使用機材:FUJIFILM (フジフイルム) X-T2 + XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR / フィルター:marumi (マルミ) DHG スーパーサーキュラーP.L.D 77mm
X-T2が動体に強いAFを搭載して登場してきた事により、このレンズの活躍の場も大きく広がったのではないでしょうか。今回のKasyapaはフジフイルムの超望遠ズームレンズ『FUJIFILM (フジフイルム) フジノン XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR』をご紹介します。
前モデルのX-T1が発売されてから、よりレンズシステムが一眼レフ寄りになった印象があるXシリーズ。本レンズは換算150〜600mmをカバーできる超望遠ズームレンズということもあり、Xシリーズの中ではもっとも大きく、そして重量のあるレンズになります。とはいえフルサイズ用レンズと比べれば約半分の重量で遥かに小型。5段分の手振れ補正も搭載していますから、手持ちで動く被写体を追いかけるのに最適な1本です。今回はX-T2のAFの実力も含め撮影してきましたので、ぜひご覧ください。
普段は標準単焦点でスナップばかり撮っている筆者なのですが、今回は無謀にも超望遠片手に初の航空祭です。お目当はなんと言っても『ブルーインパルス』!前方から迫ってくるブルーインパルスをX-T2のコンティニアンスAFは素早く捉え、高速連写で撮影していきます。いかがです?テレ端400mmでこの切れ味ですよ!?さすがフジノンレンズ、超望遠ズームレンズでもまったく妥協のない描写力に感動しました。そしてこの写真は3歳の息子を肩車しながら撮った事はナイショです。
使用機材:FUJIFILM (フジフイルム) X-T2 + XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR / フィルター:marumi (マルミ) DHG スーパーサーキュラーP.L.D 77mm
滑走路に停まる練習機「T−4」 の前を自衛官の列が行進していく瞬間をスナップ。こちらはワイド端である100mmで撮影しました。レッドドルフィンと呼ばれている赤いT-4の機体を見ていただくとわかりますが、ワイド端でも非常に解像力が高いですね。
使用機材:FUJIFILM (フジフイルム) X-T2 + XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR / フィルター:marumi (マルミ) DHG スーパーサーキュラーP.L.D 77mm
青天の空へスモークを出しながら昇っていく様子を撮影。初のブルーインパルスだったのですが、間近で見ると迫力とスピード感がすごいですね!今回はカメラのフィルムシミュレーションをVELVIAに設定し、レンズにはC-PLを付けて撮影しました。空の青とスモークの白のコントラストがハッキリと出て美しいです。そして遠くに小さく写る機体もクッキリと描写しているのがわかります。
使用機材:FUJIFILM (フジフイルム) X-T2 + XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR / フィルター:marumi (マルミ) DHG スーパーサーキュラーP.L.D 77mm
C-PLが少し強く効きすぎていますが、これはこれでとても気に入っている写真です。よく「レンズを振りまわして撮影」なんて表現を使ったりしますが、航空ショーの撮影はまさにその通りですね。同行した他のKasyapa担当者はフルサイズ用の500mm単玉で撮影していたのですが、その重さと大きさに途中で音を上げていました。その点からするとこの『FUJIFILM (フジフイルム) X-T2 + XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR』を含めたシステムは実に軽快。真上を飛んでいくブルーインパルスを身を反らしながら追いかけ、ズームリングを動かしながら画角を調整して撮影していきます。
使用機材:FUJIFILM (フジフイルム) X-T2 + XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR / フィルター:marumi (マルミ) DHG スーパーサーキュラーP.L.D 77mm
カメラ好きのマップカメラスタッフ達とフジフイルム機の話をしていて、一同意見が一致するのが「XFレンズの描写にハズレはない」ということ。その事は『FUJIFILM (フジフイルム) XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR』にも言えることで、ワイド側である100mmからテレ端である400mmまで全く描写に隙がありません。開放から非常に先鋭な解像性能を発揮し、ボケ味も優秀。目を見張るような解像感は中央だけでなく、写真の隅までフラットに続きます。
