 50R』をご紹介いたします。
昨年発売されたGFX 50Sは、三脚に据えて撮影をするフォトスタジオや風景写真を想定して作られたのに対し、今回のGFX 50Rはスナップにも使える中判デジタルカメラとして開発されました。その形はX-Eシリーズにも似たEVFファインダー内蔵のレンジファインダースタイル。画質やタフネスさなどの基本性能はGFX 50Sを踏襲しつつも145gも軽量に作られています。以前KasyapaにてGFX 50Sを撮影し、Xシリーズユーザーである筆者が感じたGFX 50Rの魅力を写真を通してお伝えできればと思います。
まず『FUJIFILM GFX 50R』を使用して感じたのは、こんなにも簡単に中判画質の写真が撮れてしまうのかということ。操作は現行のXシリーズとほとんど同じように使用することができ、シャッターを切るまでの一連の動作を迷わず行うことができます。カメラを構えた感じは、見た目の通り“大きなX-E3”を使用しているような感覚。グリップは浅めですが背面に右手親指が掛かる凹凸があり、大柄なGFレンズを装着しても指がするりと抜ける感じはありません。1kgを超えるような大型・重量級レンズを使うのならばグリップを深く握れるGFX 50Sの方が向いていると思いますが、『GF45mm F2.8 R WR』や『GF63mm F2.8 R WR』、開発発表された『GF50mm F3.5 R LM WR』ならば、本機の機動力を活かして軽快に撮影することができるはずです。
使用機材:FUJIFILM GFX 50R + フジノン GF45mm F2.8 R WR
撮れる画作りは5140万画素の中判センサーとフジフイルム独自の色表現が相まって「最高」の一言。信じられないかもしれませんが、今回の『FUJIFILM GFX 50R』の撮影した写真は全てJPEGで記録したものです。今やフルサイズセンサーも4000万画素を超える高画素機が登場していますが、GFX 50Rの画質を見てしまうと「やはり中判センサーの表現力は素晴らしいな」と感じてしまいました。
使用機材:FUJIFILM GFX 50R + フジノン GF45mm F2.8 R WR / 撮影フォーマット:65:24
甦る、65:24フォーマット。
かつてフジフイルムから『TX-1』『TX-2』というレンジファインダー式フィルムカメラが発売されていました。このカメラの特徴は35×24mmのフィルム面を2枚横並びにしたような、65×24mmのフルパノラマ撮影ができることです。OEMで作られたXPANも含めフィルムカメラでは唯一無二のフォーマットで、高画質のパノラマ撮影ができる事から今もなお多くの写真愛好家が愛用している名機でもあります。
その65:24フォーマットがデジタルに変わり、兄弟機のGFX 50Sに初めて採用されたのですが、やはりこの65:24はレンジファインダースタイルでスナップしたいもの。密かにGFX 50Rが発表されてからずっと使いたいと考えていた機能でした。
使用機材:FUJIFILM GFX 50R + フジノン GF45mm F2.8 R WR / 保存フォーマット:65:24
見慣れた16:9の比率よりもさらに広い65:24の画像サイズはとても新鮮味があり、本当に楽しく撮影ができました。Xシリーズのセンサーでは縦を切りすぎるため採用されず、GFX 50Sではカメラのキャラクターの違いもあってなかなか使用しないフォーマットでしたが、このGFX 50Rなら往年のTXシリーズのように65:24をスナップで活かすことができます。これから本機を手にする方にぜひオススメしたい機能の一つです。
いつでも気軽に使える最高画質。
今までの中判デジタルカメラは、大きなボディに大きなレンズ、カメラがブレないように持っていく大型三脚、そして100万円コースになる機材コストなど、それなりの覚悟を持って臨まないといけないカメラでした。もちろんその結果得られる画質は本当に素晴らしいものですが、中判カメラの魅力はそれだけではありません。かつてのGW680やマミヤ7IIのように気軽に持ち運べて中判画質をスナップで楽しめる、そんな中判デジタルカメラが今回の『FUJIFILM GFX 50R』です。
軽快ながら撮れる画質はGFX 50S譲りの最高画質。内蔵されている369万ドットの電子ビューファインダーは光学ファインダーのようにクリアで高精細。背面液晶はタッチパネルに対応した236万ドットの最新モニター。これほどの性能と装備を持ちながら価格が従来機より20万円近く抑えられていることにも驚きです。
様々な高画素・高画質ミラーレス機が登場していますが、あと一歩手を伸ばせば中判デジタルカメラに手が届く、そんな機種が登場してきました。写真画質にこだわるのなら、ぜひ本機も検討していただきたいものです。このカメラがあなたの写真人生を変えてくれる一台になってくれるかもしれません。
Photo by MAP CAMERA Staff