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高い光学性能とコンパクトネスを両立させるSIGMA Contemporaryライン。ついにCanon RF-MountもContemporaryラインの単焦点レンズが4本揃いました。『SIGMA Contemporary 23mm F1.4 DC DN』は35mm判換算で約36mm相当と準広角の焦点距離で重さ345g、長さ76.9mmのコンパクト設計です。前回『SIGMA Contemporary 16mm F1.4 DC DN』を使ってからだとそのコンパクトさが際立ちます。広角の16mm、標準域の30mm。その中間を担う本レンズは、どの焦点距離のレンズを持っているユーザーにも需要のある画角。30mmを持っていたら次は16mmか56mm…というのは自然な流れかと思いますが、30mmより少し広い画角というだけでも十分に持つ価値がある一本です。今までと同じく「EOS R7」で撮影してまいりました。ぜひご覧ください。
青空のグラデーションも自然でとても綺麗で、絢爛な装飾の細部のディテールまで解像してくれました。F8と絞っているのですが、それにしても非常に良く写ります。ピント面はもちろん、画面隅の木の枝までクッキリです。
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開放絞りでの撮影です。準広角レンズですが、被写体と距離を取った状態からでも、このようにとても豊かなボケ感と浮き出るような立体感を得ることが出来ます。
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開放絞りから十分にシャープなのですが、前ボケが少し落ち着いたF2のカットを選びました。かなりゴチャっとした空間なのですが、被写体にスッと視線が向かっていく気持ち良さがあります。
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花びらの発色やディテールがしっかりと出ていて背景の玉ボケが綺麗に出たので採用しました。準広角は被写体に寄っては引いてを試行錯誤することも多いです。どの距離から撮っても安定して撮れるレンズだと思いました。
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室内の照明は抑えめで窓から差し込む光が頼り。そんなときでもF1.4の明るさがあれば、その光をちゃんと捉えてくれます。ビニールカバーの付いた本の光沢感も実に素晴らしい描写です。
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最短撮影距離は25cmとテーブルフォトも気軽に行えるところがポイント。開放絞りでは被写界深度がとても浅かったため、カップのラテアートを見せるために少し絞りました。絞ってもボケが硬くならないのも素敵です。
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フレア・ゴーストが発生するかもしれないというシーンを見つけては色々と撮影してみたのですが、逆光性能も非常に高いです。
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陽はビルに遮られていますが、その光を受けた歩道の日よけと周りの暗さとのコントラスト差に目を引かれたので撮りました。モノクロにしたことで雲のディテールや飛行機のシルエットなどシャープさがよく分かります。
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個人的には軽い気持ちでスナップを楽しみたいときに、準広角のレンズを選ぶことが多いです。もしくは標準や中望遠画角のレンズを常用しながら、開けた気持ちのいい風景に出会ったときのためにカバンに忍ばせておいたり。24、28mmのように広さをアピールするような画角ではないのですが、程のいい伸び方が心地よい画角です。F8まで絞ると周辺部まで風に揺れる水面の波模様をスッキリと写してくれました。
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常に持っておきたい一本
明るい標準域のレンズならコンパクトなものも多く揃っていますが、明るい広角レンズとなるとサイズ重量が大きくなってきます。そんな中でシグマのこのシリーズは、カメラを始めてみたい方も含めた全てのユーザーにとって非常に嬉しい存在です。個人的な感覚では友人と集まるときのテーブルフォトや初めて訪れる場所では35mm判換算で約36mmの画角がとてもいい仕事をしてくれます。色々と考えてみても、16、30、56mmの画角どれと組み合わせても使い道が見えてくる『SIGMA Contemporary 23mm F1.4 DC DN』。最初の一本に、同シリーズのレンズをお持ちの方もぜひ次の一本に。
Photo by MAP CAMERA Staff