ニコン新時代を担うフルサイズミラーレス機『Z 7』が発売されて早2年、遂にその後継機が発表されました。今回のKasyapaは発売前の『Z 7II』をいち早くレポートいたします。まず初めて実機に触れて感じたのは、よりカメラとしての完成度が高くなったということです。もともと堅牢に作られていたボディも金型から一新され、グリップもより深く握れるように変更されています。そして「Nikon」のロゴがあるペンタ部の形状は、面を一段増やすことで、よりニコン機らしいデザインへとブラッシュアップ。その他にも液晶表示やアイセンサーのキャンセル機能など、使い勝手を考えた細かな仕様変更があり、現在Z7を使用している同僚も驚いていたほど。ニコンの魂が宿った最新のミラーレス機、その写りをお楽しみいただけたらと思います。なお、今回使用するのは製品版とは仕様が異なる場合があります。ご了承ください。
天候は曇り。射しこむとは言えないほどの光量です。晴れた日の光が好きですが、最近はこういう光が好きになってきました。その場の光がそのまま写し出されたような臨場感のある描写にゾクッとしました。
内部の構造をまじまじと見たのは今回が初めてですが、撮影中ということも忘れ見入ってしまいました。冒頭の写真も含めてメタリックな質感がよく描写出来ています。
このエリアを散策するときは毎回撮ってしまう椅子なのですが、今までで一番と言っていい質感描写の高さにニヤニヤしてしまいました。革や金属の被写体を見ると「ここまで写ってくれると嬉しい」という期待を込めて撮るのですが今回どのカットも期待以上の写りを見せてくれました。
光のないシチュエーションでこそレンズの素養というものが現れると思うのですが、『NIKKOR Z 70-200mm F2.8 VR S』の写りは素晴らしいの一言です。『Nikon Z 7II』もレンズの力をしっかりと引き出してくれていると感じます。
真っ白なシューズが無数に飾られた天井。今回撮影に使用したレンズ『NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S』ですが中央部はガラス越しにも関わらず素晴らしい解像度です。この焦点距離と絞り値で立体感を感じることが出来るレンズはそうそう無い気がします。
明暗差のあるシチュエーション。JPEG撮って出しでここまで写してくれるのには驚きました。高画素機としてのレタッチ耐性から見ても作品作りの幅が拡がります。
画像処理エンジンを2基に増強し、速写性能を引き上げたという『Z 7 II』。低輝度AFも-4EVまで改善されているということなので少しシビアなシチュエーションで撮影してみました。とっさの撮影でもサッと追従してくれるようになっていました。
ISO感度12800ではやはりノイズ感がありますが、レビューとして掲載させていただきました。とはいえ、等倍鑑賞を目的としなければ十分な写りだと思います。また高速連写を主にする場合、やはりダブルスロットはとてもありがたいです。
閉館間際の時間帯は活発になってくるのでしょうか。いつも寝ている姿しか見てなかったのですが、今回はカメラ目線をもらうことができました。実際高感度撮影で多用するのはISO1600〜6400の間ではないでしょうか。そのISO間のノイズ処理がこれだけ優秀だと使い勝手にも幅が利きます。
これが『7』
『Nikon Z 7II』を使用して頭に浮かんだのは“質実剛健”という四字熟語。決して派手な内容のモデルチェンジではありませんが、撮影することにおいて全てが確実に良くなっており、成熟されたという言葉がしっくりとくる進化を果たしました。例えるなら、当時3600万画素センサーで話題だったD800/D800Eがモデルチェンジし、カメラとしての完成度が飛躍的に向上したD810へと変わった時に似ているかもしれません。『Nikon Z 7』高性能なイメージセンサーはそのままに、レスポンスや操作性などを突き詰める事で道具としての完成度を高めたモデルです。ガジェット的な要素は無く、真面目に写真を撮るカメラであり続けること。フィルム時代の『F』から続く、ニコンのカメラに対する硬派な思いを本機からも強く感じることができました。新しい時代のニコンZ、是非皆さんも体感してみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff