前回ご紹介した「SIGMA Art 28-45mm F1.8 DG DN E-Mount」』に続き、今回は『SIGMA Art 28-45mm F1.8 DG DN Lマウント』をご紹介。「Eマウント」で撮影を行った時は、朝露や質感描写などレンズの描写を中心にレンズの魅力をご覧いただきましたが、今回の「Lマウント」ではスナップ感覚での作品にお付き合いいただければと思います。オートフォーカスや操作性の快適さ、実際この明るさとズーム域はどのようなメリットを得られるのか。マウントと使用するボディの違いでどの様な違いがあらわれるのか。F値の明るさと画質を両立「唯一無二」の存在となった『SIGMA Art 28-45mm F1.8 DG DN』の魅力をぜひご覧ください。
精巧な造りの金具。質感の違い、光沢感や細かな凹凸をしっかりと描き分けてくれます。光が当たった場所が白飛びしないようにアンダーで撮影をしました。旅先など明るい屋外、暗い室内を動き回ります。レンズ交換をする時間もあまりない中ではこのスペックはやはり便利です。ISO感度を上げればもっと器用に立ち回れるレンズもありますが、低感度で撮れるというのは個人的に嬉しいポイントです。
28mmから45mmの間を微調整できるというのは、想像よりも便利です。中央の光が当たっている木にピントを合わせて撮影しました。少し絞ってみましたが、前後の木や石垣もしっかり描きこんでいて解像力の高さに驚きます。
最短撮影距離は30cm。焦点距離45mm時には最大撮影倍率:1:4と被写体に寄った撮影が可能です。広角端でもこのように被写体をクローズアップすることが出来ます。
望遠側で最短撮影距離まで寄って撮影しました。浅い被写界深度のなかでもピント面はシャープ、ボケ味もとても綺麗です。SLDガラス5枚、非球面レンズ3枚を効果的に配置することで諸収差を良好に補正しているとのことで、近接撮影でもこれだけクリアな描写をしてくれます。
SIGMA独自のコーティング技術「ナノポーラスコーティング」やスーパーマルチレイヤーコートにより水面に光が反射する眩しいシチュエーションでもフレアゴーストが出ることもなく撮影することが出来ました。同じ露出でもややハイキーな仕上がりになる「パウダーブルー」ですが、ハイライトがよく粘ってくれます。
ゆらゆらと揺らいでいる水面を止めてみたくて高速シャッターで撮影しました。少し絞ることでピント面を厚めに。狙い通りの揺らぎを捉えることが出来ました。
陽が沈み、辺りが暗くなってきてからの開放絞りの写りをご覧ください。広角端で撮影しましたが周辺減光が起きていないことに驚きました。どの様なシーンにおいても安心して「開放絞り」が使える安心感。街中のスナップからポートレート撮影まで様々な被写体に選びたくなるレンズです。
どこで撮っても銘玉
広角端から望遠端に至るすべての焦点距離で単焦点レンズと遜色ない写りをするズームレンズ『SIGMA Art 28-45mm F1.8 DG DN』。「fp L」に装着するときにはグリップの装着をお勧めします。スペックだけ見るとニッチなレンズのように思えてしまわなくもないのですが、自分の撮影スタイルにマッチすればとても理想的なレンズですし、28mm/35mm/40mm/45mmと段階的に区切ってみてもと4本分の単焦点をレンズ交換なしで撮影できるというのは大きなメリットです。AFアクチュエータにリニアモーターHLA(High-response Linear Actuator)を採用しており常に軽快な撮影が可能ですが、細かなピント調整をしたいときの繊細なマニュアルフォーカス操作の快適さがとても気に入りました。どこで撮ってもなにを撮っても銘玉な『SIGMA Art 28-45mm F1.8 DG DN』。ぜひ使ってみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff