ラオワの”Argus”初となるマイクロフォーサーズ用レンズをご紹介します。『LAOWA Argus 25mm F0.95 APO』は開放F値が0.95ととても明るく、非常に浅い被写界深度により、背景を大きくぼかすことが可能です。とろけるようなボケ味はラオワの得意とするところですから、期待が高まります。また低照度での撮影もできるので、撮影の幅が広がります。そしてAPO設計は、鮮明なだけでなく色収差を最小限に抑えたクリアな画質をもたらしてくれます。ブリージングの抑制に長けており、動画撮影においても画角の変化に気を取られることなく撮影することができます。今回は雨の横浜にこちらのレンズを持ち出しました。組み合わせたのは『OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III』です。それではどうぞフォトプレビューをご覧ください。
「バルバスバウ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「バルバスバウ」とは、船の底前面にある出っ張りのことなのです。顔で例えるなら、顎がしゃくれているようなあの部分です。”しゃくれ”に大きめに白波が立つシャッターチャンスを待ちます。
暗い部屋に置かれた屏風型の間仕切りの一部だけに、光が当たっていました。間仕切りには丸いパンチ穴がたくさん開けられていて、そこから向こう側を覗き見ることができます。光が当たった部分だけが浮かび上がり、幾何学的な模様を描きます。
工事現場に置かれたちょっとした仕切りをふと横から見てみると、十字架型の穴が開いていてハッとしました。おそらくフックをひっかけるための穴だと思うのですが、それが意外性のある意味ありげな形をしていると「見つけた」と思ってしまいます。街は小さな発見で溢れています。
短いユキヤナギのようなこの花はアリッサム。こういった写真は全ての花にピントが合ったりするものですが、『LAOWA Argus 25mm F0.95 APO』はとろけるようなボケ味で作品をどこか幻想的に仕上げてくれます。
外はしとしとと雨が降っていますが、建物に入り廊下をハイトーンで撮影。古いものの手入れの行き届いた清潔感ある廊下の雰囲気が伝わる写真になりました。
MFTでもとろけるボケ味を
センサーサイズが小さいほど、得られるボケの量は減ります。MFTユーザーは「ボケ味」について諦めがちなことと思います。しかしどうでしょう。『LAOWA Argus 25mm F0.95 APO』ほどの大口径ともなれば諦める必要がなくなります。むしろフルサイズより小回りがきくMFTならではの作品撮りができ、作品の幅が広がるのです。35mm換算50mm相当という使いやすい焦点距離もまた魅力です。ぜひお手にとっていただきたい一本です。
Photo by MAP CAMERA Staff