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824:ツァイスが作り上げた珠玉の一台「ZEISS ZX1」

824:ツァイスが作り上げた珠玉の一台「ZEISS ZX1」

2023年01月01日

世界最高峰のレンズメーカー「Carl Zeiss(カール・ツァイス)」。写真機が誕生して以来ツァイスが光学製品に与えた影響はあまりにも大きく、現代に続くカメラ・レンズの礎と歴史を作り上げたと言っても過言ではありません。

今回ご紹介するのはそのツァイスが設計したレンズ一体型のフルサイズデジタルカメラ『ZEISS ZX1』。国内販売されず幻とも言われたこのカメラのフォトプレビューがついにKasyapaにて登場です。

 

絞り:F8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100
使用機材:ZEISS ZX1

 

まず前置きとしてお伝えしなくてはならないのは、この『ZEISS ZX1』は中古で買取をした個体であり、国内ではいまだに流通していないカメラだということ。筆者としてはCP+2019のツァイスブースで展示されていた実機を見た時以来の再会でした。

少し背が高くグリップ部で「くの字」に曲がるようなフォルム。背面には操作系のボタンやレバーは無く、すべてタッチ液晶で操作するスマートフォンのような仕様。そして各指標や文字には最高峰レンズであるOtusシリーズと同じ黄色の配色が施され、レンズには専用設計された「Distagon 35mm F2」。

全てがツァイスらしく洗練された一台の『ZEISS ZX1』。ぜひその写りをお楽しみください。

 

絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100
使用機材:ZEISS ZX1

 

このカメラが似合う撮影スタイルはと考えた時、思い浮かんだのがストリートスナップ。スマートデバイスのような操作系とクールなデザインは自然派より都市型というのが筆者の第一印象でした。

スナップ撮影では直感と反射神経に頼ってシャッターを切っていく撮影スタイル。カメラにはその感覚と同調できるレスポンスの良さが求められます。この写真では横断歩道を渡ってくる旅行者の足元を切り取った一枚。白と黒のコントラストを強調したいと思い、モノクローム現像を前提にイメージして撮影をしました。

アスファルトのざらりとした質感。高コントラストながら様々な「黒」を写し出すレンズの表現力。そして少し感覚的な言い方になるかもしれませんが、軽い写りをするカメラに対して本機が写し出す写真はどっしりと重くて濃い。ツァイスの名機である『Contarex』にも通ずるような写真の質量を感じる描写です。

 

絞り:F8 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:200
使用機材:ZEISS ZX1

 

『ZEISS ZX1』をマニュアル露出で撮るなら上部のダイヤル類と絞りリングを回して直感的な操作が可能ですが、露出補正などの機能を使用する場合は背面液晶からアイコンをタッチし、指で上下にスライドさせて補正量を調整するなど今までのカメラでは経験したことのないスマートフォンのような操作が求められます。

このカットは立ち並ぶ高層ビル群をF8で撮影した一枚。設定が絞り優先の設定になっていたので、空とシャドウ部が良い塩梅になるよう露出補正を微調整してシャッターを切りました。

 

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100
使用機材:ZEISS ZX1

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/1500秒 / ISO:125
使用機材:ZEISS ZX1

 

イタリアの跳馬、Ferrari「296 GTB」のリアビューを絞り開放で撮影した一枚。機械式レンズシャッターを採用しているので最高速は1/2000秒となっており、シンクロ同調速度が1/1000で切れるというメリットはあるものの、昼間に開放F2で撮影するのには少々条件が揃わないと叶いません。しかしながらその描写は『ZEISS ZX1』の個性が色濃く出る印象を受けました。ピント面を浮き立たせる立体感と、まどろむような粘度の高いぼけ味。この写りに往年のツァイスレンズのような世界観を感じたのは私だけでしょうか。

 

絞り:F13 / シャッタースピード:1/8秒 / ISO:80
使用機材:ZEISS ZX1

 

リフレクションを利用してスナップした一枚。画に動きが出るようシャッタースピードは1/8秒に露出を調整し、タイミングを読んでシャッターを切りました。

 

絞り:F6.3 / シャッタースピード:1/750秒 / ISO:125
使用機材:ZEISS ZX1

 

本機にはAdobeのLightroomが内蔵されており、Wi-Fi環境下で本格的なRAW現像をカメラ内で行える機種です。また、レンズプリセットに『ZEISS ZX1』があり、歪曲収差と周辺光量落ちをワンクリックで補正することも可能。しかし実際に筆者も試したのですがレンズ補正に関しては好みの問題かなと思いました。

