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『Leica SL2-S』 4K実写レビュー

2021年05月31日

使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH. / C4K29.97p 400Mbps / 動画からの切り出し

 

『ライカ SL2-S』は、昨年の12月に発売されたSLシリーズの最新モデル。2019年に発売された「ライカSL2」をベースに、新開発のフルサイズ2400万画素センサーを搭載。4700万画素の「ライカ SL2」と比べると一画素あたりの面積が物理的に大きく、広いダイナミックレンジと優れた高感度耐性が魅力です。最大25コマ/秒という圧倒的な高速連写性能と、4K動画を10bitで時間の制限なく連続記録できるというプロレベルの動画性能も実現しており、写真だけでなく動画においてもトップクラスの性能を手に入れました。

今回は5月に公開された最新ファームウェア(Version 2.0)によって、動画性能がさらに進化した『ライカ SL2-S』で動画撮影を行いました。まずは撮影した映像からご覧ください。

 

ライカSL2-S | 4K MOVIE

PCでご視聴の方は、画質設定から4Kで視聴が可能です

 

撮影地は東京の西部、奥多摩地方。鳩ノ巣渓谷から氷川渓谷を散策しながら撮影しました。映像の後半ではライカ独自のL-Logやモノクローム記録、外部マイクを使用した収録も試しました。レンズには標準​ズームレンズとして評価の高い「Leica バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.」、外部マイクにはステレオ収録が可能な「SENNHEISER MKE-440」を使用しています。モノラルのショットガンマイクに比べて臨場感のある音声を記録できるので風景動画を撮られる方には最適です。

 

「SENNHEISER MKE-440」を装着しての撮影風景。

 

「Leica バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.」は広角から望遠側まで安定した写りを見せてくれました。望遠(90mm)側での最短撮影距離は0.45​mと寄れるのも嬉しいポイント。1本で多彩な表現が楽しめるので利便性が高く、撮影機材を最小限に抑えたい今回の撮影では活躍してくれました。

 

ライカルックでムービーを撮る

使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH. / C4K29.97p 400Mbps / 動画からの切り出し

 

実際に動画を撮影して最初に感じたのが、撮って出しのルックの良さ。絶妙なコントラストと色彩感が見事で、自然な写りでありながら他のカメラにはない独特な雰囲気を感じます。

 

使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH. / C4K29.97p 400Mbps / 動画からの切り出し

 

使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH. / C4K29.97p 400Mbps / 動画からの切り出し

 

いかがでしょう、この緻密な描写。重なり合う木々の葉一つ一つを見事に捉えています。レンズが持つ力も多分にありますが、4Kカメラが一般的になった今だからこそ、こういった被写体での表現力が試されます。

 

使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH. / C4K29.97p 400Mbps / 動画からの切り出し

 

モノクローム

使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH. / C4K59.94p 200Mbps / 動画からの切り出し

 

動画プロファイルを「STD」標準から「BW Nat」モノクロームへ切り替えて撮影したカットです。「STD」の色味も素晴らしいですが、モノクロームでの動画撮影も新鮮で面白いです。動画プロファイルには他にもコントラストの高いモノクローム「BW HC」や「VIV」ビビット、「NAT」ナチュラルがあります。彩度はカラー撮影時のみ設定可能ですが、コントラスト、シャープネスも調整可能。撮影時に撮影者のイメージに合ったアレンジが愉しめる機能です。

 

使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH. / C4K59.94p 200Mbps / 動画からの切り出し

 

モノクロームカットは全てC4K/60pで収録を行い、編集時に30pのタイムラインに入れることで約2倍のスロー効果を狙いました。最新ファームウェアによって10bitでの4K/60p撮影が可能になったことで編集時の幅も広がっています。

※4K/C4Kでの60p撮影時はセンサーフォーマットが「APS-C」となるので注意が必要です。

 

L-log収録

Natural lutを適用 | C4K29.97p 4:2:2 10bit 400Mbps | ISO400

 

先ほど紹介した動画プロファイルよりも本格的に画作りを追求したいユーザーに向けた機能として、ライカ独自のL-Logでの撮影にも対応しています。L-Logは撮影後の編集作業が前提となりますが、カメラが持つダイナミックレンジや色域を最大限生かした状態での記録が可能となります。今回はライカが公開している2種類の専用LUT(色補正が行われた状態のプリセット)「Natural」「Classic」を適用してみました。「Natural」に関してはグレーディングの基準となるルックで、ここからイメージした映像に追い込んでいくとスムーズに進められます。ぜひ10bitの情報量を活用した編集にも挑戦してみてください。

 

Classic lutを適用 | C4K29.97p 4:2:2 10bit 400Mbps | ISO400

 

基本的にメーカーの公開しているLUTはLog収録をした素材の補助に使われますが、「Classic」に関してはクラシカルなフィルムを彷彿とさせるルックとなります。撮影した素材にそのままLUTを適用しただけですが、雰囲気の良い映像が得られました。このLUTを使うためにL-Log収録を試してみるのも良いと思います。

 

高感度

使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH. / C4K29.97p 400Mbps / 動画からの切り出し

 

最後のカットは高感度側の描写を確かめるため、日の暮れた路地で見つけた猫を被写体に選びました。ISO 6400での撮影ですが、細い毛の質感も潰れることなく再現しています。多少のノイズは感じますが、通常の鑑賞用途であれば十分な画質ではないでしょうか。写真と比べてシャッタースピードに制約のある動画だからこそ、高感度に強いのは嬉しいところです。

 

使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH. / C4K29.97p 400Mbps / 動画からの切り出し

 
 

Leicaムービーの世界へ

SNSを中心にVlogなどの動画市場が世界的な盛り上がりを見せる昨今、ユーザーが写真機に求める機能も日々変化しているように感じます。「Two worlds. One choice.」が示すように『ライカ SL2-S』は、写真・映像、幅広い撮影ニーズに応えるライカSLシステムの新たなスタンダードと言えるでしょう。ハイアマチュアやプロフェッショナルの方の”頼れる相棒”としても、あらゆるシーンで存分にご活用ください。

 
Movie by MAP CAMERA Staff
  

 

 

▼ Photo Previewはこちらからご覧ください。

LEICA SL2-S

 

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