また、操作性やバランスもいいですね。超望遠とはいえフルサイズ用のように鏡筒が飛び出していませんから、重心が手元にあり、レンズを振っても重さをあまり感じません。ズームリングは少々重め。素早く伸縮させるのは難しいかもしれませんが、今回の航空祭の撮影ではむしろ「このくらいのトルク感が丁度いい」と感じたので、通常の撮影で不満を感じることはないでしょう。今まで様々なレンズを試してきましたが、これほど軽快で解像力の高い超望遠ズームは初めての経験です。
使用機材:FUJIFILM (フジフイルム) X-T2 + XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR
続いては撮影場所を動物園に変えてでのカット。昼間でも斜光がキツくなってきた今の季節は、光をどう捉えて被写体を撮るか難しい季節でもあります。まずは白フクロウをテレ端400mmでF5.6の開放撮影。このカットは今回の撮影の中で一番驚いた写真です。ぜひ白フクロウの口元をご覧ください「解像力が高いレンズだな」とは思っていましたが、まさか開放でここまで写っているとは思いませんでした。
使用機材:FUJIFILM (フジフイルム) X-T2 + XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR
色づき始めてきたイチョウの葉。え?マクロレンズで撮りました?と言いたくなるような精細な描写です。
使用機材:FUJIFILM (フジフイルム) X-T2 + XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR
ちょっと被写体ブレを起こしていますが、雰囲気のあるトラが撮れたので載せさせてもらいました。超望遠ズームは遠くの物を撮るだけでなく、被写体の魅力をぎゅっと圧縮させて表現することができます。
使用機材:FUJIFILM (フジフイルム) X-T2 + XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR / テレコンバーター XF1.4X TC WR 使用
斜光のコントラストがハゲワシの魅力を引き立てている一枚。この写真も解像力が高いのがわかるかと思いますが、なんと1.4倍のテレコンを使用してでのカット。その焦点距離は560mm(換算840mm)でしかも手持ち1/180秒です。写真がブレていないのは自分の腕がいいと言いたいところですが、本当は『XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR』の手振れ補正がとても優秀なためで、この焦点距離でファインダーを覗いてもユラリとも揺れない強力な手ぶれ補正に感動しました。
使用機材:FUJIFILM (フジフイルム) X-T2 + XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR
ハナミズキの葉でしょうか、周りの木々の中でももっとも紅葉していて、とても綺麗でした。近くでみるともっと枝振りが分かれているのですが、超望遠ならではの圧縮効果の力ですね、美しい紅葉だけフレームに切り取ることができました。
『FUJIFILM (フジフイルム) XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR』は文句のつけようがないくらい素晴らしい描写をするレンズでした。100万円クラスの超望遠ズームは別として、この手のズームレンズはワイド側の歪みが目立ったり、テレ端の解像力が少し甘くなったりするものですが、本レンズは全域で高い解像力を見せてくれます。またAPS-C用の設計ということでコンパクトでいいですね、感覚的にはフルサイズの70-200mm F2.8を付けている感じでこの焦点域にしては非常に軽快に撮影できました。
今回はボディにX-T2を使用したのも正解でしたね。従来のフジフイルム機とは比べ物にならないほどAFの追従性能が良くて、連写も超高速。『Xシリーズの常識を覆す最大325点の測距点と高速・高精度な動体撮影性能』とメーカーサイトでは謳っていますが、まさにそれを実体験する事ができました。超望遠レンズは「使う人」と「使わない人」と分けて考えがちですが、換算150mmからの望遠域を使う方でしたら絶対おすすめしたいレンズです。あまり肩に力を入れずに撮影ができるのに、撮れる写真は超高画質。『XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR』が新しい被写体や撮影にチャレンジさせてくれるはずです。
Photo by MAP CAMERA Staff