使用機材:SIGMA fp L + Art 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE
2005年頃発売されたオートフォーカス対角線(DIAGONAL)魚眼レンズ『SIGMA 15mm F2.8EX DG DIAGONAL FISHEYE』から約19年。F1.4の明るさと画角180°の画面隅々まで高解像に写し出すフルサイズ対応、オートフォーカス対角魚眼レンズ『SIGMA Art 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE』が発表されました。魚眼ならではの迫力のある歪曲効果による超広角撮影で「Art 14mm F1.4 DG DN」「Art 20mm F1.4 DG DN」に続く、星景写真の新たな表現と可能性を叶えるためのレンズです。サジタルコマフレアを中心に各収差を良好に補正し、点像再現性と高い解像力を達成しているとのこと。アウトドア撮影で結露を防ぐためのレンズヒーターを使用する際、レンズ前面に飛び出して画面周辺にケラレが発生するのを防ぐためのフロント周りに段差を設けた「レンズヒーターリテーナー」、レンズマウント部にシートタイプのフィルターを装着できる「リアフィルターホルダー」、そのフィルターを2枚収納できるフィルタースロット搭載の「カバーレンズキャップ」長時間露光撮影時にフォーカスを固定する「MFLスイッチ」など星景色写真家のための機能が充実しています。
開放絞りですがガラス網までくっきりと見えるほどの解像感です。四角錐の屋根を見上げるように撮影すると四辺が膨らんだように変形しました。光源が右上にあるので左側は少し影になり色が深くなります。写真では奥行き感が弱まって見えるので対角線に沿ってフィルターをかけたかのように見えます。魚眼ならではの光の回り方が特徴的で面白い仕上がりになったと思います。
使用機材:SIGMA fp L + Art 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE
F8まで絞ってみました。開放絞りでも十分すぎるほどの解像感でしたが、細いワイヤーや画面隅の文字もはっきりと見えます。周辺減光も抑えられ空のトーンも均一になりました。開放F1.4も魅力的ですが絞った画もおすすめです。さらに注目していただきたいのが手前のフェンスの部分。大胆に歪んだ一方で画面中央の線は限りなく水平に見えます。上下どちらかに少し傾けるだけであらゆる線が大きく歪むのは不思議で面白いものです。
使用機材:SIGMA fp L + Art 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE
最短撮影距離は38.5cmと魚眼レンズにしては控えめな距離感です。大口径レンズならではのボケで、見せたいところをしっかり浮き立たせてくれます。
使用機材:SIGMA fp L + Art 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE
撮影していて面白いことに気が付きました。隅から隅まで一直線の被写体を撮影すると、アングルによって「人の目」のようなシルエットに撮影することができます。オブジェクトを中央に配置したらさらに面白いのではないかと想像力を掻き立てられます。
使用機材:SIGMA fp L + Art 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE
まっすぐ正面に被写体を置けば魚眼の影響も少なく写すことが出来ます。歪みが少ないこともそうですが、ガラスの光沢感などシンプルに素晴らしい写りです。
使用機材:SIGMA fp L + Art 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE
まるで映画のシーンを撮影しているかのようなユニークな画ができました。魚眼とアスペクト比「21:9」の組み合わせは新しい表現の一つになるような気がします。
使用機材:SIGMA fp L + Art 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE
なんとも言えぬ違和感。窓のいびつな形などこれもまた魚眼による視覚効果です。ミステリーやホラーの世界観で現れそうな通路。VRでこんな世界を覗いたら酔ってしまいそうです。私ならこの先へは進みません。
使用機材:SIGMA fp L + Art 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE
吹き抜けになっている天井を見上げるように撮影しました。まるで宇宙船のような雰囲気に撮影することができました。
使用機材:SIGMA fp L + Art 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE
星空撮影に挑戦しょうと思い郊外まで足を運んだものの、東京近郊の空はそれほど暗くありませんでした。まるで星の数ほどあるような無数の枝木と僅かながら輝く星をご覧ください。このシチュエーションでさえこの数の星を撮れるのですから、整った環境で撮ったら一体どれだけの世界が写るのか。期待しかありません。ぜひその星の輝きをこのレンズで収めてみてください。
革新的魚眼
撮影者の想像力を試されるレンズ。「このレンズを使ってあの場所を撮ってみたら面白いかもしれない」という頭に思い浮かんだイメージを実現させるのがとても楽しいレンズです。想像と創造がピッタリと組み合ったときの快感はかなりのものです。星景写真においても「Art 14mm F1.4 DG DN」「Art 20mm F1.4 DG DN」などの定番レンズを使って撮影している方であれば、撮れる画の違いを想像したり、このレンズでしか出来ない表現が「確実にある」という事実に撮ってみたいという欲が止まらないのではないでしょうか。どういう風に撮ってみようかと考えて思いついたアイディアを一つ一つ実現させていくうちに、どんどんこのレンズの面白さにハマっていきました。想像力次第で新しい表現を実現させることが出来る『SIGMA Art 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE』ぜひ最先端の魚眼ワールドを体験してみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff