NikonNIKKOR Z 20mm F1.8 S
今回はニコンの『NIKKOR Z 20mm F1.8 S』をご紹介します。近接から星景まで、撮影距離を問わず高い解像力を誇るこの大口径広角単焦点レンズ。風景だけでなくスナップなどにもオールマイティに活躍しそうです。
広い画角の当レンズはAPS-Cセンサー搭載のZ50に装着しても30mm相当の広角レンズとして楽しむことができます。よりスナップ撮影向きの画角になることで、自然とシャッター回数も増えていくでしょう。
ナノクリスタルコート採用で逆光に強いこちらのレンズをさっそく装着。どんな写真が撮れるのか期待を胸に、街に出かけました。
公園を歩いていると、白い霧状のものが横切りました。なにかと思い風上を見やると、野球場でユニフォームを着た人が水を撒いていました。その様子を手前にユキヤナギを入れて撮影。春めいた景色を捉えました。
苔生す木の枝に目が留まり、足を止めます。立派な苔を大きく写そうと、APS-C機であるZ50に付け替えてクローズアップ撮影。サヤゴケの特徴である雌苞葉が目の前にあるかのようにリアルに写りました。
1枚目の写真を撮った高台にあるベンチ。正直ここまで登ってくるのに疲れていましたが、ベンチと壁に木の影が落ちている様子が美しく、一瞬疲れを忘れて見とれます。シャッターを切ったあとはベンチに腰をおろし、持っていた水筒の水をひとくち飲み一息ついたのでした。
クローズアップの写真をもう一枚。こちらは桜の花です。ピントが合ったしべ先がキリリと写る一方で、後ろでは脇役たちがまさに花を添えています。当レンズはどの撮影距離でも描写が精細です。
古民家の門戸の裏側に回り込み、門戸越しに庭を撮影。差し込む光芒を主役に絵を決めると、まるで昔話の世界に迷い込んだかのよう。
薄暗い古民家の戸口から中を覗くと、ひんやりした土間にかまどが設置されていました。奥にある農耕具を眺めつつ、昔の人の暮らしに思いを馳せます。
小型ボディに高性能を凝縮
最初にこのレンズを手にしたとき、正直、単焦点レンズにしては長い鏡筒だなと感じました。しかしながら使ってみると、当レンズにはそれを凌ぐ魅力が隠されていたのです。中でも近距離撮影におけるAF性能が素晴らしい。当レンズの特長は撮影距離を問わない解像力の高さであり、近接撮影でストレスなくピント合わせができることは、その特徴を活かすのに適した機構なのだとわかりました。少し絞った際のカリッとした描写、滑らかなボケもよかったです。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff