707:『SIGMA Sports 150-600mm F5-6.3 DG DN OS E-Mount』
2021年08月05日
「Prime Class Optical Quality」
600mmテレ側において単焦点レンズにも引けを取らない光学性能を実現させたという『SIGMA Sports 150-600mm F5-6.3 DG DN OS』がついに発表されました。150mm側で最短撮影距離58cm、「ズームトルクスイッチ」の追加など便利な機能が目を引きますが何より驚いたのは約2.1kgという重量とサイズ感。Sportsラインでありながら『SIGMA Contemporary 150-600mm F5-6.3 OS HSM』とほぼ同じサイズ感と重量を実現させています。防塵防滴仕様、4段分の手振れ補正機構など基本性能の充実も嬉しい限り。かなり距離感の近い被写体ばかりではありますが、ソニー-Eマウント用レンズで早速撮影に行ってきましたのでぜひご覧ください。
水面に写る青空とアメンボが次々と起こす波紋が美しかったので撮影してみたところ想像以上の写りを見せてくれました。ぜひ拡大して水面の波紋をご覧ください。ちなみにアメンボの雄は波紋でプロポーズをするらしいのですが、このアメンボ達のプロポーズはとても成功率が高そうです。
蓮の現世離れした美しさも好きですが、まるで魔法のように水を弾く蓮の葉もまた好きな被写体です。葉の上でツルツル滑る水の玉。もういつの間にか蓮の時期も終わりそうになっていて、あっという間に過ぎていく季節に少し戸惑ってしまいます。600mmテレ側において単焦点並みの写りをするということですが、こうして見てみれば150mmワイド側でも素晴らしい解像力ではないでしょうか。
鳥も木陰で休むような猛暑日。スイスイと池を泳ぐカモに嫉妬しつつ、海では見ることの出来ない美しい水の揺らぎが目に留まり撮影しました。600mmで圧縮された世界は私たちの肉眼ではけっして見ることの出来ない世界です。
飛行機のエンジン音が聞こえてきたので見渡すと、ちょうど頭上を過ぎようとするところ。とっさの撮影にもかかわらずこのレンズはしっかりと被写体を捉えてくれたので感動しました。APS-C(クロップ)モードでの撮影でしたが、機体番号や機体の細かいディテールも解像出来ていて驚きました。ちなみに筆者は初めて飛行機を真下から見たのですが、ジェットエンジンが某SF映画のロボットみたいだなと思いました。
この超望遠レンズなら立ち入ることの出来ない世界も撮れると思い、足を運びましたが結果は大満足。『SONY α7RIV』の高画素を活かしクロップ機能で約900mm相当の焦点距離で撮影しましたが、拡大で見てみてもしっかりと解像できていて驚きました。これだけの解像力をキープ出来るのであればクロップ撮影も安心して使用できます。
たっぷりと距離を取り花を撮影。逆光に少し輝く花の美しさや柔らかいボケ感がとても魅力的な写りとなりました。重いという感覚がないおかげで道端にあるちょっとしたシャッターチャンスも諦めることが少なくなりそうです。
池の向かい、人が立ち入れない場所でゆっくりと休むシラサギを600mmで切り撮り。バードウォッチングが出来るこの公園では野鳥たちがのびのびと暮らしています。冒頭カットのカワセミも観察所に着いてから数秒で姿を見せてくれました。野鳥を専門に撮る方々には及びませんが、空飛ぶ宝石とまで呼ばれるカワセミなどを実際にこの眼で見て撮る楽しさというのを今回このレンズのおかげで実感することが出来ました。いずれたっぷりと時間を取り野鳥撮影をしてみたいものです。
本格的な超望遠をよりアクティブに
超望遠レンズを普段用いない筆者はカメラバッグに困った末、肩に掛けて持ち歩く選択をしたのですが驚くほど疲れを感じませんでした。過去の経験からすると150-600mmクラスのレンズを使っていると半日もすれば肩が悲鳴を上げ始めていたところが体感で100-400mmクラスのレンズを使っている感覚ほど。手ぶれ補正の能力やトラッキングAFにもしっかりと追従してきてくれる仕上がりでまさに「Sports」ラインとしてふさわしい超望遠レンズになっていると感じました。この超望遠クラスをアクティブに使いたいと思っていたユーザーの方々にはぜひ使っていただきたいレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff