『Tokina atx-m 23mm F1.4』はAPS-Cの特徴を活かし設計されたレンズです。atx-mの「m」はmotif(動機・創作行為)を指し、「ユーザーが創作行為を掻き立てられる」よう願いが込められています。この度23mmと33mmが同時発売されたうち、本記事では23mmを特集します。35mm換算で35mm相当と使いやすい焦点距離。スナップ、風景、ポートレートなどでよく使われます。またF1.4と明るく、それでいて276gと軽く携帯性に優れることから、様々な場面で活躍することが期待されます。そんな『Tokina atx-m 23mm F1.4』を『FUJIFILM X-T4』と組み合わせて撮影してきました。
美しい夕日をVelviaで撮影。水彩画のような絶妙なグラデーションに包まれる対岸の工場のシルエットがどこか非現実的で、ファンタジーの世界に迷い込んだような気分に。
太陽と観覧車のゴンドラが並んでいたのでグッと寄り撮影。広角の部類のレンズにも関わらず、ふたつの主役をいずれも大きく写すことができました。太陽の周りには美しいフレアが出ています。これはお好きな方にはたまらないのではないでしょうか。
強い日差しを受け、観覧車の影ができていました。青空と南国風の木がリゾート気分を掻き立ててくれます。
誰もいない白い砂浜。砂にできた足跡はにぎやかで、まるではしゃぐ声が聞こえてくるかのよう。
編み込みのデザインのテーブルに陽が当たり、綺麗な影ができていました。
カフェのテラス席でランチ。木漏れ日の中、小鳥のさえずりを聞きながらガレットをいただきます。ボケ味もとても素直で綺麗です。
この春できるロープウェイのテスト走行を見かけたのでシャッターを切りました。ゴンドラが太陽の光を受けて輝く位置に来るのを狙います。
午後の日差しが壁に影絵を作り出します。まるで超望遠レンズを使ったときのように、遠くのものも近くのものも圧縮されてひとつの影絵になるのが面白いと感じました。
FUJIと相性抜群な軽量大口径
このレンズを一言で表すなら、フジフイルムのAPS-Cと相性が良いレンズということでしょう。柔らかで味わい深い描写はフィルムシミュレーションで作品作りをするユーザーにぴったりです。メーカーが示したコンセプトである「ユーザーが創作行為を掻き立てられる」をまさに体現したようなレンズでした。また標準レンズは50mmと言いますが、中には35mmこそが標準レンズであるという意見を持つ方もいらっしゃいます。当レンズは35mm換算で35mmに当たる23mm。実際にとても使いやすかったです。そしてAFスピードの速さも好印象でした。暗い場所にも行きましたが静かに迷わず合焦することができました。ぜひお手にとって創作活動をしてほしい一本です。
Photo by MAP CAMERA Staff