後継Summicronのネームバリューの所為か、何かと地味な扱いをされやすい気もするが、1939年から戦後にかけて17万本も生産されたロングセラーレンズである。製造開始から約5年間はコーティングが施されていなかったが、1945年以降はライカのレンズとしては初めて、コーティングを採用したレンズとなった。今回ご紹介するのは、そのコーテッドバージョンでの作例である。
流石にコーティングが施された個体ということもあり、古めかしい沈胴式の外見からは連想できないような、纏まりの良い描写に驚かされる。
純正レンズとしては比較的手を出しやすい価格帯に位置し、程度の良い個体とも容易に出会う事が可能。それでいてここまで描写で魅せてくれるのだから、『狙い目』のオールドレンズと言っても過言ではないだろう。
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