豪華な単焦点レンズラインナップと独自の”X-Trans CMOSセンサー”が描き出す描写力、そして使い勝手の良いボディバランスとデザインで人気の『FUJIFILM X』シリーズに、新しい仲間が登場しました。『FUJIFILM X-E2』。使い勝手とコンパクトさで好評の外観デザインはそのままに、新開発の第2世代”X-Trans CMOS IIセンサー”を搭載し、AF機構にもブラッシュアップが入るなど内面を大きく刷新したという期待の新機種。その描写力をレポートします!
まずは屋外、暗所ですが、フォーカススピードとその安定感はよりしっかりとした印象です。迷いが少なく、作動も素早いのでストレス無く撮影に臨めます。
そして、その深みのある質感描写は一級品のものでしょう。先代の『X-E1』でもその落ち着きのある描写に定評が有りましたが、新開発の”X-Trans CMOS IIセンサー”はさらに一段階、踏み込んだ高描写です。輝度差も激しい逆光の状態ですが、水面の反射や葉の重みまで感じる様な質感、そして色再現まで、ぐっと重みを感じさせる重厚な描写は大いに評価したいポイントです。
写真は撮っている人の気持ちに寄り添うもの、明るく華やかな写真を撮りたい時もあれば、重厚感のある暗く、しっとりとした写真を撮りたい時もあります。そんな撮影者の気持ちによりそったシチュエーションに、しっかりとついてきてくれるカメラである事。そんな所がこの『FUJIFILM X-E2』の大きな魅力になっているのではないでしょうか。
大きなボケは写真の中で、撮影者のまなざしを感じさせます。大口径単焦点と大きなイメージセンサーを搭載した『FUJIFILM X-E2』ならそんな写真を思いのままに撮影する事が出来ます。
ストリートスナップではフォーカススピードとボディの反応の良さがポイントになりますが、その即応性の早さもブラッシュアップされました。半押しからフォーカス、シャッターレリーズまでのタイムラグがグッと短くなった印象で、思った瞬間に合わせてシャッターを斬る事が出来ます。このコンマ何秒の違いが、撮影での快適さに大きく貢献しています。
色の再現や質感描写も美しいカメラを使っていると、撮影していてとても楽しい事は請け合いです。特にこの立体感なども、思わず嬉しくなってしまう描写です。
タイルに反射する光、その質感。良い描写です。
こうしたさりげない被写体でも、その品位の高さは感じて頂けるのではないでしょうか。
様々な光が交差する夜の街でも、色再現はとても優秀です。ホワイトバランス等も意図的に崩さなければ、その場に忠実な再現をしっかりとしてくれます。
外観の大きな違いは露出補正ダイアルの設定値が主で、大きな変更が有るものでは有りません。ただ今回は夜間や逆光での撮影が多かったので、この+.-1EVの差は大きく感じました。絶妙なポジションにある露出補正ダイアルは、撮影していても操作しやすく実に使い勝手が良いもの。絞りリングの操作とあいまって、Xシリーズの使いやすさの大きなポイントだと感じます。少々大柄なXFレンズ群とのボディバランスも良く、描写やレスポンスに関しても磨き上げられた『FUJIFILM X-E2』。気持ちに寄りそう、日々を写す大切な相棒になってくれる事でしょう!
Photo by MAP CAMERA Staff