TAMRON24mm F2.8 DiIII OSD M1:2
もし旅行に1本だけレンズを持って行くとしたら、どれを選びますか。標準ズームレンズは定番かもしれませんし、小さくて軽いパンケーキレンズも魅力的でしょう。今回筆者が選んだのは、先日発売されたばかりの『TAMRON 24mm F2.8 DiIII OSD M1:2』。景色を収めるには広角がほしいですし、楽しい食事のテーブルフォトは最短撮影距離が短いものがよく、夜の撮影においては明るいレンズであることが必須、さらには持ち運びに便利であることは譲れません。一方で、フルサイズの高画質も妥協したくないという、筆者の希望はとてもわがままなものでした。
しかし、これらすべての条件を満たしてくれるのが、この『TAMRON 24mm F2.8 DiIII OSD M1:2』なのです。特に最短撮影距離が0.12mと大変短いことが、最も大きな選考理由のひとつでした。広角の場合、大きく写したければ寄ればいい。しかしながらそう言われても寄れないレンズが多いのが現実なのです。当レンズは鼻先5cmまで寄れますから、被写体を大迫力で写すことができます。そんな当レンズと共に、年末のシンガポールにリュックひとつで飛び出しました。
カトン地区にあるプラナカンハウス。カラフルなパステルカラーの外観が特徴です。色に目を奪われがちですが、花柄などの美しい装飾も見どころです。いろいろな文化が混ざったシンガポールらしい景色と言えるでしょう。建物を撮影する際に連なりや全体を納めることが出来る24㎜という画角は魅力的です。
現地に住む友人たちと合流しカレーを食べに連れて行ってもらいました。スパイシーな本格カレーに箸が進みます。いえ、正確には箸ではなく手が進みました。ここではカレーは右手で食べるのです。写真は開放F値2.8で細長い粒のライスに焦点を当て撮りました。
お皿はバナナの葉。バナナは一度実が生ると実以外は捨ててしまうのだそうです。それを捨てずに利用していると聞き再利用のとてもいいアイデアだと感心しました。
テイクアウトのお菓子屋さんを見つけて食べてみましたがシンガポールらしい独特の味がおいしかったです。F7.1まで絞りカラフルな店舗に様々な菓子が並んでいる様子をとらえました。
今回の旅の目的のひとつである有名なヨーヨーショップを訪問しました。壁一面に飾られたヨーヨーは様々な色があり、全体がグラデーションになるように美しく陳列されています。素材が金属のもの、プラスチックのものなどがありますが当レンズの解像力によって見事に質感が見て取れます。
シンガポールといえば、チキンライスが有名。筆者も今回の滞在中に3回食べました。チキンはテーブルに運ばれてくるときはスライスされていますが、厨房では切る前の状態で並んで吊るされています。
夜に表通りを歩いていると、色彩色豊かな装飾に出会いました。シンガポールは建築物のデザインが凝っていて綺麗ですが、その建物に飾られるディスプレーも美しく見逃せません。
空港に隣接する今年できたばかりの商業施設にある滝。青くライトアップされ幻想的です。シャッタースピードを色々変えて試してみましたが、2秒で撮ったものが水の帯を幻想的に表現してくれました。夜にはショータイムがありプロジェクションマッピングで彩られます。
引きも寄りも楽しめる万能レンズ
とにかく旅行に最適なレンズでした。筆者は旅行用機材に多くの要素を求めます。またとない経験を写すのですから携帯性や使い勝手のよさはもちろんのこと、高度な描写性能も必須だと考えるからです。
中でも特筆すべき性能が2つあります。ひとつは明るい広角レンズであること。夜に室内で友人たち30人ほどで集合写真を撮りましたが全員を納めることが出来ました。もし画角が狭くて写れない人がいたら、もし暗いレンズでノイジーな写りになってしまったら、せっかくのエクスペリエンスが台無しになっていたでしょう。
もうひとつ気に入ったのは、とことん寄れる性能です。おいしい料理や身近な笑顔を思う存分撮影することができました。大きく写したいと思ったものをその大きさで撮る──。それが当レンズならば可能なのです。
旅行に最適なレンズとは、他の用途においても幅広く活躍してくれるレンズです。ご旅行の多い年末年始にこそ多くのお客様におすすめさせていただきます。
Photo by MAP CAMERA Staff