正直に言うと開放ではかなり周辺減光が大きいレンズで、数値性能を出すのならば2段ほど絞って撮影した後に補正をかけるのが正解だと思います。しかし、レンズ補正なしの方が写真に雰囲気があり、『ZEISS ZX1』の個性がより強く出て撮影意欲を掻き立ててくれるとも感じました。

 

絞り:F4 / シャッタースピード:1/1500秒 / ISO:100
使用機材:ZEISS ZX1

 

水面への写り込み、波紋、そして光。美しい写真の条件を『ZEISS ZX1』のレンズとセンサーがより引き立ててくれました。このカットはレンズ補正なしのストレート現像。ふとした瞬間にシャッターを切った一枚がこのような美しい写真だと、もう本機の魅力から逃れられません。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:100
使用機材:ZEISS ZX1

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/180秒 / ISO:200
使用機材:ZEISS ZX1

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/60秒 / ISO:400
使用機材:ZEISS ZX1

 

少しアンダー気味の写真がものすごく良い写りと感じるカメラです。ドイツで設計されたレンズはドイツの光で撮ることを前提に考えられているなんて話を昔聞いた事がありましたが、本機も国産機とは画作りの考え方が違う印象で、細い線と空気感をも描く『LEICA Q2』に対し、高コントラストで濃密な描写というツァイスレンズのイメージをそのまま体現したのが『ZEISS ZX1』という印象です。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:1600
使用機材:ZEISS ZX1

 

今回のフォトプレビューで最後となるクリスマスツリーを撮影した一枚。ISO1600でノイズが結構乗るとお気付きになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筆者も含めユーザーの多くが「高感度ノイズがないことが正」という認識を持ち、機種によってはかなり強めのノイズリダクションを掛ける現代のデジタルカメラですが『LEICA SL2』や『LEICA Q2』などを使用したことがある方はお分かりの通り、海外メーカーは高感度ノイズに対する考え方が少し違うようです。

ノイズが出てもレンズが描くディテールを優先させる味付けがされており、カメラ内で行うノイズリダクションは最低限。それ以上の補正は現像ソフトで撮影者の好みでやってくれというスタンスに感じます。それ故に本機やライカで初めて高感度撮影をした際には度肝を抜かされる訳ですが、プリントすると被写体の立体感やディテールが失われておらず「これを見越して考えられていたのか」と、ノイズに対する印象が大きく変わるのです。

 

 

スマートフォンのような操作感に最初は戸惑ったものの、すぐに慣れて思い通り使用できるようになりました。

本体箱に説明書のような物は入っておらず、本機はカメラ内でチュートリアル動画を見て理解する仕様。また、操作系のアイコンに文字は一切書かれていないのですが、ぱっと見で「コレ」と分かるUIデザインがされています。

ユニバーサルデザインとしても高く評価したい『ZEISS ZX1』。ドイツプロダクトの質の高さを本機から感じました。

 

Otusシリーズと同じ配色がされたダイヤル類。その意味はツァイス最高峰の証と捉えて間違えないと思います。

    

 

現代のツァイスが作り上げた珠玉の一台。

ツァイスブランドのデジタルカメラとして注目を集めた『ZEISS ZX1』。国内未発売ということもあり、その情報も噂レベルでしか知る由がなかった本機ですが、今回初めて実機に触れその性能を体感することができました。

高コントラストと立体感、そしてグレートーンというよりも、しっかりと色で黒を書き分けている暗部の階調表現。一言で本機を写りを説明するならば「生粋のツァイス描写」という言葉が頭に浮かびます。ソニーのRX1シリーズにもツァイスブランドのSonnar 35mm F2が搭載されていますが、レンズ構成はもちろん、画作りの考え方が国産機とドイツ機で違うと感じました。

今回使用した『ZEISS ZX1』ですが中古販売はまだ決まっておらず、動画レビューとフォトプレビューでその製品のお伝えする形となりました。撮影後のカメラ内現像などは動画にてご説明していますので、ぜひ下記のYouTube公式チャンネルも合わせてご確認ください。

希少な一台のフォトプレビューから始まった2023年のKasyapa。今年も様々なカメラ、レンズを写真とともにご紹介してまいりますので、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

 

Photo by MAP CAMERA Staff

 

 

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